槍の又左、傾いて候

人物紹介

又左
前田家の四男・前田又左衛門利家
元服前に初陣を果たし、その勇猛果敢さから【槍の又左】と渾名される傾奇者
幼名が犬千代であるため、主君からはよく『犬』と呼ばれ遠乗りの供をさせられる
実は計算が得意で唐渡りの【そろばん】を使いこなすことができる

松
又左の従妹で妻で二男四女の母でもある
肝の座った女性で又左の尻を叩くことも
又左のことを愛し、誰よりも理解している
後に北政所と呼ばれる秀吉の正室・寧々の友人でもある

慶次
利家の長兄・利久の養子で後に【天下一の傾奇者】と称される前田慶次郎利益
滝川益氏の実子で甲賀忍の血を濃く引いているせいかずば抜けた身体能力を持っている
又左の家督相続問題で複雑な立ち位置に立たされる
松を姉と慕う心優しい少年

藤吉郎
ある日、ひょっこり又左の前に現れて纏わりついてくる男
百姓の出であるが、その巧みな話法と天性の勘で出世をし足軽大将を務める
その実は山の民と呼ばれる忍びの一人
松の友人・寧々に一目惚れして毎日口説いている
後の天下人・豊臣秀吉

寧々
松の友人
後の天下人・豊臣秀吉の正室・北政所
可愛らしい容姿のせいでよく男たちに絡まれては松に助けてもらっている
目下の悩みは藤吉郎の口説きを交わすこと

前田利久
又左の長兄で前田家当主
体が弱く戦に出ることができない
そのため、主君から戦功華々しい弟の又左に家督を譲るよう厳命される
家督を譲ることに異存はないが、養子である慶次の行く末を案じ思案にふける毎日

内蔵助
又左の同僚となる佐々成政
実直であるがゆえに融通が利かない
新参者の藤吉郎のことはあまりよく思ってない

権六の親父殿
又左の直属の上司である筆頭家老・柴田勝家
質実剛健で武勇に秀でる
藤吉郎のような新参者が幅を利かせていることが我慢ならない男
それでも、又左のことは気に入っており、我が子同然に思っている

御館様
又左の主君である織田信長
藤吉郎を『猿』と呼び側に置くとともに、又左も『犬』と呼んでは連れまわす
【無慈悲な魔王】と恐れられているが、それを演じることで戦乱で荒れ果てた世を変えようとしている
その心の内を知るのは正室・帰蝶のみ