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『双子と魔眼』
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『双子と魔眼』
なぜメガネをとるのかと双子ちゃんが首をかしげる中、オレは完全にアイスの解けきったアイスコーヒーの上澄みで左手の人差し指を濡らす。
左側から顔を寄せてきていたエリちゃんの唇に、その白く泡に濡れた指を近づけた。
バニラの甘い匂いにエリちゃんが「あ」と声を漏らす
「汚れちゃった。キレイにしてくれる」
「……ッ」
オレの言葉、そしてオレの瞳を見てエリちゃんが固まる。
遠慮がちに舌を出したエリちゃんが、ペロリ、と。
「ふふ。まだ汚れてるよ?」
「は、はい……」
少しの戸惑い。
だがその戸惑いごとその小さな唇がオレの指をそっとくわえた。
オレの右肩あたりで、呆然と見つめていたユリちゃんに顔を向ける。
「ユリちゃん」
「は、はい」
「ユリちゃんの指にもアイスがついているんじゃないかな?」
「え……あの? ……あっ」
すぐに察したのかユリちゃんはオレと同じように、自分の指をコーヒーで濡らした。
「ああ、やっぱり。ボクが綺麗にしてあげようか?」
オレは自分の唇に舌を這わす。
「あ、はひっ、お願いします」
本当にいいのかな? という顔でユリちゃんがその指をオレの口に近づけた。
「ひゃっ!」
オレがその細い指を舐めるとユリちゃんが身をすくませて悲鳴をあげ、反射的に指をひっこめた。
「ん? もう綺麗になったのかな?」
オレはユリちゃんを見る。
ユリちゃんはコーヒーとオレの舌で濡らされた自分の指先を見て、それをおそるおそる再びオレへと差し出した。
「ふふ。いただきます」
「ひうっ……」
オレはユリちゃんの指を軽く噛んで逃がさないようにしてから舌先で舐めまわす。
「ひ、ひっ、あっあっ……」
背筋に何かが走っているかのように、何度もビクビクとユリちゃんが体を震わす。
「き、京クン、私も、それ……」
オレはいったんユリちゃんの指を開放して、エリちゃんの耳元でささやく。
「エリちゃん。ボクの指はまだ綺麗になってないよね? 上手にできたらご褒美に君にもしてあげるよ」
オレはエリちゃんへ、今度は人差し指と中指の二本を差し出した。
「は、はい! ……あむっ」
勢いよくくわえこまれた二本の指を、その小さな口の中で激しく動かす。
「あっ、んっ、う、んっ」
エリちゃんの口内で指を暴れさせると、口の端から唾液が垂れた。
温かく濡れた二本の指でエリちゃんの舌を挟む。
「ふむっ!?」
「そのまま舌を出してごらん?」
オレはつまんだ舌をエリちゃんの口からつまみあげるようにする。
ベロを精いっぱい出すようにしたエリちゃんは、あっあっ、と言いながら唾液をみっともなく垂らしてしまう。
ポタポタと唾液が垂れる先はオレのズボン。
左ももに広がる染みは、かろうじて股間からずれた場所だった。
「あーあ。ボクのズボンが汚れちゃった。ユリちゃん、双子なら連帯責任かな? その染み、拭いてくれる?」
「は、はいぃ」
オレは舐めていたユリちゃんの指を開放して、濡れたズボンを見る。
おそるおそるユリちゃんが紙ナプキンでオレのズボンを拭く。
「し、失礼します」
「うん、お願いね」
染みを拭きとるユリちゃんの指先。
ツインテが揺れて。
「……」
紙ナプキンを持つ指先が、少しだけ股間に近づいた。
「ふふ?」
「……」
オレの微笑みに、さらに少し股間に近づく指先。
「んーんー!」
ユリちゃんに気を取られていたせいで、ついエリちゃんの舌を挟む指に力が入ってしまった。
苦しそうに舌を伸ばしたまま、糸を引いた唾液が、またいくつも雫を落とす。
それは拭いているユリちゃんの手の甲、そしてオレのズボンにも新しい染みを作った。
「あーあ」
「す、すみません」
「これはエリちゃんもお手伝いしてもらわないとね?」
「は、はい、すぐに!」
エリちゃんも紙ナプキンを手にして濡れたズボンを拭き始める。
ユリちゃんと同じく、ギリギリを攻めてくるものの、本丸への突撃はさすがに避けている。
双子だけあってか視線のみで意思疎通をしているらしく、微かに頷いたり、首を振ったりしているのが面白い。
おそらく、まだイケル? もうヤバイ? もう少し? そんなカンジだろう。
かつて子供のころ。
まだ砂場なんてものが公園にあって、自分も含めた小さな子供達がたくさん遊んでいた頃の思い出がよぎる。
砂山に立てた木の棒。
それを倒さずに砂をとっていくという遊び。
友達より多くの砂をとる事で勇気を示したあの頃。
大きくなるにつれて忘れてしまったあのドキドキ。
生まれ変わったこの世界で再び味わえるとは思わなかった。
もっとも今のオレは棒の役であり、今にも勇気を示そうとしているのは目をギンギンに輝かせたエリちゃんとユリちゃんだ。
「……」
「……」
視線を交わしていた二人が今までより、少しだけ深くうなずいた。
両サイドから紙ナプキンを持った指先が、砂場の山の頂点に立つ棒へ向かう。
その瞬間。
「すみません、京センパイ! 遅くなりま……あ、テメーら!」
「ユリ、動くなっつったろ! エリもお前、ナニやってんだ!」
戻ってきた薫ちゃんとショーコちゃんに引き剥がされ最初の位置に戻る双子たち。
残念。
だがオレ以上に残念がっているのは双子の方だろうが、また擬態モードに戻ってしまった。
彼女達の力関係の上下というより、今までもこうして薫ちゃんとショーコちゃんという目立つ存在を隠れ蓑にして、立ち回っているのだろう。
最初にショーコちゃんの体の陰から盗撮していたのもユリちゃんだったしね。
戻ってきた二人が双子を元の位置へ戻し、自分たちのポジションを取り戻した。
なぜメガネをとるのかと双子ちゃんが首をかしげる中、オレは完全にアイスの解けきったアイスコーヒーの上澄みで左手の人差し指を濡らす。
左側から顔を寄せてきていたエリちゃんの唇に、その白く泡に濡れた指を近づけた。
バニラの甘い匂いにエリちゃんが「あ」と声を漏らす
「汚れちゃった。キレイにしてくれる」
「……ッ」
オレの言葉、そしてオレの瞳を見てエリちゃんが固まる。
遠慮がちに舌を出したエリちゃんが、ペロリ、と。
「ふふ。まだ汚れてるよ?」
「は、はい……」
少しの戸惑い。
だがその戸惑いごとその小さな唇がオレの指をそっとくわえた。
オレの右肩あたりで、呆然と見つめていたユリちゃんに顔を向ける。
「ユリちゃん」
「は、はい」
「ユリちゃんの指にもアイスがついているんじゃないかな?」
「え……あの? ……あっ」
すぐに察したのかユリちゃんはオレと同じように、自分の指をコーヒーで濡らした。
「ああ、やっぱり。ボクが綺麗にしてあげようか?」
オレは自分の唇に舌を這わす。
「あ、はひっ、お願いします」
本当にいいのかな? という顔でユリちゃんがその指をオレの口に近づけた。
「ひゃっ!」
オレがその細い指を舐めるとユリちゃんが身をすくませて悲鳴をあげ、反射的に指をひっこめた。
「ん? もう綺麗になったのかな?」
オレはユリちゃんを見る。
ユリちゃんはコーヒーとオレの舌で濡らされた自分の指先を見て、それをおそるおそる再びオレへと差し出した。
「ふふ。いただきます」
「ひうっ……」
オレはユリちゃんの指を軽く噛んで逃がさないようにしてから舌先で舐めまわす。
「ひ、ひっ、あっあっ……」
背筋に何かが走っているかのように、何度もビクビクとユリちゃんが体を震わす。
「き、京クン、私も、それ……」
オレはいったんユリちゃんの指を開放して、エリちゃんの耳元でささやく。
「エリちゃん。ボクの指はまだ綺麗になってないよね? 上手にできたらご褒美に君にもしてあげるよ」
オレはエリちゃんへ、今度は人差し指と中指の二本を差し出した。
「は、はい! ……あむっ」
勢いよくくわえこまれた二本の指を、その小さな口の中で激しく動かす。
「あっ、んっ、う、んっ」
エリちゃんの口内で指を暴れさせると、口の端から唾液が垂れた。
温かく濡れた二本の指でエリちゃんの舌を挟む。
「ふむっ!?」
「そのまま舌を出してごらん?」
オレはつまんだ舌をエリちゃんの口からつまみあげるようにする。
ベロを精いっぱい出すようにしたエリちゃんは、あっあっ、と言いながら唾液をみっともなく垂らしてしまう。
ポタポタと唾液が垂れる先はオレのズボン。
左ももに広がる染みは、かろうじて股間からずれた場所だった。
「あーあ。ボクのズボンが汚れちゃった。ユリちゃん、双子なら連帯責任かな? その染み、拭いてくれる?」
「は、はいぃ」
オレは舐めていたユリちゃんの指を開放して、濡れたズボンを見る。
おそるおそるユリちゃんが紙ナプキンでオレのズボンを拭く。
「し、失礼します」
「うん、お願いね」
染みを拭きとるユリちゃんの指先。
ツインテが揺れて。
「……」
紙ナプキンを持つ指先が、少しだけ股間に近づいた。
「ふふ?」
「……」
オレの微笑みに、さらに少し股間に近づく指先。
「んーんー!」
ユリちゃんに気を取られていたせいで、ついエリちゃんの舌を挟む指に力が入ってしまった。
苦しそうに舌を伸ばしたまま、糸を引いた唾液が、またいくつも雫を落とす。
それは拭いているユリちゃんの手の甲、そしてオレのズボンにも新しい染みを作った。
「あーあ」
「す、すみません」
「これはエリちゃんもお手伝いしてもらわないとね?」
「は、はい、すぐに!」
エリちゃんも紙ナプキンを手にして濡れたズボンを拭き始める。
ユリちゃんと同じく、ギリギリを攻めてくるものの、本丸への突撃はさすがに避けている。
双子だけあってか視線のみで意思疎通をしているらしく、微かに頷いたり、首を振ったりしているのが面白い。
おそらく、まだイケル? もうヤバイ? もう少し? そんなカンジだろう。
かつて子供のころ。
まだ砂場なんてものが公園にあって、自分も含めた小さな子供達がたくさん遊んでいた頃の思い出がよぎる。
砂山に立てた木の棒。
それを倒さずに砂をとっていくという遊び。
友達より多くの砂をとる事で勇気を示したあの頃。
大きくなるにつれて忘れてしまったあのドキドキ。
生まれ変わったこの世界で再び味わえるとは思わなかった。
もっとも今のオレは棒の役であり、今にも勇気を示そうとしているのは目をギンギンに輝かせたエリちゃんとユリちゃんだ。
「……」
「……」
視線を交わしていた二人が今までより、少しだけ深くうなずいた。
両サイドから紙ナプキンを持った指先が、砂場の山の頂点に立つ棒へ向かう。
その瞬間。
「すみません、京センパイ! 遅くなりま……あ、テメーら!」
「ユリ、動くなっつったろ! エリもお前、ナニやってんだ!」
戻ってきた薫ちゃんとショーコちゃんに引き剥がされ最初の位置に戻る双子たち。
残念。
だがオレ以上に残念がっているのは双子の方だろうが、また擬態モードに戻ってしまった。
彼女達の力関係の上下というより、今までもこうして薫ちゃんとショーコちゃんという目立つ存在を隠れ蓑にして、立ち回っているのだろう。
最初にショーコちゃんの体の陰から盗撮していたのもユリちゃんだったしね。
戻ってきた二人が双子を元の位置へ戻し、自分たちのポジションを取り戻した。
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