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『クラスに転入してきた少年は天使だった(冬原interval10)』
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『クラスに転入してきた少年は天使だった(冬原interval10)』
「避妊についてだ」
もちろんするだろうし、しないはすがないのだが。
「しろと言われればしますが……」
私の心を見透かすように、宮城が小さく答える。
「……うむ」
その言葉の選び方に、私は淡い期待を抱いた。
「先生がお望みなら避妊なんてしませんけれど……できちゃったら学生のボクとしては責任の取りようがありませんよ」
まさかの即答。
しかもその後の事まで気に掛けていた。
私は断言する。
「それは大丈夫だ。それこそ未成年に認知なんて求めないし、父親が誰かなんて口外するつもりは毛頭ない!」
間違っても他言するはずもない。できるはずもない。
宮城はなおも色々と考え続け、確認するようにこう言った。
「一切の責任を取る事なく、先生に中出しし放題って事ですか?」
私は自分の耳を疑い、次に脳を疑い、最後にこれが現実の事かと疑った。
しかしこれまでの宮城の言動からこんなセリフを吐く可能性もあるぞ、となんとか正気を保つ。
「み、宮城、なんて言葉を!」
「違うんですか?」
反射的に教師の顔になってとがめるが、宮城が一切表情を変えずに聞き返してくる。
……山崎先生が例の特別授業をしていた時もこんな顔だったな。
大事な話をしている時に、言葉を濁らせて齟齬を招きたくない、と。
私は気を落ち着かせる。
「……違わないが、若い男の子がそんな言葉を使うものじゃないぞ」
せてめその言葉の表現だけでも直した方がいいと諭す。すると宮城は。
「では先生が言ってださい」
「ん?」
「今、ボクが言ったことを先生からハッキリと言ってください」
そうか。いや、そうだな。
はっきりと私の口から要望を伝えるべきなんだ。
教師だの、大人だの、立場が上であるという認識で、つい格好をつけようとしすぎていた。
今回の話は宮城から持ち出したものだが、ここから願い出る立場なのは私だ。
「……そうだな。言葉を濁して年下の、しかも男のお前に察してもらおうというのは卑怯だな」
改めて、私は宮城に言葉を飾る事なく、こう伝えた。
「では改めてはっきり言う。私と避妊せず性交渉をして欲しい。結果がどうあれ、婚姻、認知は求めない」
内容と条件を簡潔に伝えた。
しかし宮城は首を横に振った。
「先生、ボクが言いたいのはそういう事ではなくて」
「う、うん? どういう事だ?」
何か足りない事柄があったか?
ああ、礼金、もとい、お気持ちの額に関しては別の機会にと付け加えようとした所、宮城はこう言い出したのだ。
「もっとエッチにボクを誘ってください」
「……」
――今思うと。
この時から話がおかしくなったのだ。
「避妊についてだ」
もちろんするだろうし、しないはすがないのだが。
「しろと言われればしますが……」
私の心を見透かすように、宮城が小さく答える。
「……うむ」
その言葉の選び方に、私は淡い期待を抱いた。
「先生がお望みなら避妊なんてしませんけれど……できちゃったら学生のボクとしては責任の取りようがありませんよ」
まさかの即答。
しかもその後の事まで気に掛けていた。
私は断言する。
「それは大丈夫だ。それこそ未成年に認知なんて求めないし、父親が誰かなんて口外するつもりは毛頭ない!」
間違っても他言するはずもない。できるはずもない。
宮城はなおも色々と考え続け、確認するようにこう言った。
「一切の責任を取る事なく、先生に中出しし放題って事ですか?」
私は自分の耳を疑い、次に脳を疑い、最後にこれが現実の事かと疑った。
しかしこれまでの宮城の言動からこんなセリフを吐く可能性もあるぞ、となんとか正気を保つ。
「み、宮城、なんて言葉を!」
「違うんですか?」
反射的に教師の顔になってとがめるが、宮城が一切表情を変えずに聞き返してくる。
……山崎先生が例の特別授業をしていた時もこんな顔だったな。
大事な話をしている時に、言葉を濁らせて齟齬を招きたくない、と。
私は気を落ち着かせる。
「……違わないが、若い男の子がそんな言葉を使うものじゃないぞ」
せてめその言葉の表現だけでも直した方がいいと諭す。すると宮城は。
「では先生が言ってださい」
「ん?」
「今、ボクが言ったことを先生からハッキリと言ってください」
そうか。いや、そうだな。
はっきりと私の口から要望を伝えるべきなんだ。
教師だの、大人だの、立場が上であるという認識で、つい格好をつけようとしすぎていた。
今回の話は宮城から持ち出したものだが、ここから願い出る立場なのは私だ。
「……そうだな。言葉を濁して年下の、しかも男のお前に察してもらおうというのは卑怯だな」
改めて、私は宮城に言葉を飾る事なく、こう伝えた。
「では改めてはっきり言う。私と避妊せず性交渉をして欲しい。結果がどうあれ、婚姻、認知は求めない」
内容と条件を簡潔に伝えた。
しかし宮城は首を横に振った。
「先生、ボクが言いたいのはそういう事ではなくて」
「う、うん? どういう事だ?」
何か足りない事柄があったか?
ああ、礼金、もとい、お気持ちの額に関しては別の機会にと付け加えようとした所、宮城はこう言い出したのだ。
「もっとエッチにボクを誘ってください」
「……」
――今思うと。
この時から話がおかしくなったのだ。
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