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32・エリス様に 上
しおりを挟むそして、私は部屋にエリス様を迎えたところだ。
「ミア……!」
エリス様は部屋に入ると、内鍵をかける私を後ろから抱きしめた。そしてそのまま私の耳元に囁く。
「夜が待ち遠しかったよ……?」
「エリス様……」
3人のなかでは一番小柄に見えるエリス様だけど、それは他の2人が大きすぎるからで、男性としては長身なほうだ。実際に、私より頭ひとつ分ほどは高い。そして一見騎士には思えないほど細身なのだが、こうして私を抱く身体は引き締まっていて、鍛えられているのだとわかる。
エリス様は私の顎に手を添えて仰向かせ、そのまま後ろから口づけた。
「ん……」
「ミア、可愛いよ……」
何度も何度も、啄むように口づけられ、私の唇が緩んで開く。するとその隙間からエリス様の舌が侵入し、私の舌を絡めとった。
「んぅ……、ふぁ……」
次第に深くなる口づけに夢中になって、私はエリス様の胸にぐったりともたれてしまう。
「あ……」
エリス様が唇を離して、ちょっと困ったような顔で微笑む。
「ミア、そんな顔したら……止められなくなっちゃうよ」
そしてエリス様が私の手をとって、ベッドに並んで座らせた。私の両手を握って言う。
「僕らの無茶を聞いてくれて、本当に嬉しいよ。絶対に大切にするからね」
「エリス様……」
「陛下の夕食会で初めて会った時から、僕らは皆、ミアのこと好きになっちゃったんだよね」
「え、……まさか」
「やっぱり全然気がついてなかった?」
エリス様が頬にちゅっ、と口づけて笑う。
「……だって、まさかあんな立派な騎士様たちが私をなんて……。あ、それにエリス様はあの時、話し方も全然違ってらしたじゃないですか?」
「あ、それはね」
エリス様は悪戯を見つかった子供のように笑った。
「あれが地だ、っていうのもまるっきり嘘ではないんだよ?」
子供のころから線が細くて色白で、サラサラの銀髪で。王子様みたいな容貌のエリス様は、思ったとおり物凄く女の子にもてたらしい。騎士になるために王都に来てからは、若い娘に限らず、下は幼女から上は町のおかみさんまで、群がるほどの人気だったそうだ。
騎士という立場上、あからさまに冷たくすることもできず、王子様風の皮を被り続けて10年以上。
「女の子相手に、というよりカインとグリフ以外に、あの口調が崩れたことはなかったんだよ? なのに……、ミアに会って、照れてるのが隠せなかった。もう完全にあれも自分だと思ってたから、あんなこと今まで無かったのに……」
あ、そういえば……。あの時エリス様、赤くなってぶつぶつ言ってたっけ……。
「だから、ミアがカインの魔導師になるって聞いてからは、もうあれは止めた。今朝も言ったとおり、これからずっと一緒なんだ。……もう君には何も隠さないよ」
「エリス様……」
エリス様は私を抱き締めて、そのままベッドに押し倒した。
「ん……、エリス様……」
エリス様が私の顔中に、ちゅっ、ちゅっと小さな口づけを降らす。少しくすぐったくて気持ち良くて……。するとエリス様の唇は、喉から胸元まで余すところなく首筋を辿って下りてくる。
「あ、……はぁ……、ん……っ」
唇だけでなく舌で舐めたり、ほんの少しだけ歯をたてたり……。エリス様は私の感じるところを探しては、そこにきつく吸い付いて、痕を残した。
「あ、あぁ……」
「ミア、すごく可愛い……、ああ駄目だ、もう我慢できない」
エリス様の手が私の襟にかかった。
エリス様は私の胸のボタンを外しながら、
「白い寝衣も初々しくてミアらしいけど……今度買ってあげるね、もっと色っぽいやつ」
などと言っている。
「や、エリス様……、そんなの恥ずかし……っん、あぁ!」
襟元を広げたエリス様が、胸の膨らみを舌でなぞった。
「ああ、ミア……。すごく柔らかくて真っ白なおっぱい……食べちゃいたくなるよ」
そして本当に乳房を口に含む。
「あぁん!」
エリス様は乳首を舌で転がして、両手で胸を掴んではむにむにと動かす。時には指できゅっと摘まんで、私に声をあげさせる。
「ミア、気持ちいいの?」
エリス様が動くと、長い銀髪がさらりと揺れて、私の肌を撫でる。その弱い刺激と、舌と指の刺激が相まって、私の感覚がより敏感になっていくみたい……。
「ああ、エリス様……、気持ちいい……」
「もっといっぱい感じて? 身体中舐めてあげるから」
そしてエリス様は妖艶な顔で笑った。
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