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「3」 ムスタカス家の子息
(23) 騙されてたんだ
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いい加減で我儘な金持ち息子だが、本心から感謝していたのだ。ミリエネッタ令嬢に。
「悪役令嬢、そのまんまじゃないか。騙してたな!」
意識が戻って飛び起きてミリエネッタ令嬢の元へ走る。怒り、そのままに。慌てて追いかける召使い達。
その音を聞きつけて王太子が部屋から出て来た。コーディネートが騒ぎで崩れたので召使いにやり直しさせていたのだ。
「おやおや、可愛い令嬢と婚約したばかりのイーグルではないか。侵入した族と勇猛にも戦って卒倒したがね。で、どうかしたか?」
完全に馬鹿にしている。だが、腹を立てているイーグルには良い吐口になると捕まえた。どっちが、主導権を握っているのか分からない。どっちも、どっちだが。
「何をする、触るな。離せ!」
「王太子様、知っていたか。ミリエネッタ令嬢は、少女の姿をした魔女だ。俺は、騙されてたんだ!」
「騙されてたとは、私の婚約者を侮辱すると許さんぞ!」
「俺が、嘘なんか言うものか。呪われていた俺を救ってくれたからこそ、結婚を申し込んでいたのに。俺を魔法使いの餌食にして蹴飛ばしたんだぞ!」
「だから、何だ?」
イーグルは、ふいに寒気がした。何故だろう。それは、凍りつけよな冷気が目の前の王太子から流れて来たからだ。
何故、そんな怖い目で見る?本当の事を教えてやってるのに。それに、女なんて山ほど居るじゃないか。ミリエネッタ令嬢が、惜しいとか。まさか?
「悪役令嬢、そのまんまじゃないか。騙してたな!」
意識が戻って飛び起きてミリエネッタ令嬢の元へ走る。怒り、そのままに。慌てて追いかける召使い達。
その音を聞きつけて王太子が部屋から出て来た。コーディネートが騒ぎで崩れたので召使いにやり直しさせていたのだ。
「おやおや、可愛い令嬢と婚約したばかりのイーグルではないか。侵入した族と勇猛にも戦って卒倒したがね。で、どうかしたか?」
完全に馬鹿にしている。だが、腹を立てているイーグルには良い吐口になると捕まえた。どっちが、主導権を握っているのか分からない。どっちも、どっちだが。
「何をする、触るな。離せ!」
「王太子様、知っていたか。ミリエネッタ令嬢は、少女の姿をした魔女だ。俺は、騙されてたんだ!」
「騙されてたとは、私の婚約者を侮辱すると許さんぞ!」
「俺が、嘘なんか言うものか。呪われていた俺を救ってくれたからこそ、結婚を申し込んでいたのに。俺を魔法使いの餌食にして蹴飛ばしたんだぞ!」
「だから、何だ?」
イーグルは、ふいに寒気がした。何故だろう。それは、凍りつけよな冷気が目の前の王太子から流れて来たからだ。
何故、そんな怖い目で見る?本当の事を教えてやってるのに。それに、女なんて山ほど居るじゃないか。ミリエネッタ令嬢が、惜しいとか。まさか?
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