(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は

(15) 婚約式の前に(マルグリットは)

ニコニコ顔のミリエネッタ令嬢が、何故か怖いと思うマルグリットです。ここで、嫌とか言うと怒られそうな空気ですから。


「ありがとうございます。私、マルグリットは精一杯、努めさせと頂きます。」
「そうね、そうね。お勉強してもらわないといけないけど。まずは。」


ミリエネッタ令嬢は、大きな鋏を取り出した。研ぎに出したのか切れ味が良さそうだ。何を切るのか？


(まさか、私？切る物は髪だけでしてよ。何故にー？)


我が家を助ける為なら坊主でも成ります。でも、坊主になる意味が分かりません。


チョッキンーー！


ミリエネッタ令嬢は、嬉しそうに笑うのだ。何を切ったのか、空いた手をフリフリ。


「さあ、これを辿って行かないと。コムや、お願いね。」


コムは、見えない何かを主人から受け取りました。そして、何事かを代理でやるように指示されたのです。


「お嬢様、行って参ります。マルグリットお嬢様、お支度は宜しいですか？」


マルグリットは、戸惑う。支度とは、何だ？、私は関係ないでしょう。


「お嬢様のお父様に、ご挨拶に行くのですが。」

挨拶ですって！ちょっと、待ったですわ。いきなり、婚約の挨拶ですか。まるで、犬が猫を譲り受けるような安易さですのね。貴族ならば、いきなりは失礼ですのよ。その前に、婚約の挨拶の挨拶が行われて使者が贈り物を持ってナンタラカンタラ～～～(不満たらたら)