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十四話 首輪をつけて
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公爵家がセシリオの自由恋愛を認めていたのと、王家が公爵家との繋がりが欲しがっていたのもあり、二人の婚約は両家にすぐに認められた。
正式な発表はまだ先だったが、二人が婚約したことはすぐに広まった。
王家の紋章の入った首輪をセシリオがつけたからだ。
「これを貴方がつければ、実質僕たちは婚約者です。これでしばらく僕の平穏は保たれる…」
「ふふ、ルイ様からの首輪…嬉しいです」
この首輪は王家の後継に与えられるもので、王家の血筋のものしか外せない。つまり、セシリオ自身にも外せないようにできている。
「ねぇ、ルイ様。僕はあなたの役に立ちましたよね?ご褒美、くれませんか…?」
「はぁ…元はと言えばあなたが僕に付き纏うから無駄に目をつけられたんですけど?」
「それは身から出た錆です」
「よくもまぁ…」
「ルイ様!」
少し前のしおらしさはどこへやら、すっかり太々しくなってしまったセシリオは目をキラキラとさせてルイを見つめた。
「……わかりました。今夜、貴方の部屋に行きます」
「ふふふ、楽しみに待ってますね」
ルイの首輪をつけたセシリオは目を細めて笑った。
正式な発表はまだ先だったが、二人が婚約したことはすぐに広まった。
王家の紋章の入った首輪をセシリオがつけたからだ。
「これを貴方がつければ、実質僕たちは婚約者です。これでしばらく僕の平穏は保たれる…」
「ふふ、ルイ様からの首輪…嬉しいです」
この首輪は王家の後継に与えられるもので、王家の血筋のものしか外せない。つまり、セシリオ自身にも外せないようにできている。
「ねぇ、ルイ様。僕はあなたの役に立ちましたよね?ご褒美、くれませんか…?」
「はぁ…元はと言えばあなたが僕に付き纏うから無駄に目をつけられたんですけど?」
「それは身から出た錆です」
「よくもまぁ…」
「ルイ様!」
少し前のしおらしさはどこへやら、すっかり太々しくなってしまったセシリオは目をキラキラとさせてルイを見つめた。
「……わかりました。今夜、貴方の部屋に行きます」
「ふふふ、楽しみに待ってますね」
ルイの首輪をつけたセシリオは目を細めて笑った。
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