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地獄のような
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「は、んぅ…」
唇と唇が合わさって、柔らかな熱が口内に入り込んでくる。
テオドアはアエテルニアがキスに翻弄されている間にアエテルニアの服を剥いでいく。
外気に触れて少し震える白い肌を優しく撫でる。
「テ、オ…」
「ニア、愛してる」
アエテルニアは鼓動が早まるのを感じた。
「ここ、挿れてもいいか?」
テオドアがアエテルニアの後孔に触れる。
言葉にするのは恥ずかしすぎて、アエテルニアは小さく頷いた。
「ひっ…な、なに?」
入ってきたテオドアの指が冷たくてアエテルニアは飛び跳ねた。
「すまない、潤滑油を少しつけた。発情期じゃないからあまり後ろが濡れないだろう。冷たかったか?」
テオドアが中に入れた指を一旦出して尋ねてくる。
「う、あ…もう大丈夫…」
「そうか」
もう一度中に指が入ってきて、探るように動いた。
「う、なんか、へん…」
「発情期ではないときに触るのは初めてだからな」
テオドアの指が奥の方に触れる。
「子宮も降りてきてないな」
じゃあ、赤ちゃんできないんだ。
少し残念に思う自分にアエテルニアは困惑した。
テオドアは奥を探るのをやめて、中のお腹側をなにかを探すように触れる。
「ん…なに、ひあっ」
テオドアが中のしこりのようなものを押しこんでくる。
「ここ、触ると気持ちいいか?」
「う、やぁ…そこやだっ」
アエテルニアが首を振ると、テオドアの指がぴたりと止まる。
「嫌か?」
「へ…」
「なら触らない」
「う…」
ちがう。嫌ではない。
たぶん、気持ちいいんだと思う。でもわかりやすく跳ねる身体が、こぼれてしまう声が恥ずかしいのだ。
でも、そんなこと恥ずかしくて言えるわけがない。
(発情期のときは、たぶんこんなんじゃなかったのに…)
思い返せば長い間思い合っていた二人だが、身体を重ねるのはこれが三回目だった。
しかも、これまでの二回は発情期の熱に浮かされていたから、アエテルニアは理性なんてなくって記憶も曖昧だった。
でも、今は発情期でも、なんでもない。
テオドアの熱も、自分の声やあられもないところからする音も、全てが鮮明だ。
「う、だめ…やだぁ」
かといって、恥ずかしさに思わず否定の言葉が溢れるとテオドアは律儀にも行為を中断してしまうのだ。
「嫌か?」
「……う~…」
嫌か、と聞かれて、嫌じゃないと答えられるほどアエテルニアはあけすけになれない。
アエテルニアは抵抗の言葉が出ないように唇を噛む。
「ニア、噛むな。唇が切れる」
「んぅ」
それなのに、テオドアは唇に半ば強引に指を入れてそれを阻んでくる。
「ニア、挿れてもいいか?」
「っ…」
いちいち許可を取るテオドアに、アエテルニアは顔を真っ赤にしながら頷かなくてはいけない。
(なんで…?勝手にすればいいのに。これまでこんなこと聞いてこなかったのに…!)
「ひ、う…あぁっ」
やっとのことで入ってきた熱にアエテルニアは少し安心する。
こつん、と奥にあたる感じがした。子宮が降りていないから、テオドアはそこを無理して突き破る気はないようだった。
「テオ…?」
「動いていいか?」
「っ…う……ん」
テオドアは躊躇いがちに腰を振る。
「はぁっ…う、ぃや…」
「嫌か?」
(あぁもう!)
アエテルニアは泣きたくなった。
少し否定の言葉を口にするだけで動きを止められておあずけを食う。
こんなことなら好き勝手されるほうがまだましだ。
「うごいて、いい」
アエテルニアは否定の言葉を言わないように常に気をつけながら性交するはめになったのだった。
唇と唇が合わさって、柔らかな熱が口内に入り込んでくる。
テオドアはアエテルニアがキスに翻弄されている間にアエテルニアの服を剥いでいく。
外気に触れて少し震える白い肌を優しく撫でる。
「テ、オ…」
「ニア、愛してる」
アエテルニアは鼓動が早まるのを感じた。
「ここ、挿れてもいいか?」
テオドアがアエテルニアの後孔に触れる。
言葉にするのは恥ずかしすぎて、アエテルニアは小さく頷いた。
「ひっ…な、なに?」
入ってきたテオドアの指が冷たくてアエテルニアは飛び跳ねた。
「すまない、潤滑油を少しつけた。発情期じゃないからあまり後ろが濡れないだろう。冷たかったか?」
テオドアが中に入れた指を一旦出して尋ねてくる。
「う、あ…もう大丈夫…」
「そうか」
もう一度中に指が入ってきて、探るように動いた。
「う、なんか、へん…」
「発情期ではないときに触るのは初めてだからな」
テオドアの指が奥の方に触れる。
「子宮も降りてきてないな」
じゃあ、赤ちゃんできないんだ。
少し残念に思う自分にアエテルニアは困惑した。
テオドアは奥を探るのをやめて、中のお腹側をなにかを探すように触れる。
「ん…なに、ひあっ」
テオドアが中のしこりのようなものを押しこんでくる。
「ここ、触ると気持ちいいか?」
「う、やぁ…そこやだっ」
アエテルニアが首を振ると、テオドアの指がぴたりと止まる。
「嫌か?」
「へ…」
「なら触らない」
「う…」
ちがう。嫌ではない。
たぶん、気持ちいいんだと思う。でもわかりやすく跳ねる身体が、こぼれてしまう声が恥ずかしいのだ。
でも、そんなこと恥ずかしくて言えるわけがない。
(発情期のときは、たぶんこんなんじゃなかったのに…)
思い返せば長い間思い合っていた二人だが、身体を重ねるのはこれが三回目だった。
しかも、これまでの二回は発情期の熱に浮かされていたから、アエテルニアは理性なんてなくって記憶も曖昧だった。
でも、今は発情期でも、なんでもない。
テオドアの熱も、自分の声やあられもないところからする音も、全てが鮮明だ。
「う、だめ…やだぁ」
かといって、恥ずかしさに思わず否定の言葉が溢れるとテオドアは律儀にも行為を中断してしまうのだ。
「嫌か?」
「……う~…」
嫌か、と聞かれて、嫌じゃないと答えられるほどアエテルニアはあけすけになれない。
アエテルニアは抵抗の言葉が出ないように唇を噛む。
「ニア、噛むな。唇が切れる」
「んぅ」
それなのに、テオドアは唇に半ば強引に指を入れてそれを阻んでくる。
「ニア、挿れてもいいか?」
「っ…」
いちいち許可を取るテオドアに、アエテルニアは顔を真っ赤にしながら頷かなくてはいけない。
(なんで…?勝手にすればいいのに。これまでこんなこと聞いてこなかったのに…!)
「ひ、う…あぁっ」
やっとのことで入ってきた熱にアエテルニアは少し安心する。
こつん、と奥にあたる感じがした。子宮が降りていないから、テオドアはそこを無理して突き破る気はないようだった。
「テオ…?」
「動いていいか?」
「っ…う……ん」
テオドアは躊躇いがちに腰を振る。
「はぁっ…う、ぃや…」
「嫌か?」
(あぁもう!)
アエテルニアは泣きたくなった。
少し否定の言葉を口にするだけで動きを止められておあずけを食う。
こんなことなら好き勝手されるほうがまだましだ。
「うごいて、いい」
アエテルニアは否定の言葉を言わないように常に気をつけながら性交するはめになったのだった。
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