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こどもたちの話
子オオカミさん達の奮闘
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そして二人がどうなったかというと…
「まっっじでありえねぇ」
「あはは…」
お見合い当日、二人が引き合わされたはずの双子はなぜか片割れしかおらず、
「お前らなんかと結婚なんてしない!!」
と叫んだその子に二人とも引っかかれてお開きになってしまったのだ。
澪にそれを話すと、
「あぁ…やっぱりか」
と返された。
「母さん、やっぱりって何!?もとからこうなるってわかってたってこと!?」
「そ、そんな怒んないで、海斗」
うるうる上目遣いに海斗はひるむ。
「あの子達…その、愛人さんの子供でね、小さい頃あんまり良くない環境で育って…お母さんが亡くなってから引き取られたんだけど、まだお家のことを信用できてないらしくて」
「だからって引っ掻くことある?」
比較的温厚な湊斗もさすがに怒っていた。
「たしかに引っ掻いたのは良くないけど…あの子達、結婚の話をお家の人が厄介払いしようとしてるって思って抵抗してるの。本当は発情期の管理のためなんだけどね…」
最近ではオメガは発情期の管理のためになるべく早い結婚が推奨されている。差別的との意見もあったが、医学的にも早期の番契約により妊娠や出産が安定するとも言われているので、とくに上流階級のものたちは早期の結婚をとりいれている。
特に猫種は発情期が不定期なので番契約まで自宅などに籠らなくてはいけないことが多い。澪もそうだった。
「僕としてはあの子達は活発な子だから、番契約して外に出してあげたがっているお家の人の気持ちも分かるんだけどね」
でも、とりあえずお見合いは断るってことで良い?
そう澪が二人に聞いたのに対し、声を揃えて二人は答えた。
「「いや、断らないで」」
それに澪は目をまんまるくして驚いたあとにふにゃりと笑った。
「そう?じゃあ、がんばってね」
二人の外見は慶斗に似たが、内面は実は澪に似ている。
特に好きになったものをいつまでも追い続ける執着心…というか、ストーカー気質というか。
親切心から受けたお見合い話だけど、もしかしたら向こうのほうが大変な目に会うかも。
そう思いながらも、昔の自分にどこか似てる二人の様子をみて澪は微笑んだ。
「まっっじでありえねぇ」
「あはは…」
お見合い当日、二人が引き合わされたはずの双子はなぜか片割れしかおらず、
「お前らなんかと結婚なんてしない!!」
と叫んだその子に二人とも引っかかれてお開きになってしまったのだ。
澪にそれを話すと、
「あぁ…やっぱりか」
と返された。
「母さん、やっぱりって何!?もとからこうなるってわかってたってこと!?」
「そ、そんな怒んないで、海斗」
うるうる上目遣いに海斗はひるむ。
「あの子達…その、愛人さんの子供でね、小さい頃あんまり良くない環境で育って…お母さんが亡くなってから引き取られたんだけど、まだお家のことを信用できてないらしくて」
「だからって引っ掻くことある?」
比較的温厚な湊斗もさすがに怒っていた。
「たしかに引っ掻いたのは良くないけど…あの子達、結婚の話をお家の人が厄介払いしようとしてるって思って抵抗してるの。本当は発情期の管理のためなんだけどね…」
最近ではオメガは発情期の管理のためになるべく早い結婚が推奨されている。差別的との意見もあったが、医学的にも早期の番契約により妊娠や出産が安定するとも言われているので、とくに上流階級のものたちは早期の結婚をとりいれている。
特に猫種は発情期が不定期なので番契約まで自宅などに籠らなくてはいけないことが多い。澪もそうだった。
「僕としてはあの子達は活発な子だから、番契約して外に出してあげたがっているお家の人の気持ちも分かるんだけどね」
でも、とりあえずお見合いは断るってことで良い?
そう澪が二人に聞いたのに対し、声を揃えて二人は答えた。
「「いや、断らないで」」
それに澪は目をまんまるくして驚いたあとにふにゃりと笑った。
「そう?じゃあ、がんばってね」
二人の外見は慶斗に似たが、内面は実は澪に似ている。
特に好きになったものをいつまでも追い続ける執着心…というか、ストーカー気質というか。
親切心から受けたお見合い話だけど、もしかしたら向こうのほうが大変な目に会うかも。
そう思いながらも、昔の自分にどこか似てる二人の様子をみて澪は微笑んだ。
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