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もしかして、やりかけ?

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    やっぱり無理だ。ディオンの指1本で脂汗が出てる。
「どんな感じですか?」
「吐きそうだ」
間髪入れずに返事する。
    覚悟を決めたつもりだったが、体が受け付けない。眉根を寄せて耐えている僕を見ているうちに、ディオンの雰囲気が変わった。
「アルフォンスの顔、クルものがある・・・」
ディオンの股間が怪しい。重ねるだけのキスをしてきた。殴ってやりたいのを我慢してディオンの後頭部を掴み、腹立ち紛れに濃厚なべろちゅーをしてやる。動揺したディオンの指が動いた。その動きで生理的な嫌悪感に声が出る。ディオンが申し訳なさそうに眉を下げた。

    たとえ無機物でも、自分より先に僕に挿入はいるのは許せない。ディオンのワガママによる却下で、拡張器ではなく彼の指をれられている。しかし、鼻息の荒い男に張り付いているより拡張器の方が楽な気がするのだが・・・

    裸で対面座位状態。男の膝にまたがってこんな格好をするなんて、前世でも今生でも考えたこともなかった。ディオンの首に腕をまわして出来るだけ後ろに体重をかけないようにすると、どうしてもディオンにくっついてしまう。2人の腹に挟まれたディオンのモノはそそり立っているが、僕のモノはへなへなだ。僕の背中を撫でていたディオンの手が止まった。
「前も聞きましたが・・・その・・・あんな、すごい・・・キ、キスは・・・その・・・」
今してるのは、キスなんかより余程すごいことでは?ディオンの指の動きの方に気をとられ、僕は思考を放棄した。
「ああ、たくさんしたよ」
投げやりに答える。ディオンの体がこわばった。それにつれて指も動く。わざとなのか?
「クラウスさんとですか?」
低い声で聞かれる。
「違うよ」
「じゃあ、誰と?」
僕はぼんやりとディオンの顔を見た。
「前世で。女性と。人数は覚えてないほどたくさん」
前世の話しをする気はなかったが、嘘をつくのも面倒くさい。
「どう思う?」
僕は挑戦的に片頬で笑って見せた。

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