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もしかして、教えるの下手?
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「今日は地層の成り立ちの説明をします」
前世では中学生で習う範囲だ。それを15才に教えるのは情けない。こういう授業は家庭教師はやらないから理科が必修なんだろうが、情けないものは情けない。僕は攻略対象の4人を見た。陸軍大将子息ブノワは脳筋かと思ったけど、そうでもないようだ。真剣に板書してる。2回目の小テストも4人とも満点。王太子エルネストの隣に座るフェリシテは今日も尊い。このまま仲良くしてて欲しいな。5人の観察をしつつ、授業を終えた。
「先生、教えていただきたいのですが」
フェリシテが質問に来た。
「廊下では落ち着きません。職員室で聞きましょう」
「先生!僕も質問があります!」
僕達の前を塞ぐように体を滑り込ませてきたのは宰相令息のディオンだった。
「はい、では2人とも職員室に行きましょう」
飛んで火に入る夏の虫とはこの事か。僕は2人を引き連れ職員室に向かった。
「先生、今日の地層の説明でここが分からなかったのですが」
フェリシテが教科書を指差しながら聞いてきた。
「そこですか、説明不足でしたね。次の授業でクラスでももう一度説明しますね」
僕はフェリシテに説明を終えるとディオンに顔を向けた。
「君の質問は何かな?」
僕は本物の全開の笑顔を向けた。攻略対象とは仲良くなっておきたい。なのに何故かディオンは少し後ずさった。
「僕も、フェリシテさんと同じ質問でした。大丈夫です」
歯切れの悪い言い方が引っかかる。僕の態度が胡散臭かったのだろうか。攻略対象に嫌われるのは困る。机についていた僕はディオンを見つめた。下からなので若干上目遣いになってしまった。ディオンは僕から目を逸らすと、そそくさと職員室を出て行ってしまった。もっと話して彼の性格を知りたかったんだけど。僕はガッカリしながら今日の授業の反省点を洗い出した。
前世では中学生で習う範囲だ。それを15才に教えるのは情けない。こういう授業は家庭教師はやらないから理科が必修なんだろうが、情けないものは情けない。僕は攻略対象の4人を見た。陸軍大将子息ブノワは脳筋かと思ったけど、そうでもないようだ。真剣に板書してる。2回目の小テストも4人とも満点。王太子エルネストの隣に座るフェリシテは今日も尊い。このまま仲良くしてて欲しいな。5人の観察をしつつ、授業を終えた。
「先生、教えていただきたいのですが」
フェリシテが質問に来た。
「廊下では落ち着きません。職員室で聞きましょう」
「先生!僕も質問があります!」
僕達の前を塞ぐように体を滑り込ませてきたのは宰相令息のディオンだった。
「はい、では2人とも職員室に行きましょう」
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僕はフェリシテに説明を終えるとディオンに顔を向けた。
「君の質問は何かな?」
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「僕も、フェリシテさんと同じ質問でした。大丈夫です」
歯切れの悪い言い方が引っかかる。僕の態度が胡散臭かったのだろうか。攻略対象に嫌われるのは困る。机についていた僕はディオンを見つめた。下からなので若干上目遣いになってしまった。ディオンは僕から目を逸らすと、そそくさと職員室を出て行ってしまった。もっと話して彼の性格を知りたかったんだけど。僕はガッカリしながら今日の授業の反省点を洗い出した。
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