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BL大賞9位で奨励賞のお礼の番外編

New year’s eve

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    「殿下コンラート、雪が降ってきました!」
めっずらしー。我が国って温暖だから、雪なんてめったに降らないのに。オレは思わず窓に張り付いてしまった。
「庭に出て見るか?」
柔和な笑顔で殿下に言われた。オレに対して過保護な殿下が寒い外に出ようって言うなんて。そんなに子どもっぽかった?恥ずかしー!照れ隠しで急いで庭に出ようとしたオレの手を殿下が掴んだ。
「コートとマフラーと手袋と帽子を選んでくるから少し待て」
あ、やっぱり過保護だったわー。

    雪と呼べないほどの小さな白いフワフワが、芝生に落ちる前に消えてく。オレは受け止めようとして手をだした。その手を殿下が押さえた。
「風邪をひく」
中がムートンのバックスキンの手袋で?どっちかって言うと暑いくらいなんだけど。オレはポケットからこっそり殿下のトリセツを出した。上目遣い、はパスだな。他にはー。
    オレを後ろから抱きしめてる殿下に背中を預けた。
殿下コンラートがいるから大丈夫ですよ」
殿下の腕がゆるんだすきに、オレは急いで抜け出した。
    雪ー!唯一素肌が出てる顔の上で、ふわっと消えてく。チラッと殿下を見たらデレてた。殿下のデレポイントがイマイチわかんないけど、あのやり方は正解だったのか?
    葉っぱの上に乗った雪をちょいちょいつついたりして雪を堪能した。
「体が冷える。戻ろう」
殿下がオレを安定のお姫様抱っこした。え?なんか鼻息荒くない?
「温めてやるから湯を使おう」
「いえ、それほど冷えては、」
「風邪をひいたりしたら、医者の不養生と言われてしまうぞ」
食い気味に言われた。その言葉、この世界にもあるのー?

    エレオノーラさーん!

    あのトリセツ、殿下の鼻息が荒くならない方法って、載ってますかー?

    ますかー?

    ますかー?
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