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戦闘中

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 ゲリラとの混戦中、投げ飛ばしたゾンビの影から、目の前に迫る、鈍い銀色。あっと思った頃には熱い感覚が片目を覆って、視界が狭まった。

「風仁さんっ!」

 夜空の悲鳴のような声と、自分が起こしたものではない破壊音。どうにかしたんだろう。火事場の馬鹿力かもしれないが、筋は悪くない。馴染みの気配が駆け寄ってきた。

「大丈夫ですかっ!?」
「別にどうってこたねぇ」

 瞼の上を斬られただけのようだ。おそらく眼球は傷付いてない。

「……ちょっとだけ、我慢して下さい」

 小さな顔が近付いて、次の瞬間には、少し湿り気を帯びたざらついた感触が傷口を這った。痛い。瞼の上を、熱い舌が滑る。癖になりそうだと思ってしまったのは、久しぶりに血を流した所為だと思い込む事にした。
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