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散歩に行ったはずの大叔母が突然喪服を着て再び出て行ったと思うと、一人の男児を引き取ってきた。
そんな彼は刃物を器用に使って野菜の飾り切りをしているのを見て、彼から見れば従兄弟達が部活動に励んでいる間にまた何かやらかしたのだなと生温かい目になった。特に飾り切りの上達が尋常ではなく、元が器用なのと細かい作業が好きなためか、今では平然と主人用の膳にあげられる域になっていた。罰として家事手伝いをさせられるのは、年頃の男児であるならば嫌がるかもしれないが、当の本人は通りゃんせを歌いながら家事をこなしている。まるで響いていない。
「伊代お姉ちゃん、宿希お兄ちゃん、練り切り作ったんだけど試食してくれない?」
美少年はエヘエヘと笑いながら、時おり試作品を持ってくる。きちんと教えられているのか、高確率でそこそこに美味しいので断る理由はない。
「将来の夢はコックさんか?」
「ヒカルさんに美味しく食べてもらえたらそれでいいよ」
小さな子供は、美しい碧眼に情をのせてまろやかな白い頬を赤く染めていた。対して従兄弟達は表情が強張るのを感じた。以前口にされた『僕の考えた人生計画』によるショックは癒えていない。そして子供同士であるがゆえに、コイツが言ってる『ヒカルさんのお婿さんになりたい』は『大人になったらパパ(或いはママ)と結婚するハァト』などという一過性の類ではなく、ガチなのではないかと薄々と気が付き始めていたのだ。古希を迎えた未亡人相手に、熟女嗜好にも程があるだろう。
そんな彼は刃物を器用に使って野菜の飾り切りをしているのを見て、彼から見れば従兄弟達が部活動に励んでいる間にまた何かやらかしたのだなと生温かい目になった。特に飾り切りの上達が尋常ではなく、元が器用なのと細かい作業が好きなためか、今では平然と主人用の膳にあげられる域になっていた。罰として家事手伝いをさせられるのは、年頃の男児であるならば嫌がるかもしれないが、当の本人は通りゃんせを歌いながら家事をこなしている。まるで響いていない。
「伊代お姉ちゃん、宿希お兄ちゃん、練り切り作ったんだけど試食してくれない?」
美少年はエヘエヘと笑いながら、時おり試作品を持ってくる。きちんと教えられているのか、高確率でそこそこに美味しいので断る理由はない。
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