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第59話 激戦

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アクセルが王都ラスティアで奮発している中、辺境の地レステンクール領では既に戦闘が繰り広げられていた。

そこには、平和で何気ない一日を過ごそうとしている様子は一切ない。地面は地ならしのごとく揺れ上がり、騎士や盗賊、魔物達の悲鳴や叫び声がここら一帯を支配する。そんな、平和な辺境らしくない、非日常の姿。

それは彼らの遥か彼方に広がる上空も例外ではない。

その戦場を舞台にしているのは、とある不気味な雰囲気を醸し出し、おそらく敵勢力の少数精鋭であろう者達と一人の少女であるローレンス。

「…チッ、しつこい奴らだ」

ローレンスの舌打ちからは彼らの鬱陶しさに眉をひそめて額にはシワを寄せ、目は鋭く見開いている。
普通なら自分の相手にもならない敵に邪魔をされ苛立っているのだ。

と言っても仕方ないのかもしれない。
彼女は今、街全体に空間結界を張り、自分の味方である騎士達に致命傷を負わないように、精度の高い結界を一人一人に掛けながら相手と戦っているのだ。経験上、街を守りながら相手と戦うことに慣れてないはずなのにしっかりと戦えてる時点で、やはり混沌の魔女は伊達ではないだろう。

そんなローレンスの様子を見て相手の……魔族達は心中では緊張感で冷や汗をかいていた。


(……これほどの者が、こんな何もない辺境の地に?一体どういうことだ…?奴の情報では、気をつけるべきなのは、あの英雄ブリュンヒルデと呼ばれるただらない気配を放つ剣を待った黒髪の女と舞姫ワルキューレである金髪の女だけなはず)

「………まさか、相手も隠し球を持っていたということか?」

自分達の相手である少女に問いかけるように一人の魔族は声を出す。
それに答えるようにローレンスはふんっ、と鼻を鳴らし、強烈な圧を放ちながら喋り出す。

「そっちこそ、随分とこんなくだらない祭り事に用意周到ではないか魔族よ……?まさか、一体二体程度ではなく、こんな大勢が加担しようとは……一体どういうつもりだ?」

「それを言うならば貴様とて同じであろう。
貴様ほどの実力であれば、この世界を覆す事など容易いはず……一体何者だ?」

質問を質問で返すなと言いながらローレンスは手を魔族達の方に向ける。それに危機を感じた相手である一体の魔族が全員に信号を伝え、彼女が魔法を放つ前に散開する。そして案の定、ローレンスの目では追えない何かの圧力を放っているであろう魔法は彼らに当たることなく、そのまま魔素となって消えていく。

彼女の攻撃を見て、魔族たちはもしあれが直撃すれば……と嫌な予想を企ててしまう。

そう、今ローレンスが戦っているのは全員魔族なのだ。何故これほどまでに人間的に協力的になっているのかと一瞬考えるローレンスだが、そんな考えはすぐに消える。今の彼女にとってはどうでもいいこと。

「三番、五番。放て!!」

すると魔族のリーダーであろう者が命令を出すと、二体の魔族が乗っている竜……ワイバーンが悉くを焼き尽くす炎と天空を裂く轟雷のブレスをそれぞれ彼女を挟むように両側から放つ。

それに対してローレンスは何もせずただただ俯いて、何かに耐えているように身体を震っている。

グォオオオオンッ!という声にもならない、言うなれば音にもならない音を出してローレンスに直撃する。

やったか?とそう考える者はここにはいないであろう。何故ならそれは何度も試したことだからだ。

魔族達の予想は的中したように、ワイバーンが放ったブレスで発生したであろう煙が上がるとそこには特に傷が増えているようには見えず、無傷のままのローレンス……彼らからしたら化け物のようにしか見えない者の姿がそこにはあった。


「………こんな……こんな奴らのせいで……アクセルは………」


ッ!
魔族達の表情がさらに険しさを増す。
それもそのはず。彼女の放つ圧により、晴天にも等しい天候が急に太陽の光を遮るような薄暗い雲で覆われたからだ。

「こいつは天候すら操るのか……!」

一体の魔族がそんな言葉を放つが、その言葉に反応する者、答える者は敵味方等しく存在しない。

それだけではない。彼女の周囲にどこからともかくとてつもない数の物体が発生させる。それは彼女の片割れ、ユニーレからしたら劣るかもしれない技術であり異能。だが、それを感じさせないように、ローレンスはその圧倒的な量で彼らを凌駕する。

「まずは貴様らの乗っているそのトカゲからだな?」

その宣言とともに、ローレンスは魔族達に向ける。




混沌アルトゥーラ






「進め!脚を止めるな!!確実に奴らの息の根をねじ伏せるんだ!!」

一方、陸で繰り広げられる戦場ではジークのその雄叫びとともに騎士達は自分の底力を出すべく、自分の団長であるジークのように数々の叫び声が戦場の響き渡る。
それは威勢がよかった盗賊達も怯んでしまうほど。ウィンドブルムは着々と相手の勢力を減らしていった。
だが、それは、違和感を隠すための行動でもあった。
自分自身にも感じているだろう。調子が全然出ない自分の異変に。その証拠として騎士たちの顔にはいつもの余裕が見られない。

(おかしい....いつもよりも圧倒的にコンディションが悪い。私があいつらを一方的にぶちのめしたからか....?それにしては、動きが鈍い.....くっ、今は考えたって仕方ない...!)

ジークは自分のせいではないかという考えを捨てて、今一番信頼できる一人の騎士に命令を出す。

「レイス!私は前で敵をできるだけ減らす!お前はウィンドブルムの指揮を頼む!!」

ジークに言ってることに一瞬、驚きで目を見開いたが、そっちのほうが勝つ可能性が高いと考えたレイスは自分の違和感を隠すように答える。

「分かりました!ご武運をっ!」

ジークはそれだけ聞くと、今の自分の持ち場に行くべく、その場から立ち去る。

「第一班は左斜の敵の対処を!第二班は魔法準備!第三班は....」

レイスが今その場にいる騎士たちに命令している間、ジークは自分の両腰にある二つの剣を抜き、今の大量にいる盗賊や魔物の中に突っ込む。

彼女が疾走したことで発生したその余波はそこにいた敵味方とはずに吹き飛ばされそうになる。
ジークが敵の戦地に着いた瞬間、虎の如くその猛攻が始まった。

「ッ!来た!噂通りの舞姫ワルキューレ!!」

「今すぐにあいつを呼びに来い!!じゃないと全滅するぞ!!」

そこにいたのはらしくもない連携を取り始める盗賊とそれに関わらずにジークを襲う魔物達。ジークにとってそれらは無意味に等しい。

持ち前の身体能力と五感の鋭さで魔物攻撃を巧みに回避しながら身を軸に回転する。彼女の両手に持っているに剣は空を切り裂いて、その勢いのまま相手の身体に切り刻まれていた。その攻撃はまさに、敵を翻弄する舞姫といって過言ではない。

「"がぁぁ...."」
その攻撃だけで一瞬で数匹が倒れていく姿を見てやっぱりくそつえぇ....と誰かが言ったがそれは戦場の音でかき消される。

ジークはその回転を終え着地すると、すぐに周りの敵に目を向け、敵の戦力を減らすべく相手に特攻する。

その壮麗ともいえる剣舞は圧倒させ、少しずつ彼女のステージに移り変わっていく。
相手も攻撃がジークに迫りくるが、彼女はそれをもろともせずその迅速な速さをもって彼らを通り過ぎる。剣は自分の身体のように一体となり、それに対して相手側もどう対処すればいいか分からなくなる。そしてその結果....。

「ッ!そこだ!」

「お、おいっ!ぐわぁああ!」

「なっ!や、やめろ...くるなぁあああ!!」

「”ガアアアアア!!!!”」

ジークを見失い、彼らは無我夢中に攻撃をして結果、味方もろとも被害が被ってしまうという悲惨な状況になる。これがジークが魔物の大祭りスタンピードを対処することに成功した戦略の一つである。

それが暫く経った後、そこのいた敵勢力はジークによってかなりの数を減らされていた。

「...次ね」
頃合いをつけ、ジークはまだ激戦を繰り広げられている場所に移動しようとすると、
ドオオオオオン!という爆発音に似た音が聞こえてくる。

「....マリアね。あいつ、戦いができるようになるまでは回復したみたい....それなら私はこっちかしら」

おそらくその爆発の原因が自分と犬猿の仲と考えたジークは呆れはてるようにため息を吐き、次の持ち場に行こうとして....立ち止まる。

肌にジリジリと感じる嫌な気配、そしておそらく....敵の中でも上位の強さ。
そう考えたジークは今後ろにいる自分の部下に命令する。

「ここから離れろ。あとは私一人で十分だ」

「そ、それは危険です!俺達も...!」

そう反論するが、今のジークには余裕が見られない。そのため先程よりも鋭い声でもう一度声を発する。


「聞こえなかったか?私は一人で十分だと言ったはずだが?」

それに対し、騎士たちは彼女のただならぬ気配につい黙り込んでしまう。

「...心配するな。そう簡単に負けはしないさ」
さっきの様子とは裏腹に少しだけ口元を弧に結んで、彼らに心配させないように微笑み返す。その後は敵に背中を向けないようにジークは再び前に向く。

その背中で彼女が何を言ったか分かったのだろう。周りの騎士はぐっ...と何かに堪えながら、まだ終わってないであろう戦場に向かう。

「流石は舞姫ワルキューレ....一人でここまでやろうとは....」

今、この場にあるのは地面に広がっている盗賊と魔物の死体の数々とそれにより発生している死臭、そして...生きた人間と魔物をただの死体に変えた存在であるジークと今それに立ちはだかろうとしている....もう一体の魔族。

「ご機嫌いかがかな?舞姫ワルキューレ...どうやらこの有り様を見たらその答えは明白ですね」

ジークの前に現れたのは人間と似て非なる異形の姿。人の見た目とは程遠い薄青い肌色に額には一本の角が堂々と生えている。人間の白目の部分は、全体的に黒で覆われ、瞳は赤で覆われている。その姿はまさに誰もが疑うことのない魔族と判断できるであろう。

「貴様...魔族か?」

「おや?ご存じなのですね?普通の人間ならば阿鼻叫喚の嵐になるはずなのですが...あ、いえいえこちら的には貴方のような人間のほうが好みですので。あのうるさいゴミは叫び声だけは一級品ですのから……本当に困ったものですよ」

「貴様のお喋りなど、興味がないな。私はそのためにここに来ているのではない」

そう言ってジークは血で帯びた二つの剣に魔法を纏いながら目の前にいる魔族に向ける。

「ほう...!これはこれは、魔法付与エンチャントですか。普通なら中々に見ないその技術、いやはや天晴です!流石は舞姫ワルキューレ....」

「何度言えば気が済むんだ。私はお喋りを楽しむ趣味はない」

「おや、これは失礼。つい興奮が...では」

ジークと対峙するように目の前にの魔族は彼女の命を刈るようにその長い爪を向ける。

「私の名前はレイドール。どうかお見知りおきを....私を楽しませてくださいね?」

「...ほざけ」

その一言で彼らは一瞬の時にして彼らの持っている武器は互いの獲物に衝突した。
ジークは自分の身体のある体調を隠しながら。
魔族であるレイドールは久しくみる強者との戦いに胸を踊りながら。






「はぁあっ!」
一方その頃、ジークとそう離れた所ではない場所に英雄ブリュンヒルデと呼ばれたマリアもまた、戦いに奮闘していた。

「おらおらおらっ!どうした!?さっきよりも鈍くなったんじゃないか英雄ブリュンヒルデさんよぉ!!」

その相手....レイドールと同じく魔族であるラゴイスタの猛攻に彼女は押されていた。その二人の戦いは邪魔をするなと言わんばかりに激しく繰り広がれており、
敵味方同様、二人の戦いに介入する者は存在しなかった。

「おらぁあっ!」

「ぐっ...!」

ラゴイスタの筋肉が隆々と発達した拳がマリアに襲いかかる。マリアは隕石も打ち砕くであろう拳を自分の持っている愛剣でなんとか受け止める。が、勢いを殺すことは叶わなく、そのまま吹き飛ばされてしまう。

だが、まるでそれを何回も経験しているかのように、マリアは空中で身体をひねり、バックアップごとく華麗に着地をして、何事もなかったかのように構え始める。
それを見たラゴイスタは口元をニヤリと歪み始める。

「ハハッ!そう来なくちゃな!!あいつに舞姫ワルキューレを奪われたのは癪だが、お前みたいな強者と戦えて最高にいい気分だぜ!!」

そして、彼のテンションがさらに上がる。動くたび、笑うたび...ラゴイスタの一つ一つの動作により大地が揺れあがり、周囲にいた者達が全員が震え上がらせる。

「さぁっ!もっと俺と楽しもうぜ!!」

ただ自分と戦っている女性を除いては。

マリアは迫りくる魔族を前にしてたが....その心にはラゴイスタという者は一欠片も存在しなかった。今彼女の心にあるのはやはり.....













(...アクセル..........)


.......自分の一番の宝物と言ってもいい、彼だけである。
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