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第四十九話 ンガイの森はンガイの森にあらず?

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 部屋に戻った俺はベッドに潜り込み、戸惑いを隠そうと布団で自身の体を覆い隠した。そして月島ちゃんとの事を思い返す。

 待て待て待て!
 あれは明らかに……そうだよな、俺に好意を持ってる……って解釈で合ってんだよな?
 
 恋愛方面に初心うぶな俺でも月島ちゃんの好意に気づかないほどにバカじゃない。
 選り好みしてシナリオを回って来なかったら俺はもちろん恋愛系のシナリオも回ったことがあるが、本物の恋愛ってのは俺にとっちゃ遠く及ばないものであるのは従順承知している。
 
 別に嫌って訳ではなかった。むしろ嬉しいんだげど、今まで俺が保護者で月島ちゃんが預かってる子供の親子みたいな関係だと思ってただけに月島ちゃんの気持ちに思わず驚いてしまった。
 
 とりあえずは一旦気持ちを落ち着かせよう。それと月島ちゃんに了承のメールを送ろうそうしよう。

 俺はベッドから這いずり出て、床に転がってメールを送る。

      昨日
 悟(今日のご飯何がいい?)16:20既読

 月島(ハンバーグが食べたいです!)16:21

 悟(りょうかーい。部活頑張れよ!)16:22既読
 
 月島(ᕦ(ò_óˇ)ᕤ)16:22

      今日

 悟(遊園地、ンガイの森?の件だけど、いつ行く?)19:56既読

 月島(行けるなら今週の土曜日がいいです!その日は部活がないので。)20:05

 悟(オッケー。)20:06既読

 
 ふぅー。とりあえずは返信もらえたな。ちょっと調べておくか。
 
 アメリカ合衆国ウィスコンシン州のリック湖の周辺にある森。簡単に言えばニャルラトホテプのアジトだ。
 もちろんウィスコンシン州なんて存在しないクトゥルフ神話内の架空の森なんだが、どうしてそんな最後に燃えそうな名前の遊園地が存在するのか、俺はそのまま携帯で調べるとこんな情報が出てきた。

 ンガイの森は、最近できたクトゥルフ神話をモチーフとした萬代社が運営するテーマパークである。
 切り開かれた森の中に作られており、ジェットコースターやメリーゴーランド、シューティングゲームなどもあり、そのもの珍しさから日本だけではなく、世界各国のクトゥルフ続きの人やホラー要素が強いことを利用し吊り橋効果を狙うデート先としても日々人気を集めている。

 萬代社って萬さんが運営してる会社じゃないか!
 懐かしいな、萬さん元気にしてるかな?
 
 月島ちゃん何でこんなテーマパークに行きたいんだ?もっと可愛いらしいテーマパークでもあると思うんだが……

 あれかな?実家に帰る的なノリなんだろうか?
 
 そんな事を考えてると画面に映るある文章を発見する。

 『世界各国のクトゥルフ続きの人やホラー要素が強いことを利用し吊り橋効果を狙うデート先としても日々人気を集めている。』

 これかー!!!

 くっそ、萬さんもいい商売してやがるぜ!
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