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番外編
プラネタリウム
しおりを挟む片付けが終わったあと、なぜか目が冴えていて、ただ蒼太を抱きしめて寝転んでいると、ボンヤリ目を開けた彼。
状況の把握ができていないようで、俺と目が合うと何度か瞬きを繰り返した。
「大丈夫?」
「……ヒロくん」
少し掠れている声。棚に置いていた水を飲ませる。
コホコホ咳をした蒼太に申し訳なくなった。
「ごめん。本当に。体辛くない?」
「辛くないよ。多分、オメガ性のおかげ……?あっ、そ、そういえば俺、おしっこ、した……」
「おしっこ?……あ、あれか。あれば潮だよ。」
「しお」
「うん。気持ちよくなった証拠。」
トントン、と軽く胸を叩いて、また眠るように促してみるけれど、蒼太は目を開けたままだ。
「ヒロくん」
「ん?」
「プラネタリウム、つけて」
「え、今?」
「うん、見たくなった」
そう言われ、傍らに置いていた機械に電源を入れる。
途端無数の星が部屋に浮かんで、蒼太は満足そうに微笑んだ。
「……幸せ。ヒロくん……」
蒼太が俺に擦り寄ってくる。
そっと額にキスをすると、それだけでも嬉しそうだ。
「ヒロくんといれて幸せ。初めてのエッチも、ヒロくんとでよかった。」
「……でも、無理させちゃった」
「気持ちよかったから、いいの。」
「本当?」
「うん。またしたい」
優しい言葉をくれる蒼太を、思い切り抱きしめた。
蒼太の手が背中に回る。
「好き。大好き。蒼太、愛してる。」
「ふふ、僕も。大好きだよ」
星の下で『好き』を伝え合う。
ふわふわした雰囲気の中、二人で朝まで夢を見ることなくぐっすり眠った。
翌日、蒼太が腰が痛いと言って泣きそうになっている姿を見た。
それがまた申し訳なくて、暫くエッチは控えようと心に決めた。
けれどそれをセックスレスだと勘違いした蒼太が、深く深く悩んでしまって、その結果、とある喧嘩に発展してしまうのは、また別の話。
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