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番外編
プラネタリウム
しおりを挟むお付き合いを始めた蒼太と、漸くキスができるようになった。
キスをできたことは嬉しいのに、今度はもっともっと、と欲望が湧いてきている。
できる事なら、早く蒼太と番になりたい。
けれど番になるなら発情期中にそういった行為をして項を噛まないといけないわけで……。
「はぁ……」
どうせなら、発情期で理性の飛んでいる状態で蒼太との行為をするんじゃなくて、優しく傷つけないように、怖がらせないように──そんな初めてを迎えたい。
溜息を吐いてふと空を見上げる。
暗くなった空には星が見えない。
──そういえば、蒼太も同じような事を言っていた気がする。
ピコン!と思い付いたある事。
急いで家電量販店に行って目的の物を買った。
家に着いて買った物のセットをして、動作に問題ないか確認した後、蒼太に電話をする。
「もしもし、ヒロくん?お疲れ様。どうしたの?」
「お疲れ様。唐突で申し訳ないんだけど、明日の仕事終わり、俺の家に来ない?」
「えっ……」
「見せたいものがあるから、来てほしいな。」
驚いた様子の彼に、見せたいものがあると言えば、「わかった」と了承してくれた。
丁度タイミングのいい事に、明日は金曜日。
明後日は休みだから、遅くなるようならここに泊まってもらえばいい。
……ん?泊まってもらえばいい……?
徐に右手を挙げて、左手を胸に当てる。
「……襲わない。無理に誘わない。」
そう誓いを立てて、深呼吸をした。
けれど、一応、何かしら用意をしておいた方がいい。
いざ行為をするに当たって、何の準備もしていないんじゃ、その程度の男だと思われるかもしれない。
もう一度家を出てドラッグストアに行き、ゴムとローションを買った。カモフラージュにビールとカップ麺も。
ゴムはまだしも、ローションは初めてだ。
少しドキドキしながら帰って、寝室にある棚に隠すように置いておく。
そして荒れた部屋を掃除しないと、と床に散らばっていた服を洗濯機に入れ、掃除機を当てた。
部屋が綺麗になって、漸くご飯を食べる。
自炊は苦手なので買ってきたカップ麺をすすり、明日のご飯は出前でも頼もう、とお酒しか入っていない冷蔵庫を見て決めた。
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