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第166話
しおりを挟む「真樹……真樹、大丈夫?」
「ぅ……」
「あーあ、顔ぐちゃぐちゃになってる」
「……ん」
ずっと顔を押し付けていたから、凪が心配して俺の顔を横に向けさせる。
汚れた顔を見られて恥ずかしいけれど、体に力が入らなくて全く隠せなかった。
「ごめん。我慢できなくて、動くね。」
「ぁ……あ、うぅ、ぐう……っ!」
「は……っ、すごい、締め付け」
奥の壁からペニスが抜けて、また入ってくる。
頭の中がグラグラして、快感に包まれて考えることを放棄した。
「ぉ、あ……あっ、あ、あ……」
「はぁ……」
「い、く……ぁ、もう、いく、いっ──ッ」
射精せずに何度目かの中で達する。
無理、もう落ちる──そう思った時、一番奥を突かれ、それと殆ど同時にお腹の中が熱くなった。
「ぁ、あ、つい……」
「っ」
ゆっくりと中から質量が抜けていく。
中に出されたそれも零れていきそうで、慌ててお尻に力を入れて後孔を締めた。
隣に寝転んだ凪が、俺を抱き寄せる。
俺は涙や涎、その他諸々の液体で汚れているから、正直早くお風呂に入ってベッドを綺麗にして眠りたい。
「凪さん……お風呂……」
「うん。でも、真樹まだ震えてる。もう少し落ち着いた方がいいんじゃないか?」
「ん、そうだね」
腰を撫でられてゾクゾクと快感が走り、慌てて頷いた。
「ごめんなさい。ぐちゃぐちゃにしちゃったから、今日は俺のベッドで寝よう……?」
「んー、じゃあ、片付けた後に真樹の部屋に行くよ。」
「……明日片付ければいいのでは」
「そうだけど、早く片付けて真樹と寝て、明日はゆっくり起きたい。」
「なるほど。」
傍にあったティッシュで顔を拭いてゴミ箱に捨てる。
震えも治まり、凪さんに支えられながらお風呂に行って、髪と体を綺麗に洗った。
湯船に浸かりながら、『そういえば』と思い出して、顔だけ振り返り後ろにいる凪さんを見る。
「一回しか出せてない、よね……?」
「うん」
「あの、俺……よかったら抜きましょうか……」
「いや、気持ちよかったし、充分だよ。ありがとう」
凪の手がお腹に回って引き寄せられ、背中と胸がくっつく。もたれかかっていると、突然項に噛みつかれてビクッと跳ねた。
「な、何……?」
「発情期来ないかなぁ」
「えっ……何で?」
正直発情期が来ると、いつも以上に訳が分からなくなるから苦手なんだけれど。
もしかして……そんな俺の方が好きなのかな。凪さんって……むっつりスケベってやつ……?
「子供ができるから」
「あ……そっちか。」
「え、どっち?」
キョトン……とする彼に、ムフフと笑う。
「凪さんはもしかしたらむっつりスケベなのかもって思って。」
「……それもあながち間違ってないだろ。真樹限定だけど」
「喜ぶべきところ?」
「そうだろ」
くすくす笑いあって、体が温まってきた頃、また凪さんに支えられながらお風呂を出た。
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