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第88話
しおりを挟むもう一度お風呂に入って綺麗にした後、ソファーに座り、凪さんと一緒にアイスを食べた。
「これ美味しい」
「また買っておくね」
「ありがとう」
もう零時を過ぎた深い夜。
甘えるように彼にもたれた。
「眠い?」
「ううん」
「疲れた……よね。ごめん、無理させて。」
「俺がするって言ったんだから、謝らないで。」
「……お腹はもう大丈夫?」
「大丈夫」
アイスを食べ終わり、空になったそれをローテーブルに置いた。
後は歯磨きをして眠るだけ。
「真樹」
「はい──んっ!」
唇が重なり、熱い舌が侵入してくる。
歯列をなぞられ、その後いつもよりずっと奥まで舌が入ってきて背中がゾワっとした。
口の中は気持ちよくて、ここすら性感帯に変わったのかと思うと恥ずかしい気もする。
「ぁ、ふ……」
凪さんの服を掴んで、もっとしてほしいと強請ると、優しく笑って頬を撫でられ、俺が満足するまでキスをしてくれた。
「キス、気持ちいい」
「……初めてした時は真っ赤になってたけどね」
「だってファーストキスだよ?緊張しない方がどうかしてる……」
彼から離れて、歯を磨きに行こうとソファーから下りると、下半身の違和感が酷くて、振り返りチラッと凪さんの顔を見る。
「凪さん……」
「何?」
「下半身、おかしいから洗面所まで行くのついてきてほしい……」
「いいよ」
隣に立った彼は直ぐに俺を抱っこしようとして、それを止めさせる。
どうせこの方が早いのにって思っているだろう。
「俺の腰抱いてて」
「えー、運ぶのはいけないの?」
「駄目。自分で歩くからついてきて」
「わかったよ。何かお姫様みたいだね」
「そんな可愛いものじゃないです」
言い合いながら洗面所に行き、二人並んで歯を磨いた。
そのまま寝室に直行して、ゴロンと寝転ぶ。
隣に寝転んだ凪さんは、俺のことをぎゅっと抱きしめて、その体勢で眠ろうとするので少し力を弛めてもらった。
「おやすみ、凪さん。」
「そう言えばまた凪さん呼びに戻った」
「……エッチしてる時だけ名前で呼びます。」
「それは……うん。それはいいね。わかった」
凪さんってばちょっと……いや、結構スケベだ。
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