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第2章
第68話
しおりを挟む「オメガと一緒の空間にいるのが嫌だって、言ってた。……俺だって、差別する人達と同じ空間にいたくないし」
ポロッと涙が溢れる。
もう何度も言われてきたような言葉だけれど、本当のことを言えばそれを聞く度に刺されているかのように胸が痛かった。
「俺、オメガだけど……ちゃんと皆と同じ事してるよ。そりゃ発情期はあるけど……それ以外は何も変わらない」
「そうだな」
「皆と同じような努力を俺だってしてるはずなのに、何がそんなに不満なの」
何もしていないのにどうして酷い言葉を投げてくるんだろう。
前の番の前ではこんな話をしなかった。
弱い所を見せると嫌がられてしまうのではと思っていたから。
けれど琉生は彼の方から感情を吐き出すことを促してくれるので、一人で思いを溜め込まなくて済む。
「気にしないでいたいけど、難しいね」
「……うん」
「まだ一年生だけど、早く卒業したいな」
自虐気味に笑う佑里斗に琉生は何も言えない。
佑里斗自身も何か言葉がほしい訳ではなくて、ただ気持ちを吐き出せたことで少しスッキリとした。
「琉生」
「ん?」
「俺ね、冷麺のキュウリは多い方が好きだからいっぱい刻んでいい?」
佑里斗は自分がウジウジしているせいで琉生に負担をかけたくなかったので、突然話題を変える。
「はは、うん。いいよ。俺も好きだし」
「卵はゆで卵派? 錦糸卵派?」
「えー……錦糸卵かな……」
「良かった、一緒だ」
家に着く頃には佑里斗は自然と笑えるようになっていて、その様子が琉生にとっては心配で仕方がなかった。
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