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第1章
第37話
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「……ごめん、言い方キツかった」
「あ、いや」
「本当に何も気にしなくていいから」
「……ありがとうございます。」
佑里斗はヘラり笑う。
どこか力ない微笑みに今度は琉生が罪悪感に襲われる番で。
急いで軽食を作り佑里斗の隣に腰を下ろした。
「リゾット作ったけど、食べれる? 違うのがいい?」
「ううん。すっごく美味しそう」
スプーンに掬って、それを佑里斗の口元に持っていく。そうすれば彼は驚いて目を見開いた。
「じ、自分で食べれる……」
「……」
琉生は手に持ったそれを佑里斗に渡そうと思ったけれど、どうしても甘えて欲しくなってしまい、渡すことなくそのままスプーンを口に近付ける。
佑里斗はオズオズと口を開き、パクッと食いついた。そうすれば優しい味が口内に広がり、自然と口角が上がって目尻が下がる。
「わぁ……美味しい」
「よかった」
「先輩って本当に料理上手」
「これくらいは普通だと思うけど」
「こんなに美味しいのはじめて」
施設で育ったし、隆志はこうして食事を作ってくれたりしなかった。
自分の為だけに誰かがご飯を作ってくれるのは初めてで心に染みる。
じんわり涙が滲んで、それを隠すように俯けば、ワシャワシャ髪を撫でられた。
「ゆっくり食べな。風呂沸かしてくるから、食べたあと一回湯船に浸かって温まった方がいい」
「……ん、ありがとう」
「……自分で食べれる?」
「ふふ、食べれるよ」
佑里斗とって、初めての穏やかな発情期だった。
「あ、いや」
「本当に何も気にしなくていいから」
「……ありがとうございます。」
佑里斗はヘラり笑う。
どこか力ない微笑みに今度は琉生が罪悪感に襲われる番で。
急いで軽食を作り佑里斗の隣に腰を下ろした。
「リゾット作ったけど、食べれる? 違うのがいい?」
「ううん。すっごく美味しそう」
スプーンに掬って、それを佑里斗の口元に持っていく。そうすれば彼は驚いて目を見開いた。
「じ、自分で食べれる……」
「……」
琉生は手に持ったそれを佑里斗に渡そうと思ったけれど、どうしても甘えて欲しくなってしまい、渡すことなくそのままスプーンを口に近付ける。
佑里斗はオズオズと口を開き、パクッと食いついた。そうすれば優しい味が口内に広がり、自然と口角が上がって目尻が下がる。
「わぁ……美味しい」
「よかった」
「先輩って本当に料理上手」
「これくらいは普通だと思うけど」
「こんなに美味しいのはじめて」
施設で育ったし、隆志はこうして食事を作ってくれたりしなかった。
自分の為だけに誰かがご飯を作ってくれるのは初めてで心に染みる。
じんわり涙が滲んで、それを隠すように俯けば、ワシャワシャ髪を撫でられた。
「ゆっくり食べな。風呂沸かしてくるから、食べたあと一回湯船に浸かって温まった方がいい」
「……ん、ありがとう」
「……自分で食べれる?」
「ふふ、食べれるよ」
佑里斗とって、初めての穏やかな発情期だった。
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