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最終章:二人の終末の二日間
第二百三十二話:最後の戦い
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「はあ、まさかこんな日が来ようとは……思ってもみませんでしたわ」
レインの股の間に収まった王女オリヴィアは、歓喜の声を上げる。
もうすぐ19歳になる彼女の体は最早少女と言い切るには余りにも発達していて柔らかい。
サニィの貧相、いや、スレンダーなそれと違って出るべき部分がきっちりと出ており、普通であればこれが胡座の隙間に収まってしまえば誰も我慢など出来ないだろう。
「……さて、もう良いだろう」
「もうダメ、ですか?」
振り返り、上目遣いで王女は訪ねてくる。
「もちろんダメだ」
「ダメ、ですか?」
次にサニィの方を向いて尋ねる。
彼女ならこの状況であればダメと答えるだろう。
明らかに、誘ってきているのだ。
「今日はいくらでも良いよ」
「おい」
「強靭な精神力のレインさんがオリヴィアに興奮するなんてことないと思うし」
不要な信頼が、ここに来てレインを追い詰め始める。
「師匠がオリ姉に興奮してないことは本当だよー」
何故か心を読める弟子一までもが、弟子二の援護をする。
いつも不純なオリヴィアの心を受けて、興奮とはどういうことかを既に理解しているらしい。
「ええい!! このまま俺が興奮して襲い始めたらどうするつもりだお前ら!!」
いっそのこと、その危険性をにおわせておけばこの状況から逃れられるだろう。
しかし「そんなことしないって分かってますから」「それでも構いませんわ」「師匠はそんなことしない」等と徹底的な信用の声が舞う。
「……もう、勝手にしろ」
諦めと同時、王女が左を向いたまま頬をすり寄せる。
「良かったねぇオリヴィア」
「はい。んふふふ、んにゃ」
レインは、心を無にすることに決めた。
――。
「昼はオリ姉に師匠を譲ってあげたから、今日は私とお姉ちゃんと師匠の三人で寝る」
オリヴィアが満足して離れた直後、弟子一エリーがそんなことを言う。
意外と強かな娘だ。その強かさが普段の戦闘でも彼女の強みとなっている。
直球で欲望を果たそうとするオリヴィアも、それはそれで戦い方とマッチしてはいるが、普段の生活では年齢が半分以下のエリーの方が一枚上手らしい。
「くっ、それでわたくしに加勢を……?」
「ふふふ。ね、師匠、一緒に寝てくれる?」
「ああ、当然だ」
この弟子達は良い関係だとレインは思う。
戦闘時以外だけでなく常日頃から争うことで相手の欠点がよく見えている。
それつまり、協力しなければならない戦闘になれば互いの弱点を補い合えると言うこと。
特に、エリーはオリヴィアの純粋な不純さをしっかりと把握しており、その隙を突くことを忘れない。
今回ばかりはどう考えても、エリーの圧勝と言って良いだろう。
「くぅ、お姉様、お姉様はどう思います?」
苦しくなったオリヴィアはサニィに助けを求める。
「んー、そうだな。私はオリヴィアも可愛いし、戦って決めよっか」
「おいサニィ……」
「負けないよ! オリ姉!」
今日はやたらとオリヴィアの肩を持つサニィに不満を持ちながらも、エリーがやる気を出してしまったので相変わらず甘いと思いながらも引き受ける。
レインとエリー対サニィとオリヴィア。
現状ではどう頑張っても、エリーが一番弱く、レインが一番強い。
ルールは、一人が倒れた時点で終了だ。
最後まで残った者がいる方となれば、レインは一対三でも勝ってしまう。
そうした細かいルールを決めた後、四人は漣を出て東のいつもの広場へと向かった。
――。
サニィは思っていた。
レインの二人の弟子は、とても可愛い。
自分の生徒であるルークとエレナの二人は、レインの弟子と違って二人でも完結している。恋人同士だし、自分は懐かれているというよりも、畏敬の念を抱かれている。
崇拝されているに近いと言い換えれば分かり易い。
一緒に寝ることは一度も無かったし、これからも無いだろう。
それに対して、エリーはレインを父の様に思っているし、オリヴィアに至っては師を愛していると言っても過言ではない。
先日の正妻決めの時にも、真っ先に引いてくれたのはオリヴィアだ。
初めて会った時にはあれだけ本気で戦った。しかしいくら強くなっても彼女の変わらぬ想いは決して報われない。
それなのに、先日は勝てば結婚して良いと言ったのにも関わらず自分のことを考えて引いてくれた。
だからこそ、少し位オリヴィアも報われるべきだと、そう思っていた。
最近のオリヴィアやライラを見ていて、自分の浅はかな考えが少し恥ずかしくなっていた。
そして、こんな可愛い二人の弟子を持つレインが、少し羨ましかった。
――。
「本気で行きますよ、レインさん」
「どうしてこうなったんだ……」
ただ弟子達に会いたかったレインは、最後に稽古を付けてやろうとは思っていた。
思ってはいたが、サニィと戦うことになるとは思ってもみなかった。
「しかし、良い機会かもしれんな。5年間の修行の成果を見てやろう」
「はい。負けませんよ。ね、オリヴィア」
「もちろんですわ。今日レイン様とお姉様と寝るのはわたくし!」
「勝って一緒に寝ようねー」
先日のことなど何も知らないレインは突然今まで以上に仲良くなった二人に困惑しつつも、いざ構えを取ればその空気は一転する。
場からはそれまでの緩んだ空気は消え失せ、時間の流れは停滞する。
「エリー。今日は一番弟子のお前の為にも本気を見せてやろう。よく見ておけよ」
「はい師匠。わたしも頑張る!」
そうしてなんだか気になったアリスが見守る中、四人の戦いは幕を開けた。
レインの股の間に収まった王女オリヴィアは、歓喜の声を上げる。
もうすぐ19歳になる彼女の体は最早少女と言い切るには余りにも発達していて柔らかい。
サニィの貧相、いや、スレンダーなそれと違って出るべき部分がきっちりと出ており、普通であればこれが胡座の隙間に収まってしまえば誰も我慢など出来ないだろう。
「……さて、もう良いだろう」
「もうダメ、ですか?」
振り返り、上目遣いで王女は訪ねてくる。
「もちろんダメだ」
「ダメ、ですか?」
次にサニィの方を向いて尋ねる。
彼女ならこの状況であればダメと答えるだろう。
明らかに、誘ってきているのだ。
「今日はいくらでも良いよ」
「おい」
「強靭な精神力のレインさんがオリヴィアに興奮するなんてことないと思うし」
不要な信頼が、ここに来てレインを追い詰め始める。
「師匠がオリ姉に興奮してないことは本当だよー」
何故か心を読める弟子一までもが、弟子二の援護をする。
いつも不純なオリヴィアの心を受けて、興奮とはどういうことかを既に理解しているらしい。
「ええい!! このまま俺が興奮して襲い始めたらどうするつもりだお前ら!!」
いっそのこと、その危険性をにおわせておけばこの状況から逃れられるだろう。
しかし「そんなことしないって分かってますから」「それでも構いませんわ」「師匠はそんなことしない」等と徹底的な信用の声が舞う。
「……もう、勝手にしろ」
諦めと同時、王女が左を向いたまま頬をすり寄せる。
「良かったねぇオリヴィア」
「はい。んふふふ、んにゃ」
レインは、心を無にすることに決めた。
――。
「昼はオリ姉に師匠を譲ってあげたから、今日は私とお姉ちゃんと師匠の三人で寝る」
オリヴィアが満足して離れた直後、弟子一エリーがそんなことを言う。
意外と強かな娘だ。その強かさが普段の戦闘でも彼女の強みとなっている。
直球で欲望を果たそうとするオリヴィアも、それはそれで戦い方とマッチしてはいるが、普段の生活では年齢が半分以下のエリーの方が一枚上手らしい。
「くっ、それでわたくしに加勢を……?」
「ふふふ。ね、師匠、一緒に寝てくれる?」
「ああ、当然だ」
この弟子達は良い関係だとレインは思う。
戦闘時以外だけでなく常日頃から争うことで相手の欠点がよく見えている。
それつまり、協力しなければならない戦闘になれば互いの弱点を補い合えると言うこと。
特に、エリーはオリヴィアの純粋な不純さをしっかりと把握しており、その隙を突くことを忘れない。
今回ばかりはどう考えても、エリーの圧勝と言って良いだろう。
「くぅ、お姉様、お姉様はどう思います?」
苦しくなったオリヴィアはサニィに助けを求める。
「んー、そうだな。私はオリヴィアも可愛いし、戦って決めよっか」
「おいサニィ……」
「負けないよ! オリ姉!」
今日はやたらとオリヴィアの肩を持つサニィに不満を持ちながらも、エリーがやる気を出してしまったので相変わらず甘いと思いながらも引き受ける。
レインとエリー対サニィとオリヴィア。
現状ではどう頑張っても、エリーが一番弱く、レインが一番強い。
ルールは、一人が倒れた時点で終了だ。
最後まで残った者がいる方となれば、レインは一対三でも勝ってしまう。
そうした細かいルールを決めた後、四人は漣を出て東のいつもの広場へと向かった。
――。
サニィは思っていた。
レインの二人の弟子は、とても可愛い。
自分の生徒であるルークとエレナの二人は、レインの弟子と違って二人でも完結している。恋人同士だし、自分は懐かれているというよりも、畏敬の念を抱かれている。
崇拝されているに近いと言い換えれば分かり易い。
一緒に寝ることは一度も無かったし、これからも無いだろう。
それに対して、エリーはレインを父の様に思っているし、オリヴィアに至っては師を愛していると言っても過言ではない。
先日の正妻決めの時にも、真っ先に引いてくれたのはオリヴィアだ。
初めて会った時にはあれだけ本気で戦った。しかしいくら強くなっても彼女の変わらぬ想いは決して報われない。
それなのに、先日は勝てば結婚して良いと言ったのにも関わらず自分のことを考えて引いてくれた。
だからこそ、少し位オリヴィアも報われるべきだと、そう思っていた。
最近のオリヴィアやライラを見ていて、自分の浅はかな考えが少し恥ずかしくなっていた。
そして、こんな可愛い二人の弟子を持つレインが、少し羨ましかった。
――。
「本気で行きますよ、レインさん」
「どうしてこうなったんだ……」
ただ弟子達に会いたかったレインは、最後に稽古を付けてやろうとは思っていた。
思ってはいたが、サニィと戦うことになるとは思ってもみなかった。
「しかし、良い機会かもしれんな。5年間の修行の成果を見てやろう」
「はい。負けませんよ。ね、オリヴィア」
「もちろんですわ。今日レイン様とお姉様と寝るのはわたくし!」
「勝って一緒に寝ようねー」
先日のことなど何も知らないレインは突然今まで以上に仲良くなった二人に困惑しつつも、いざ構えを取ればその空気は一転する。
場からはそれまでの緩んだ空気は消え失せ、時間の流れは停滞する。
「エリー。今日は一番弟子のお前の為にも本気を見せてやろう。よく見ておけよ」
「はい師匠。わたしも頑張る!」
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