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第十五章:帰還、そして最後の一年
第二百三十話:幕間の質
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「というわけで、皆さんには集まって貰いました」
アルカナウィンドの首都、その王城の一室に、サニィは三人の女性を集めていた。
集められたのはオリヴィア、ライラ、そしてナディア。
本気でレインのことを好いている人間の女性だ。
その提案に、皆が驚いた顔をしている。
事の発端は、先日のレインとサンダルの一騎打ち。一人の女性を巡って本気で戦い友情を深め合った二人が、とても微笑ましく思えたのだ。
だから、この様な提案をした。
「4人で戦って、勝った人がレインさんの正妻になりましょう。あ、ちなみにレインさんにも了承して貰ってます。今はレインさん、隣の部屋でアリエルちゃんの子もりっ、……護衛をして貰ってますから」
微妙に言わなくて良い部分まで言ってしまいつつ、サニィは名案とばかりに言う。
自分が負けることはないだろうが、これならばもし負けてしまっても、まあ、納得出来る。
そう思ったのだ。
「わたくしは降りますわ」
真っ先にそう言ったのは、オリヴィアだった。
かつてサニィと本気で戦った唯一の娘。
「え、オリヴィアはレインさんと結婚したくないの?」
思わず尋ねる。
すると、帰ってきたのは意外な様な当然の答えだった。
「もちろんしたいですわ。したいですけれど、レイン様の正妻はお姉様。わたくしは幸せなお姉様とレイン様に囲まれて暮らしたいのです。わたくしが一番になったら幸せなお姉様を見られませんわ」
そう言った。
出会って戦って、お姉様と呼ばれ始めてから一貫して変わらぬその態度に、サニィは思わず自分の浅はかさを思い知る。
「ご、ごめん、オリヴィア」
「いいえ、ですが、残りのお二人は……」
オリヴィアも、残りの二人が本気で正妻の座を狙っていることが分かっている。
自分の様な引き方はしないだろう。
そう思った瞬間、二人は口を開く。
「私もパス。今はまだサニィを越えるために鍛錬しなきゃだし、レイン様を手に入れるのは正々堂々告白して、そんでサニィと勝負するって決めてるんだから」
そんな潔い宣言をしたのはライラだ。
「私もパスです。私は正面からサニィさんに勝てませんから。まあ、寝取られない様には気を付けて下さいね。貧にゅッ――」
そう言って気絶したのがナディア。
その顔には、180cmの杖が突きつけられていた。
「相変わらずこの人は油断も隙もないね……。ま、そう言うことだから今はまだ、正妻はあなたよ、サニィ」
「あはは、正妻って言っておいて今はまだってのが怖いけど、そういうことなら。ライラの挑戦ならいつでも受け付けてるね」
やけにすんなりと解決してしまったことに少しばかりの寂しさはあるものの、一安心。
目の前で気を失った、ナディアを除いては。
「ナディアさん、どうしよっか」
「洗脳するのは如何ですか、お姉様?」
「私もそれが良いと思う。この人見た目はサニィと同じで元気系清楚なんだから、サニィみたいな性格に改造しちゃうのが良いと思うよ」
ナディアの人権などあってない様なもの、と、三人の意見は一致する。
オリヴィアもライラも、サニィがレインの正妻なのには文句の付けようもないのだが、何かが間違ってレインと、このサニィと同じ顔をしているビッチが関係を持ってしまったらと思うと、耐えられない。
もしそうなった時に、サニィと同じ顔を使って騙されたレインを一方的に責めることは出来ないと、何処かで感じている。
それ程に、この気絶したビッチは、サニィと同じ顔をしている。
だからこそ、サニィが嫉妬して怒る理由も、よく分かる。
そうして三人はこれを、改造することに決めた。
――。
「あ、お姉ちゃん、ナディアさん帰ってきたみたい」
「おう、それじゃ、三人で訓練に出るか」
ウアカリ首長クーリアは、ここの所いつも妹のイリス、そしてナンバー2の実力を持つナディアと共に訓練をしている。
国の南側に出る巨人は強く、三人が鍛えるのに格好の獲物だ。
今日もナディアが戻ってきたら、その予定でいた。
ドアがノックされる。
「はーい、ナディアさん、今準備終わるところなので、少しだけ待って下さいね」
「はい」
ナディアを家に上げ、準備を続けるクーリアとイリス。
彼女の帰還は今日帰る予定とは知らされていたが、いつかは聞いていなかった為、準備に少しの時間がかかる。
リビングで座ってのんびりとお茶を飲むナディアに、クーリアは尋ねる。
「ナディア、サニィに連れられてったけど、なんかあったのか?」
「レインさんのことで少し」
「あー、お前がすぐ暴走するからか」
納得した様に言うクーリアに、何故かナディアは首を傾げる。
「え? 暴走?」
「いや、自覚は持てよ。何度止めたと思ってるんだ」
「えーと、レインさんのことで、暴走ですか?」
「してるじゃないか、毎回毎回脱いで迫ろうと」
「え、私男の人にそんなこと、出来ません……」
「は?」
ナディアの返答に怒りを見せるクーリアに対して、イリスは気付いた様な顔をする。
ナディアは少し肩を震わせると、本当に分かっていない様に言う。
「正妻を決めようみたいな話をしてきたんですけど、私はすぐに降りましたよ?」
「お姉ちゃん、ちょっと」
きょとんとするナディアを一先ず置いておいて、クーリアをキッチンまで連れ出し声を押し殺して言う。
「ナディアさん、精神を弄られてる。多分、また聖お姉ちゃんを怒らせて、今度こそ性欲を無くされたんだと思う」
「……マジか」
「うん、まじ」
イリスの言葉に、クーリアは心底哀れみの表情を、ナディアに向けた。
「あいつ、処女なのになぁ……」
「え、……まじ?」
「ああ、マジだ。使い込んではあるが……」
「え、どう言うこと?」
妹の真剣な表情の問いに、クーリアは答える。
ナディアは昔、ウアカリの中でも引っ込み思案で、興味はあるものの、男男言う皆に、付いていけていなかった。実力はいつでも、同年代ではクーリアに次いで二番目。
男なんか、いくらでも手に入る位置だった。
しかしナディアは、動かなかった。
そこである日、クーリアはプレゼントをした。
棒状の遊び道具だ。
「あ、もういい」
「なんだ、こっからが良いところなのに」
「どうせそれで目覚めたけど、自分より強くないと嫌っていう感じじゃん」
「ああ、流石はアタシの妹だな。そんな時に来たのがレインだ。その圧倒的強さに、男を知らず快感を知ってしまったナディアは狂った。以上」
その言葉に、イリスはむっとした顔をする。
「それ、半分はお姉ちゃんのせいじゃん」
「う、しかしな……」
「しかしって、ナディアさん完全にビッチ扱いされてるのに……」
「まあ、あれだけ狂ってたらな……」
「でも確かに、よくよく考えればレインさん以外に興奮してるナディアさん見たことないな。私よく分からないんだけど、ウアカリの力ってそんなに強さに惹かれるの?」
ウアカリの力は男の強さを測ること。見ただけで、大体の戦闘能力を把握出来る。
それと同時に、男好きになる。そんな女のみで造られたこの国では、男は歓迎される。
男であれば、強さで歓迎度は変わるものの、誰であろうと一人は捕まえられると言われている。
「ああ、力が強い程強い者に惹かれる。力が弱い者は、男なら誰でも良いって感じだが、強い程選り好みする上に強烈に惹かれやすくなる。アイツ、アタシよりも遥かに能力が強いんだ。レイン以外は6桁まで使って数値化出来るって言ってた」
「6桁ってのは素直に凄いね……」
「多分ウアカリ史上一だと思う。要するに、一番呪われてるのさ」
「へぇ、それじゃ取り敢えず、お姉ちゃんも責任とって、ナディアさん戻すの手伝ってね」
「う……、分かった」
聞いておいて全く興味なさそうにそういうイリスに、然しもの首長も、素直に返事をせざるを得なかった。
「ふう、かなり時間かかりそう。相変わらず凄いな聖お姉ちゃん」
それは何に対してなのだろうか、少しだけ嬉しそうに、真人間になったナディアを見て、イリスは呟いた。
アルカナウィンドの首都、その王城の一室に、サニィは三人の女性を集めていた。
集められたのはオリヴィア、ライラ、そしてナディア。
本気でレインのことを好いている人間の女性だ。
その提案に、皆が驚いた顔をしている。
事の発端は、先日のレインとサンダルの一騎打ち。一人の女性を巡って本気で戦い友情を深め合った二人が、とても微笑ましく思えたのだ。
だから、この様な提案をした。
「4人で戦って、勝った人がレインさんの正妻になりましょう。あ、ちなみにレインさんにも了承して貰ってます。今はレインさん、隣の部屋でアリエルちゃんの子もりっ、……護衛をして貰ってますから」
微妙に言わなくて良い部分まで言ってしまいつつ、サニィは名案とばかりに言う。
自分が負けることはないだろうが、これならばもし負けてしまっても、まあ、納得出来る。
そう思ったのだ。
「わたくしは降りますわ」
真っ先にそう言ったのは、オリヴィアだった。
かつてサニィと本気で戦った唯一の娘。
「え、オリヴィアはレインさんと結婚したくないの?」
思わず尋ねる。
すると、帰ってきたのは意外な様な当然の答えだった。
「もちろんしたいですわ。したいですけれど、レイン様の正妻はお姉様。わたくしは幸せなお姉様とレイン様に囲まれて暮らしたいのです。わたくしが一番になったら幸せなお姉様を見られませんわ」
そう言った。
出会って戦って、お姉様と呼ばれ始めてから一貫して変わらぬその態度に、サニィは思わず自分の浅はかさを思い知る。
「ご、ごめん、オリヴィア」
「いいえ、ですが、残りのお二人は……」
オリヴィアも、残りの二人が本気で正妻の座を狙っていることが分かっている。
自分の様な引き方はしないだろう。
そう思った瞬間、二人は口を開く。
「私もパス。今はまだサニィを越えるために鍛錬しなきゃだし、レイン様を手に入れるのは正々堂々告白して、そんでサニィと勝負するって決めてるんだから」
そんな潔い宣言をしたのはライラだ。
「私もパスです。私は正面からサニィさんに勝てませんから。まあ、寝取られない様には気を付けて下さいね。貧にゅッ――」
そう言って気絶したのがナディア。
その顔には、180cmの杖が突きつけられていた。
「相変わらずこの人は油断も隙もないね……。ま、そう言うことだから今はまだ、正妻はあなたよ、サニィ」
「あはは、正妻って言っておいて今はまだってのが怖いけど、そういうことなら。ライラの挑戦ならいつでも受け付けてるね」
やけにすんなりと解決してしまったことに少しばかりの寂しさはあるものの、一安心。
目の前で気を失った、ナディアを除いては。
「ナディアさん、どうしよっか」
「洗脳するのは如何ですか、お姉様?」
「私もそれが良いと思う。この人見た目はサニィと同じで元気系清楚なんだから、サニィみたいな性格に改造しちゃうのが良いと思うよ」
ナディアの人権などあってない様なもの、と、三人の意見は一致する。
オリヴィアもライラも、サニィがレインの正妻なのには文句の付けようもないのだが、何かが間違ってレインと、このサニィと同じ顔をしているビッチが関係を持ってしまったらと思うと、耐えられない。
もしそうなった時に、サニィと同じ顔を使って騙されたレインを一方的に責めることは出来ないと、何処かで感じている。
それ程に、この気絶したビッチは、サニィと同じ顔をしている。
だからこそ、サニィが嫉妬して怒る理由も、よく分かる。
そうして三人はこれを、改造することに決めた。
――。
「あ、お姉ちゃん、ナディアさん帰ってきたみたい」
「おう、それじゃ、三人で訓練に出るか」
ウアカリ首長クーリアは、ここの所いつも妹のイリス、そしてナンバー2の実力を持つナディアと共に訓練をしている。
国の南側に出る巨人は強く、三人が鍛えるのに格好の獲物だ。
今日もナディアが戻ってきたら、その予定でいた。
ドアがノックされる。
「はーい、ナディアさん、今準備終わるところなので、少しだけ待って下さいね」
「はい」
ナディアを家に上げ、準備を続けるクーリアとイリス。
彼女の帰還は今日帰る予定とは知らされていたが、いつかは聞いていなかった為、準備に少しの時間がかかる。
リビングで座ってのんびりとお茶を飲むナディアに、クーリアは尋ねる。
「ナディア、サニィに連れられてったけど、なんかあったのか?」
「レインさんのことで少し」
「あー、お前がすぐ暴走するからか」
納得した様に言うクーリアに、何故かナディアは首を傾げる。
「え? 暴走?」
「いや、自覚は持てよ。何度止めたと思ってるんだ」
「えーと、レインさんのことで、暴走ですか?」
「してるじゃないか、毎回毎回脱いで迫ろうと」
「え、私男の人にそんなこと、出来ません……」
「は?」
ナディアの返答に怒りを見せるクーリアに対して、イリスは気付いた様な顔をする。
ナディアは少し肩を震わせると、本当に分かっていない様に言う。
「正妻を決めようみたいな話をしてきたんですけど、私はすぐに降りましたよ?」
「お姉ちゃん、ちょっと」
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「……マジか」
「うん、まじ」
イリスの言葉に、クーリアは心底哀れみの表情を、ナディアに向けた。
「あいつ、処女なのになぁ……」
「え、……まじ?」
「ああ、マジだ。使い込んではあるが……」
「え、どう言うこと?」
妹の真剣な表情の問いに、クーリアは答える。
ナディアは昔、ウアカリの中でも引っ込み思案で、興味はあるものの、男男言う皆に、付いていけていなかった。実力はいつでも、同年代ではクーリアに次いで二番目。
男なんか、いくらでも手に入る位置だった。
しかしナディアは、動かなかった。
そこである日、クーリアはプレゼントをした。
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「ああ、流石はアタシの妹だな。そんな時に来たのがレインだ。その圧倒的強さに、男を知らず快感を知ってしまったナディアは狂った。以上」
その言葉に、イリスはむっとした顔をする。
「それ、半分はお姉ちゃんのせいじゃん」
「う、しかしな……」
「しかしって、ナディアさん完全にビッチ扱いされてるのに……」
「まあ、あれだけ狂ってたらな……」
「でも確かに、よくよく考えればレインさん以外に興奮してるナディアさん見たことないな。私よく分からないんだけど、ウアカリの力ってそんなに強さに惹かれるの?」
ウアカリの力は男の強さを測ること。見ただけで、大体の戦闘能力を把握出来る。
それと同時に、男好きになる。そんな女のみで造られたこの国では、男は歓迎される。
男であれば、強さで歓迎度は変わるものの、誰であろうと一人は捕まえられると言われている。
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「6桁ってのは素直に凄いね……」
「多分ウアカリ史上一だと思う。要するに、一番呪われてるのさ」
「へぇ、それじゃ取り敢えず、お姉ちゃんも責任とって、ナディアさん戻すの手伝ってね」
「う……、分かった」
聞いておいて全く興味なさそうにそういうイリスに、然しもの首長も、素直に返事をせざるを得なかった。
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