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不思議な私のワンダーランド
1.不思議な馬車と奇妙な男
しおりを挟むカランカランと音がする。
何の音だろうか。
ミアカは学校の下校途中、
背後から不思議な音が聞こえ、
音の発する方向に向かった。
よく見ると、馬車が走ってるではないか。
見間違いではないかと、目をこすってみたが、
間違いない。
白い馬の馬車に御者が運転しているのが見える。
しかし、なぜここに、馬車があるのだ。
何かの撮影でもなさそうだし…
いろいろな可能性を探りながら、
ぼーっと立っていると、
背後から太い声の主がミアカに声をかけた。
「おじょうさん、君は見えるのか?」
びっくりして、振り返ると
黒い、牧師の格好のような装いのま
30代くらいの男が立っていた。
「な、何がですか?」
びくひくして声が震える。
「あの馬車だよ」
「はい、馬車なら見えましたけど‥」
男は不気味な笑みを浮かべ、
「やっと見つけたよ。
こんな若い子だったとは‥」と言った。
何を言ってるのだ、この男は。
ミアカは怪しい予感がし、
逃げる準備をしようと身構える
が、足が震えて、動かない。
男がどんどん近づいてくる。
逃げ場のないミアカが
「来ないでーっ」と叫んだ瞬間、
眩しい光と強い風がミアカとその男に
襲いかかった。
光が眩しくて、目を開けられない。
いったい、何が起きたのだろう。
立っていられなくなり、
ミアカとその男も光の方向に
軽々と吸い込まれた。
何が起こったのだろう。
意識もたんだん遠くなり、
ミアカは目を閉して、そのまま、
風の向く方に流された。
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
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○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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