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状況説明と今後

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「それでモーリア君?君のJobは何だったかしら?」

「・・・【測量士】ですが?」

「測量士が広域殲滅魔法?そんなの王都の国家魔法使い全員でも構想段階で止まってるはずなんだけど・・・発動できても年単位で魔力の蓄積をしてとか言ってたわね・・・」

 どこ情報なんだろう・・・かなり具体的だけど

「ソウナンデスカー

 でもそんな情報どこから入手したんですか?かなり上の方ですよね?」

「え?数年に一回帰ってくるお父さんからよ?帰ってきてお酒が入ると職場の話をそりゃもうペラペラと・・・」

「・・・え?じゃぁミリアさんのお父さんは国家魔法使い?って事ですか?」

「そうよ?」

 それがどうしたの?みたいな顔されたけど、そんな情報知らないから仕方がないじゃないか!ってか、驚くところはそこじゃ無いよね・・・

魔法使いインテリからミリア脳筋さんが生まれただと!?」

「な、なによ・・・」

「因みにお母さんは?」

「職場恋愛結婚って聞いたわね?」

 ・・・魔法使いインテリ×魔法使いインテリのサラブレットが・・・【脳筋ミリア突然変異】???

「今かな~り失礼なこと考えてるでしょ?」

 滅相もございません・・・誰もが思うことなので・・・は?
 逆に考えてみよう・・・サラブレットとして生まれたが、体が弱いから鍛えていたら・・・それ系の天啓を受けて・・・今に至る・・・とか?

「・・・な~にを考えてるのかな~?」

「・・・ミリアさんのJobは・・・何でしょうか?」

 ボクのJob聞いてるから聞き返してもいいよね?というか、相手のJobを聞くのはマナー違反とか、そういうのは無いんだね・・・

「私?【要塞フォートレス】よ?」

 ・・・予想の後者確定かな?

「そのJobの成果が今の副隊長さんですか?」

「そうね」

 なんか嬉しそうだな・・・まぁ、天啓によって左右されるこの世界で、望む望まぬはあれど、天啓を活かせる仕事に就けるのは・・・良いことなんじゃないかな?

「でも、上司への暴言や目上の人への対応を見ていると・・・かなり残念ですよね・・・?こう・・・財布というかお給料が真っ青に・・・なってませんか?」

「・・・フィッ・・・・」

 視線を外された・・・常習犯のようだ

「これは結婚相手は苦労しそうですね・・・ナムナム・・・人・」

「そ!そんなこと言わないでよ!なんでみんなみんな会う人会う人同じこと言うのよ!私が守ってあげるんだから・・・黙って私に護られてなさい!」

 それって彼氏候補?旦那候補?に対してのセリフなんだろうか・・・色々おかしいと思うんだけど・・・そこに気づいていない時点で・・・ナムナム・人・

「さっきから・・・なんで私に対して手を合わせるのよ!それも何かの言い回しとかなの???」

 ソウデスネーソレデイイデスヨー

「さてと、ちょっとだけ聞いても良いですか?」

「な・・・なによ・・・彼氏なら絶賛募集中よ!?」

 いやいや・・・それは聞いてないけど、判明してるし、間に合ってます

「そこではなく、天啓・・・Jobの流れって見えてます?」

「・・・/////流さないでよ・・・勿論見えてるわよ?というか見えてない人いるのかしら?」

 誰が上手い事言えと言った・・・

「どんなふうに見えてます?というか・・・真っ直ぐにSー○ー△ー□ー◎といった感じですよね?」

 言葉では伝わりにくいと思ったので、地面に落ちていた枝を使って図を書いていくと

「そうね、そんな感じよ?それがどうしたの???」

 さも当たり前のこと・・・それがどうしたの?と言わんばかりの顔で・・・

「ボクの場合はそんな感じには見えてないんですよ・・・多分コレがボクの秘密・・・になるとは思うんですが・・・」

 この子は何を言ってるのかしら?って顔しないで!残念な子じゃないから!むしろ残念な成長をしたのはミリアさんですから・・・脳筋斬り・・・ゲフンゲフン

「こんな感じですね?」

 そう言って自分の足元に最初の天啓という意味合いも込めて【S】と記し、そこから線をつなげ、○や▽を書いてはまた線で・・・時には枝分かれしたり、分かれていた線が合流したり・・・NIPPONで馴染みが深いといえば、【生命の樹】と家系図を組み合わせた感じだろうか・・・要するに・・・

「つまりは、【測量士】の流れはこんな感じに入り組んで多岐に渡り、時に合流してまた分かれていく・・・そんな中でココ見てもらえますか?」

 そう言ってその広大な流れの中の一部分を指差し

「この部分からこの部分ー○ー☆ー□ー◎となっているけど、ここは【水魔法】のJobなんですよ

「・・・?え?ええええ!!?」

 そりゃ絶叫するよね・・・

「つまりボクの流れの先に【水魔法】の流れもあり、当然【火焔魔法】もあります。そうですね・・・あったあった、ここはー●ー■ー★ー@となっていて、【拳闘士】ですね」

 何箇所かそうやって抜き出して説明していくとミリア脳筋さんでも理解できたのか

「・・・【測量士】というのは、全てのJobの元になっているということか?」

「いえいえ、全てではありません。勿論この【測量士】も大きな流れの中のほんの支流でしかありません。そうでなければ・・・ここでは言葉にするのも許されないようなJobになってしまいますよ?」

 【GOD

 その下にはきっと勇者とか賢者とかあるのかもしれないけど、自分の天啓の流れは見えるけど、他人の流れは一切見えない・・・それこそ今こうやって地面に書き記したり、書面に残さない限りはね?

「でも・・・そんなのは・・・」

 流れに逆らえない。逸れることはできない。それが世界のことわりだけど、実は【測量士】のスキルツリーは・・・戻ることができるのだ・・・一つ戻って隣の道に・・・そんなことができる・・・できるが、それはまた新たにそのスキルJobを習得するのに時間を要する・・・それも莫大な時間と努力をね・・・なので、もしかするとここまで多岐に分かれてなくても、二股・・・位は存在するかもしれない・・・それこそ・・・魔法適正の先が属性で分かれるように・・・

「モーリアの強さの秘密は・・・これか・・・」

 いえ、このスキルツリーよりもNIPPONからの転生の方が原因かと思います。ラノベ妄想読本や基本的な科学知識と情報媒体・・・そのお陰もあってこのスキルツリーの解析や魔法の習得・・・これはNIPPONの若者なら一度は・・・かな?

 『やってみたらできた』的な?

「そうですね。流れの先がわかっていれば、それに沿った努力や訓練もしやすいですよね?それが秘訣かな?」

 科学知識も肉体の構成とか内臓や血管といった・・・あの世界ではきほんてきに入ってくる知識だが、それらに魔法の力が加われば・・・ワックワクするよね?

「まぁ、そんなこんなで手に入れた力です」

「・・・その強大な力を持って・・・君は何をするつもりだ?」

 ぁ、ミリアさんがお仕事モードになった・・・きっと今日の手合わせ?や狩りでJobの本質を探って、人となりや性格を把握しようってことだったのかな?ミリアさんみたいな性格ならこっちも緩んじゃうしね~・・・見事にハマってしまったってことかな・・・別に良いけど

「そうですね・・・この力を使って・・・」

 自分の掌を見つめ・・・思わず力が・・・右手の疼きが・・・いやいや・・・

「別に?」

「( ゚д゚)ふぇ?」

「だから、特に何も考えてませんよ?」

「その力があれば国の支配とか・・・」

「そんな面倒なことしてなんになるんですか?」

「( ゚д゚)??でも・・・」

「襲われれば迎撃しますし、大切なものができれば守りますよ?でもそれ以上は特に求めてませんね?」

「ハーレム作ったり、別のギルドを作るとかは?」

「面倒なので!」

 スパッと切り捨てる。管理?維持?何それ美味しいの?

「ボクは自分の手の届く範囲のことで精一杯です。山の向こうで魔族が暴れてるから退治してこい?
 嫌ですよ?向こうからこっちに来たら考えるけど・・・実害がないなら・・・別に?お好きにどうぞ?」

「でも、力を持つものはそれ相応の・・・」

「ならミリアさんはそのJobがあるから国境警備に行けと。帝国がきな臭いから行け。マゾ公が騒がしいから行け。南の海から海賊が来るかもしれないから行け。北の山を警備しろ。と言われれば馬車馬のように働くんですね?」

「いやそれとこれとは・・・」

「貧しい人がいるなら領主は?王族は?施してくれますか?それこそ『お金があるなら助けるの当然』とはいきませんよね?」

「・・・」

「まぁ、極論ですけどね?でも、今のボクにはまだ守りたいもの・・・孤児院?の仲間くらいですかね?なので、スキルツリーが埋まっていけば、どこかでスローライフを送るのも・・・いいかもしれませんね・・・それでも『従え!』とか言われたら・・・全力で抗いますが?」

 極論・・・も交えたけど、そんなに難しいことは言ってないと思う。そりゃこの先でどう考え方が変わるかはまだわからないけど、今の時点ではこんなもんだよ?

「王都でお姫様と恋仲になって、国を守ってくれとか他国を滅ぼしてこいとか、その時々の心情で信条が変わることもあるかもしれませんが・・・街にいる間は普通に接してもらえると・・・助かりますね?」

「街で・・・何かするつもりなのか?」

「ん~?イボールさんの息子さんが【測量士】っていうのは知ってますか?」

「え?初耳∑(゚Д゚)」

「その事でギルドとOHANASHIが必要ですけど、カシューも可哀想だな・・・っと。ボクも【測量士】ですから、色々アドバイスして・・・イボールさん一家には幸せになってもらいたいじゃないですか・・・双子の兄なら・・・ボクと同い年のはずですしね?」

 ミリアさんは何か考え込んでるけど

「乗りかかった船と言います。ツノ兎や魔物の肉の流通と認知、イボールさんの息子さんの回復・・・それが今のボクにできるかもしれない・・・そんな願いです。なので・・・もう少し猶予をもらえますか?その2点がうまく行けば・・・もっと確実な答えをミリアさんにお見せすることができると思います。お願いします」

 ミリアさんは・・・どう答えてくれるかな・・・
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