亀裂に落ちた少年は・・・

 とある幸せな家族のいち風景・・・お父さんとお母さんが見守る中、小さな子供は庭を駆け回り、その周囲には多くの動物たちが優しく見守り・・・誰も彼もが何気なく意識を逸らした・・・そんな瞬間!本来ならそんな瞬間など生まれるはずもない彼等・・・そんな天文学的数値よりももっとも〜っと・・・むしろ、限り無くZEROと等しい確率で起こった【意識外の瞬間】に、その子供の足元に不可視の亀裂が生じ、結果的には落ちた。
 その瞬間その世界からその子供の存在が消え、気配も当然・・・となれば、当然の事ながら

「ちょ!?あの子どこいったの?」
「え?さっきまで・・・え?」
「ガウ!?」
「にゃ!?」
「カメー?」
「いやさっきまでそこを・・・誰も見てないの?」
「ちょっと!動揺して喋るの間違えちゃったじゃないの!」
「ソレはお前が普段からだらしないからだろ」
「なんですって!?」
「やんのかこのブ猫!」
「あぁ?駄犬の分際で!」
「やめんか小童ども!」

 騒がしい・・・これはどこかへ落ちた子供の物語であって・・・君たちの物語ではないのだから・・・

 彼はどこに落ちたのか・・・

 彼は何をするのか・・・

 彼は何者なのか・・・

 そんな彼の物語・・・

 どうかよろしくお願いします
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