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「とりあえず次の街を目指すか。レムはどこか行きたいところはあるか?」

「ん~特に今ないにゃ?の~んびりでも、カイザーと一緒ならな~んでもいいにゃ」

 こうやって人はダメになっていくのか・・・それでもいい

「んじゃ、特に予定もないことだし、いく・・・か・・・って・・・早速ですか?」

 街から出て10分くらいの頃、前方で鳥が飛び立ち、周囲の雰囲気がガラッと変わった。

「レムは周辺警戒。俺は・・・大丈夫か、接敵したから、戦闘状況に入る。
 レムは自分の背後だけは特に気を付けててね」

 前方の森から緑色の子供?くらいの大きさの集団が現れた。その顔は醜悪そのもので、同じ人型であることへの嫌悪感さえ覚えるほどだ。

「ひのふの・・・11匹か。武器はその辺で拾った木の枝と、こん棒と短剣っと・・・盾持ちはいないね」

 身に着けているのは最低限の布切れで、レムの視界に入れるのを躊躇うほどだ。武器も最低限だ。

「汚物は~ヒャッハーじゃないけど、ゴブリンは百害あって一利無し!接敵即斬が基本だし・・・射程に・・・入ったな!」

 俺は初の戦闘(能力を使っての)にドキドキしつつも、護るべきものが背後にあるのを改めて認識しながら、初手を講じた。
 まずは投擲系で牽制を・・・あれ?ナイフ投げたら貫通して背後のゴブリンに深々と刺さって2匹没。
 戻らないブーメランの投げる角度を意識しつつ投擲・・・左奥の一匹の首を落として1匹没。
 やっぱりブーメランって対象に当たると手元に戻らないよね~。
 そうこうするうちに近接戦闘の間合いになったので、腰から短剣Verを抜き、一番近いゴブリンを斬りつけると、相手の持ってたこん棒ごと左肩から右腰へ両断!1匹没(短剣で両断って、切れ味半端ないな)
 現在の短剣のナンバリングは6~10だ。戦闘開始から物の数秒で4匹殺されて、ちょっと間合いを取ったゴブリンだったが、残念それは悪手だ。ベルトに装着しておいた1~5のパーツをゴブリンに向かって投げると、念動力をつかってそれぞれをし、それぞれの喉を一撃で貫き、俺の背後へ回すと「カチャン・・・」
 
「残りは2匹か・・・」

 見たこともない攻撃で仲間が次々と倒れる中で、恐慌状態に陥った2匹のうち1匹はこちらに襲い掛かってきたので、先ほど背後で短剣にしたロングソードで縦真っ二つに切り崩し、逃げていく残りの1匹に対しては

「隠技の実験をしておくか」

 実験結果は良好だった。とりあえず討伐証明とかいるんだろうなぁ~と思ってみたが、どこがいるの?ってことで、異世界あるあるを思い出し、右耳を切って集めようとしたときに、レムが「手伝うにゃ!」ってことで奥の方のゴブリンに走り寄って手伝ってくれたが内心は(レムにそんなばっちぃものをあぁぁぁぁあぁ)でした。

 武器の様子もうれしいほどの性能で、使い勝手も良かったしなにより

「この切れ味はダメだろ・・・習熟しないとな・・・
 あとは魔物の処理か。念動力で一か所に集めるんだけど・・・」

 この念動力は、実は使えば使うほど、重いものを操れば操るほどに向上していく。実際今は軽い物(ゴブリン)なら数個(5匹)、重い物(1トン)なら1個、小さい物(刃)ならたくさん(~30個)くらいは同時に動かせるほどになっていたので、このゴブリンもその練習材料にさせてもらい、土魔法で作った1M四方の深さ10Mの穴に連続で放り込んだり、上にかぶせる土も、魔法で圧縮して重量級にしたのちにウェイトリフティングのように空中で何度も上下左右捻ったり回したり、急降下からの地面すれすれで止めるとか、超負荷トレーニングをして、疲れたころに穴に入れて土葬とする。焼く?いやいや鎮火するまで待つとか無いし、臭いとかね?

「レム疲れてないか?大丈夫そうなら、森の中を見ておこうと思うんだけど」

「疲れてないにゃ!森の中なら山菜とかありそうにゃ!」

 ウキウキで元気いっぱいだ。

「よっし、森を短剣だ!」「おー!」


 な~んて思ってた数分前がうらめしい・・・
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