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あれからさんじゅ〜にち

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 午前中はひたすら基礎体力向上訓練。もちろんその前後に生徒達から教わった準備運動と整理運動を欠かさない。
 昼食を挟んで午後からは個々の能力向上訓練だ。
 スキルに関しては具体的な発現が見られないのだが、魔法に関しては複数名に発現があった。
 そして、身を守る方法として、近接訓練も必須となり、最初は各々に武器を選ばせ、一番しっくりくるものになるまで修練を繰り返した。
 やはり男の子なのか、最初は皆大剣を選んでいたが、最終的にはほとんどの生徒が片手剣と盾か、片手剣のみに落ち着いた。
 近接戦闘とは言ってもやはり光栄色は必要であり、数名の弓士が見込まれたが、どうやらその子達が使ってた弓とこちらの弓に差異があり、最初は上手くいかなかった様だ。が、やはり通じるものがあるのか、数日後には馴染んだように扱っていた。順応力が高いのも異世界特典なのかもしれない。
 片手剣のみのグループ内に、やはり面白いものだな。二刀流を頑張る者が現れた。そして例外なく片手剣グループからははないのかという質問がよく上がる様になる。詳しく話を聞くと、なんとも奇妙な剣であった。
 片方にしか刃がなく、反対側で打ち付けても斬れずに叩くというのだ。そして驚いたのが、折れず、曲がらず、業物わざものという上位のものになれば鉄をも切り裂くというのだ。そんなのもはや魔剣の類であろう!と
 製法に関してはあまり一般には出回っておらず、特殊な石が必要と言ってたな・・・玉鋼?だったか、聞いたこともない功績だったが。そもそも片刃だと、取り回しが難しいだろうに!ということで何人かの二刀流組には片手剣の組み合わせだけでなく、ナイフなどの短剣系との組み合わせの重要性と扱い方を教えておいた。そもそも・・・


 そしていつも通りの訓練中に、不思議な気配を感じ、その場所に行ってみると・・・

「よっ、隊長さん」「・・・!」

 あの時の少年が立っていた。他の誰にも気付かれずに。みた感じは全体的に・・・

「随分地味な格好だな・・・」

「ォィォィ、冒険者が煌びやかな目立つ格好してゴブリン退治とか斥候職できるってぇのかい?そんな考えじゃ騎士団も長くは持たないんじゃないか?」

「ハハッ、冗談だよ、冗談。それよりどうしたんだ?」

「気まぐれだよ、きまぐれ。別に人恋しくなったとか、そんなんじゃないよ?それと、今はまだ他の人にはバラさないようにお願いしようと思ったんだけど・・・手遅れだった様だね」

 そういうと少年はさっきを膨れあがらせ、こちらを威圧してくる。

「ま、待て!話したのはクラス委員っていう嬢ちゃんだけだ!それ以外には一切言ってない!隊長権限にかけて誓う!」

「その様だね。威圧して悪かったね、たいtyー・・・名前聞いてなかったね」

「僕は東 翔アズマショウ。向こうの世界では全員にもれなく家名があるって伝えた通り、僕も“アズマ”が家名となるから、気安く“ショウ”とでも呼んでくれ」

「自分はアントニオだ。家名はない。百人隊長を任されているが、体のいい雑用隊長だ。
 直属の部下はこのまえショウと少し話してたチャラ男ギリムと、あそこで生徒を指導してる青髪アリーゼの女性だけだな。他にも有望なのが見つかれば鋭意採用だな」

 ショウは何をしに戻ったんだ?注意が必要か?いや、下手なことをして警戒心を強められたら何もかもが後手に回りそうだ

「アン隊長さん?なんか色々考えてる様だけど、顔に出てるぞ?心配しないでも用があるのは一箇所だけだし、その様ガスめばさっさと旅を再開するからさ」

「!!!!!その呼び方をどこで知った!!!!!」

「いやぁ、此処にきてすぐそこの廊下で背後取られちゃってね?驚いてそのまま数分戦闘しちゃったんだけど降参したんだよ。そしたら意気投合して食事奢ってもらったり世間話したりしてたんだよ。ここのメイドさんってみんなあんなに強いの?」

「・・・降参した相手ってどんなヤツだったんだ?」

「身長百四十五位の可愛らしい子だったよ?知り合い?」

「アン?」「その呼び方すんじゃねぇ」

「その人はな、侍女長で宰相様も“坊”扱いなんだ・・・これ以上は言わなくてもわかるな?」


「つまりロリBBAってことか」

「っば!、そんなこと言ったらまた背後たられて刺され・・・あれ?来ないな・・・」

「どうしたんだ?」

「あいつ年齢のこと気にしてるからそう言った自分の話題になると」

「なるとどうしたのかい?アン坊?」

「ヒィッ!」

 いつの間にか背後をとられていたアン隊長は、自分より五十センチ以上ちいさい少女?に引き摺られて修練場の中央でポンポン投げられていた・・・宙を

「さって、召喚の間は・・・っと、あっちか・・・っとその前に、勝手にするのもアレなんで、証言してくれる人を・・・彼女にするか」

 勝手にやってもいいんだけど、一応場を借りる形になるので、
事後報告の証言をしてくれる人物を一名連れて行くことにした。
 指向性の念話を・・・

「アリーぜさん?初めましてショウと言います。今あなたから向かって左手・・・盾の方向にある木陰まできてもらえませんか?一人で」

 突然のことでアリーゼさんはそのばで驚いたようにキョロキョロしてるんだが・・・クールビューティーなな人が焦る姿って逆に絵になるよな

「来たきた。初めましてショウと言います。四十人目といえばわかりやすいですかね?」

 アリーぜさんは目を見開いて絶句してるが、あまり時間もかけられないので早々に本題に入る

〈スキル精神安定〉テンションリラックマ。落ち着きましたか?」

「ありがとう。私はアントニオ隊長直属のアリーぜよ。主に女生徒を担当してるわ。それで、何か用があっっったんでしょ?」

「そうですね、簡潔に言うと今日深夜時間空いてますか?」

「//////な!なんてこというのこの子は!////」

 お姉さんは突然顔を赤くし狼狽え始めた・・・あぁ、多感なお年頃のようだ

「お姉さんが今想像してる様なっことは一切ありませんよ?僕はまだ未成年(元世界)ですし」

「Σ//////////!」

「今夜、そうですね・・・二時頃、召喚の儀を秘密裏に執り行いますので、その証人として参加してください。もちろんお一人で」

「Σ(゚д゚lll)今なんて・・・?」

「あまり長く此処にいると面倒ごとが発生しそうなので、よろしくお願いします。必ず一人で、誰にも内緒で来てくださいね?
 もし誰か連れてきたり、他に気配を察知したら、召喚の儀は執り行いますが、その後のことは保証し兼ねますので、どうぞよろしく。最悪一年間無休で無給になるかもしれませんので」

「Σ(゚д゚lll)なんで君がそれ知ってるの?」


「それでは間違いなくお願いしますね。僕も荒事は嫌いですが、仕方のない事故は・・・なんどかありましたし・・・」


「ちょ!?いまなんt・・・居ない」





「あ~~~もぉ~~~最近の私こんなんばっかじゃないのよ~~~」
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