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その頃・・・ぃぁ随分前か

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「うーんここは?」
「誰だ今う○ことか言ったやつは!」
「誰も言ってねぇよ!」
「気のせいだったのかな?」

「寝覚めなのに元気だなこの子達は、おい!目を覚ました子供から水や軽い食事を与えて向こうに並ばせてくれ!後目が覚めてないのは何人ぐらいだ?」

 部下に確認させると残り半分くらいらしいとの報告がきた

「しかし、図太いのかな?いや、あの少年が緊張緩和と睡眠を与えていったのだったな。だから家のように寝ていられる、ただ、石畳の上だからねぐるしくなっておきるといった感じかな?どう思う?」

 直属の部下である男に感想を求めると

「いやぁ、あの少年のスキルは見事でしたねー。コレだけの人数、しかも俺ら兵士には干渉しないようにエリア指定、いや、もうこれほぼ個別指定できるんじゃないですかね?魔法師団長様でもココまで精密にかけれるかわかんないですね?」

 だよなぁ?最後に言ってた言葉も気になるしな

「それで、目覚めてからの様子はどうなってる?」

「これも眠らせる前のスキル効果じゃないですか?わりかし落ち着いてますよ?それに小耳に挟んだ感じだと、向こうからこっちに来る間に?が中途干渉して、スキルとかもらったようで、そのワンクッションとあの少年のスキル効果で~ってところですかね?
 それで、あの少年は最初からいなかったことにするんですか?」

「そうだよなぁ、でも、ここでまた約束を破ると後々が怖いんだよな・・・」

「それでも隊長は守るつもりなんでしょ?あの少年のこと気に入ってたようですし」

「お前だって気に入ってるんだろ?」

「そうですね、なんだかんだ言ってあいつ顔出しに来そうな気がするんですよね。口ではああ言っても面倒見が良さそうというか・・・」

 あの少年は利用されるのが嫌だ!なんて言い方をしてたが、あれは目の前の少年少女達を利用して~な事になるのを避けた行動のようにも見える

「隊長?ただそうすると魔法師団長と宰相にも口裏を合わせる必要がありますが・・・言うこと聞きますかね?特に、直接の原因を作ったアイツとか・・・」

「そうなったら宰相命令でも国王命令でも使って黙らせるさ。宰相様も納得はしてくださるさ。
 ってことで、ちょっと話し合にいって来るから、お前は周囲の兵士の口裏を合わせておけよ」

「へぃへぃ、了解しました!」




「宰相様、ちょっとよろしいでしょうか?」

「ん?おぉ、先程は説明ありがとう。それでどうした?」

「はい、先程の少年との約束がありまして、宰相様にお話をしておいた方がよろしいかと思いまして」

「な!に!お主はあの少年と何か約束をしたのか?何をした!話せぬと申すなら国王様を交えて強制的にでも・・・」

「お待ちください!今ともうしまっした通り、内緒事にするつもりはまっさらありありません!寧ろ魔法師団長も交えて口裏をあわせていただきたいのですが、別室よろしいでしょうか?」

 そして興奮冷めやらぬ宰相様と魔法師団長の三名で近くの別室へ移動し、あの少年が去り際に残したセリフと約束の話をし、魔法師団長の発言禁止を国王様レベルで確約してもらい、今回の召喚の話は宰相様主導で進める方針で納得していただいた。そして召喚の間へ戻るとギリムが兵士との会話を終わらせてこちらへ戻るタイミングだった。

「ギリム!そっちは終わったか?」

「隊長の方はどうですか?」

「「完璧!」」

「さて、三十九人全員目が覚めてるかな?そろそろ話をまとめてゆっくり休んでもらいたいからな。余計な邪魔が入らなければイイんだが・・・」



 ザワザワ・・・ザワザワ・・・


「あーみなさん、少し静かにしていただいてもよろしいだろうか?」

 ひとまず最後の少年が目を覚まし、軽く食事と水分補給が終わったあたりで声をかけ、今後の説明に入った

「自分はこの場を担当している“アントニオ”というものだ。今後何かわからない事があれば気安く相談してくれるといい。そして自分の補佐を務めるのが」

「俺はギリムという。隊長共々気安く相談してくれ」

「それと流石に少女諸君は気安く相談しようがないと思うので、そこは女性隊員の・・」

「アリーゼよ。よろしくね」

「・・・彼女が担当する。最初は戸惑うかもしれないが、今後共よろしく願う」

「それでは詳しい説明をしようと思うので、皆着いてきてくれるかな?最後尾はギリム、任せるぞ?アリーゼは自由に頼む」

 そして移動を開始しようとすると一人の少女が

「すみません。召喚されたのはこれで全員なんですか?もう一人男の子がいませんでしたか?」

 そうくるよなぁ・・・

「ん?あぁ、これで全員だ。ギリム!部屋に誰か残ってるか?」

 最後尾のギリムに再確認させるが

「いえ、俺が最後に出たけど誰も残ってませんぜ!」

「ということだ。最後の少年が目を覚ました時点でカウントしてたが、全員で三十九人だった。召喚の魔力も完全に消えてるから、これ以上は誰も出てこないぞ?どうかしたのかいお嬢さん」

 ちょっといじわるかもしれんが、これはあの少年との最後の約束だ。これ以上捻れても困るわけだしな

「三十九人!?私達のクラスは四十人だったはず・・・朝も全員いたはずなのに・・・」

「良いんじゃね?どうせあの空気君だろ?空気だけに魔力と混ざって何処か漂ってんじゃねぇの?」

「違う!東君は・・・」

「あー、とりあえず今には三十九人しかいないからね。それと人を待たせてるのでその話は後でもイイかな?」

 宰相様だけでなく国王様も待ってるからな・・・それこそ不敬罪に・・・ん?アリーゼがフォローに回ってくれてるな

「よし、ココからは色々思うところはあるだろうが、ひとまず飲み込んでくれると助かる。その後でならどんな言葉も受けるから。そうしないと余計な時間をかける事になるからな。実際君達はこの国のものではないから従う義務はないのだが、そこは我慢してくれ」

 と、頭を下げる。

「「「「「隊長!」」」」」

「構わんよ。自分の頭ひとつ下げるだけで現状が少しでも収まるならな。」

 この行為のおかげで周囲の空気が変わり、部下も兵士も、少年少女等もほんの少しだが和らいだ

「中では自分の指示に従ってくれ。少年は左膝をつき、少女は両膝をつける形でしゃがんでくれるといい。そしてOKが出るまで床を見ててくれ。本来は必要ないんだが、そうしないと面倒な輩がいるのでな。頼む」

 そして謁見の間では宰相様他数名の貴族と魔法師団長や他の師団長も勢揃いしていた

「王は体調が優れぬ故、我らだけで話をする。その方らを召喚した理由は、魔王の手のものが暴れて、手がつけれないからじゃ。無論我が国の兵士や冒険者、近隣諸国の者も戦ってくれてはおるが、魔王の一味の力が凄くての、徐々に押されてきておるのだ。そこで古代の文献より異世界から勇者を召喚し、助けてもらおうという結論になったのじゃ。どうであろうか?手助けをしてもらえぬか?」

  都合のいい話である

「文献によると魔王を討伐した後、異界の勇者は帰って行ったとあるから、元の世界に戻れるであろう!勿論、我が国も近隣諸国も協力は惜しまぬ!この後は各自部屋を用意するのでそちらで数日休まれるといい。詳しい話はそこのアントニオに説明させる故、話は以上じゃ!」

 王の体調が優れないんなら、謁見の間使わなくてもよかったじゃねぇかよ!無駄な神経使うじゃねぇか!会議室でいいじゃねぇかよぉぉぉ!

「こんな成人間もなさそうな子供を謁見の間に集めて周りを師団長クラスで囲んでよぉ?完全にいじめじゃねぇか!そうは思いませんか?隊長!」

「アリーゼ?もう少し怒気を収めんか?少女達が引いてるぞ?」




「アラ、ワタクシトシタコトガ・・・」

「「「「「・・・」」」」」


「あー若干事故があったが、コレからのことを説明するぞー。まず三~四人組を作ってくれ。これは部屋割りだな、できれば男女別で頼む。それと数じてゃ落ち着くまで自由にしてもらって構わない。ただし、一応ここは王城なので行動制限は儲けさせてもらう。といっても部屋と中庭と屋内修練場と食堂位だがな。それと各部屋には次女がひとりつくから、寝泊まりの相談はそっちにしてくれ。その他の・・・この世界や今後の事等は主に修練場にいるから、そこで相談を受ける。
 と言うわけで少年達は部屋割りが決まったらギリムに、少女達はアリーゼに伝えてくれ。自分は次女長に連絡を入れてくる」












                
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