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悲しいお知らせ

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「あなたはどんなスキルを・・・わかりました」



 これさえあれば無敵だぜ!むかしからじーさんに嫌というほど聞かされたからな


「クマに出会ったら○○すれば楽勝じゃ!儂も10回以上これでたすかっておるでな!」


 じーさんは物知りだったからな。孫の俺にはいつも優しかったし、何でも買ってくれたし、色んな自慢話も混ざってはいたけど、そのほとんどがタメになる話だった!じーさんは俺にとって英雄だった!ば~さんとは仲が悪かったけどな


 この世界に飛ばされてから、色々あった。ろくでもない理由で喧嘩したり、奪い奪われ・・・俺たちは何のためにこんな世界に連れてこられたんだ?
 食事も街の外の魔物を狩って、処理して食べないといけない。なんでだ!

「おにーさん暇?暇なら食料調達隊に入らない?そうすればただもらう側の人達よりも多めに食糧もらえるし、特殊スキルで元の世界の食べ物や飲み物が手に入るんだけど、それを回してもらえるんだよ?コーラとかポテチとか」

 悪魔の囁きか?コーラ?ポテチ?そんなもの本当に食べれるのか?半信半疑だったが、せっかく声をかけてもらえたのだから、少しやってみるか・・・本当に暇だったしな。


【数日後】


「ポ・・ポテチだ・・・しかもBig!コーラも2Lで冷えてる!」

「なんかね?氷を出すスキルをもらったやつがいて、戦闘には役に立たなかったけど、ほらココ砂漠地帯でしょ?水も貴重だけど氷なんて夢のまた夢とおもってたら 選ばれし勇者がいたわけよ。彼女もこのおかげで主要メンバー入り出来て、喜んでるのよ」

 無限収納は時間停止機能もあるので、一度冷やして入れておけばいつでも冷たい!
 そこからの行動は早かった。戦闘スキルは確かに持ってないけど、じーさん家が山奥だったことから、夏休みとかには良く山で遊んでたから、身体能力は高めだ。おかげで調達隊のなかでもグングン伸びていき、部下を任せてもらえるようになり、今日は別動隊としての初狩りだ!

「よっしいくぞ!でかい獲物を持って帰るぞ!」

「「「おー!」」」

 意気揚々と出発したものの、今日に限って獲物が少なく

「隊長~、今日はまだホーンラビット3羽だけですよー?」

「おかしいな・・・いつもはもっと大物狩りが続いて、逆に今日みたいな日を望む声もあったほどなのに・・・」

 それもそのはず、普段の調達隊には、無意識に魔物を引き寄せる体質な隊員がいたからであって、狙っていかなければそうそう大物には出会えないものである。別の隊員が

「隊長!あちらの方角になにやら気配が!土煙や鳥も舞ってるようです。もしかしたら」

「何!それは手柄だぞ!よし行くぞお前ら!あいつを仕留めて凱旋だ!」

「「「ぉお~!」」」



「に、に、にげろぉぉぉぉ!ツインヘッドベアーだぁぁぁぁ」

 そこには身の丈3Mはあろう頭が二つあるクマが仁王立ちしていた。ツインヘッドベアー。見たまんまの名称だが、その食欲は旺盛で、頭が二つあれば脳も二つあり、行動管理はどうなってるんだ!ってツッコミが入るほどだが、脳が2つということは満腹中枢も・・・つまり、常に食べ過ぎ状態に陥り、その身体を益々増大化していくデススパイラルに陥っているのだ。良い意味なのか悪い結果なのかは、誰にもわからないが、この辺りでは最大級の脅威であることには間違がない。因みに通常の調達隊でも逃げるほどの脅威だ。

「お前ら逃げろ!」←それダメ

「俺がひきつけてる間に逃げろ!」←それもダメ

 クマに背を向けて奪取している隊員たちに向かって大声で

「クマの対処法なら元の世界で嫌というほど添わったからな!」←ダメだって・・・

「ここでまさかこのスキルが役に立つとはな・・・『死んだふり』!」←え?まじ?



 注)諸説ありますが、基本”死んだふり”はクマに対して有効ではありません。
   
   大声をあげてはいけません。
    刺激されて驚き、襲い掛かってきます。
   背中を向けて逃げると追いかけてきます。
    対峙したまま相手の目を見てゆっくりと後退りしましょう。
   死んだふりはやめましょう。
    逆に興味をもって触れてきます。
    その恐怖は目を閉じていても感じてしまうので、結局動いてしまいます。
   そもそもの大前提としてここは”異世界”です。

「なんで?なんで寄ってくるんだよ!じーさんはこれで何度も助かったって!」

 (じーさんの法螺話である。孫に良い顔したくて出ていた話で、ば~さんはそれを知ってたので、夫婦仲は悪かったのである)

「でも解除すれば食われる・・・イテェ!コイツ噛みやがった!
 なんでだよ!なんでだよ!」


 しかし彼の功績は大きかった。身を挺して喰われる事で部下たちの逃げる時間を稼ぎ、討伐隊を編成し、今後につながる被害を彼一人で食い止めたのである。二階級特進であるが、その褒章を受け取る家族はいなかった。彼女も・・・




 




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