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第三話

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『このパソコンはあなた専用です。あなたは規定数を転生させ、自身も転生させる権利を得ました。能力値はご自由にしてください。今までご苦労様でした』

 何度見直してもパソコン画面にはそう

「・・・ご褒美?というか、もしかしたらボクも本来はあちら側に並ぶべき対象だったんじゃ?それをこちら側に・・・上の方が面倒だからってこんなシステムにしたんじゃ・・・つまり・・・ボクがコレで実行した後に向こうの列から誰かが・・・いやいや、既にシステムは出来上がってるからコレから先もこのままで十分なはず・・・なら・・・」

 考える時間は無限にあるからね

「最初の勇者・・・どれくらい昔か思い出せないほど・・・転生させた人数とかわかれ・・・ば?」

 フッとしばらく見ていなかった隣のパソコン画面・・・色々とシステムアップも果たしていたのか・・・画面は結構変わっていて・・・右上にカウンターが・・・000000678/100000000

「一億人単位か・・・」

 思わず感慨深く・・・なりつつも、コレからは自分の番だ!ということで気を取り直して画面に向き合い・・・あーだこーだ・・・と・・・そして何の気なしに見た隣の画面には

「ん?000000045/100000000?」

 最大数は変わってないのに減ってる?
 そこで自分の画面を見てみると・・・

『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
『規定数に達しました』
     ・
     ・
     ・
『規定数に達しました』
『これ以上は無理です。そちらの端末を組み込みましたので、ご自由に旅立ってください』

 ・・・ん?
 どうやらキャラメイクに真剣になりすぎて上の方が呆れたようだ・・・というか・・・パソコンを組み込まれてもなぁ・・・

「・・・能力値の設定・・・『フンッ』!・・・スーパーな感じに・・・転生先設定・・・はっと、頭の中で念じれば・・・これはどこの世界にも行けるのか?」

 【転生先】が【転移先】になっていたが、転移はできなかった・・・

「補足説明?・・なになに・・・思い描いた場所に転移できるが、最初はどこかに転生しなければ先へは進めない・・・そっか、今のボクは魂だけの存在ってことで、転生して肉体を得ないことには・・・って事か」

 なら・・・最初は日本の・・・田舎でもなく都会でもなく・・・適当な・・・あれ?日本ってだけでなく県まで指定できるの???精度高過ぎ?

「能力値は・・・念じるだけで自由に設定可能っと・・・スキルもその場で・・・魔法は・・・」


・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
『いい加減旅立ってください』

・・・ん?

 そうしてボクは日本のとあるカップルの元に・・・転生を果たした・・・

 ってこれ、捨てられてんじゃねぇかよ!
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