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戻ってきました

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 光と共に・・・



 気が付けばそこは懐かしい教室



 姿は・・・うん、15歳の姿だね



 さて、検証結果は・・・あるね




 女神様も目の前にいるし、アイツも居たよ

「お前!やっぱり女神様から願い叶えてもらえなかったんだな?」

 なに言ってるんだコイツ

「いや、キチンと叶えてもらって30年過ごしてきたよ?」

「は?なに言ってるんだ?30年過ごしたって、見た目変わってないし、消えてから数秒しか経ってないぞ?馬鹿馬鹿しい」

 まぁ、女神様は時間軸操作が得意のようだし、言わせておけばいいかな?
 と、ここで僕は検証しようとして怖くてしなかった検証をコイツで試してみようと思い、なるべく自然を装い。

「女神様、色々検証した結果こんな物を持ち込むことができました。これは一番美味しかったので、どうぞ!」

 と、女神様に執行猶予中に手に入れたフルーツケーキを差し出し、その弾みでとあるベルトをアイツの前に落としてみた

「ふむ、これは美味しそうだな。あとで食べるとして、お前には追加でプレゼントを用意したから、向こうで受け取るといい」

 なにやら追加が発生したようだけど、そのまま女神様にお礼を言って

「それでは行ってきます。野中君お先に」

 と残して僕は30年遅れで異世界に召喚された。
 てか、これ本当に同じ時間軸に召喚されるよね?






 そして教室にはケーキを見つめる女神様と、コッソリと落ちてるベルトを手中に収め

「アイツこんなの持ってたとなると本当に30年・・・いやいや、そんな訳は・・:でも・・・まてよ?ホンモノ・・・そうか!このスキルを使えばこのベルトで・・・」

「アイツも馬鹿だよな、折角のアイテムだから、俺様が有効活用してやるよ!」

「そろそろ1時間経つがもう良いか?」

「ハイ!準備OKです!」

「それでは転移させよう。向こうには皆と同じタイミングで召喚されるから、安心しなさい」

「では」

 教室には一人の生徒も居なくなった。
 しかし女神はその場を動かず、後ろを向くと

「待たせたの、さて説明と気持ちを聞こうかの」

 そこには斎藤香織・・・東翔の30年後の時間軸での姿で立っていた

 この時間軸ではなのに












「という訳なんだが、お前はあの男を好きなのか?」

「えええ?!!?いきなりですね?でも、ハイ、好きです!」

「だが、この時間軸にお前を沿わせると存在してない事になるので、実際には2度と会えないぞ?だが、この案を受け入れるなら可能となるが、どうする?」

 あの男の検証を密かに見ていた女神様は検証過程と結果に非常に興味をもち、これまでに無い感情や遊び心をもってしまったのだ。

「どんな案なのか分かりませんが、私は先輩と添い遂げたいです!今の状況だとそれが叶わないのであれば、是非!お願いします!」

 そう、この数分間にとてもじゃないけど理解不能な事が起こってるけど、それでも!今目の前の女神様に、賭けるしかない!

「ならば問おう!お前の記憶にある両親姉妹友人一切を捨てる事ができるか!?」

「!?!?!?それはいったい!?」

「この時間軸でのお前は生まれる前の存在。だが、お前自身の時間軸を改編し、あの男と同じ15歳とすれば今回の召喚に紛れさせる事も可能だ。その際の因果律でお前の産まれが軸を狂わす為故」

「どうする?数分なら考える時「構いません!」間も・・・」

「あの時間軸だと先輩はどうしても年齢差から踏み込んできて来れませんでした。でも、女神様の言葉通りならになれるんですよね?それなら!」

「分かった。ならばその様に。だが、理を外れたお前にはスキルを与えることが出来ないのだが・・・そこはあの男が面白いことを見せてくれるかも知れんな」

「向こうでの説明はお前に任せる」

「そんな!     でも         ありがとうございました!」

「では良き旅を」






 そして教室には女神だけが残り


「ホールで置いてナイフも取り皿もフォークも無いではないか!」



 執行猶予中に一番変化したのは女神様かもしれない。

「さて、向こうではどんな面白いものを見せてくれるかな」
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