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第3章 銀髪の兄弟と国を揺るがす大戦
『101、イルマス教の内乱(一)』
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衝撃の事実が発覚してから数日後、俺たちはイルマス教国に入った。
しかし、戦争中だからか街には活気がなく、あちらこちらで火柱が上がっている状態だ。
「酷いな。早く決着をつけたいところだ」
「そうね。お姉ちゃんも奮闘しているだろうし、私たちも助けてあげなきゃ」
ボーランとフローリーが顔を歪めると、2人の意図を汲み取ったカルスが速度を上げる。
この調子なら、30分後くらいにはイルマス教国の本拠地に入れるだろう。
「このくらいの速さが限界です。大丈夫ですか?」
「デーガンとかいう奴の軍がどこまで迫ってきているかによるな。しばらくそのままで頼む」
エーリル将軍も戦争の気配を感じているのか、声が強張っていた。
暗い街は、それだけで俺たちの心を削るのに十分な効果があったともいえる。
ふと、道の先で兵士たちが戦っているのが見えた。
彼らのそばには獣人の子供が怯えているのが見えたが、双方とも助けようとしない。
随分と酷いな。子供を放ってまで兵士同士が喧嘩しているのか。
その時、喧嘩をじっと来ていたフローリーが何かに気づいたらしく、大きな声を上げた。
「カルスさん、止めてください!」
「どうしたんですか?見たところ兵士同士の喧嘩に見えるのですが」
カルスが、フローリーの視線の先を見て呟く。
そこには、白銀の鎧を着て戦っている兵士と、金色の鎧を着ている兵士がいた。
「彼らの後ろに獣人の子供がいます。彼を奴隷にしようとしているのが金色の鎧の方ね」
「どうしてそんなことが分かるの?僕が見ても喧嘩にしか見えないけど」
ボーランが不思議そうに尋ねる。
確かに見た限りでは、兵士たちの喧嘩と言われた方がしっくりくるのは事実だ。
フローリーはどこに着目したのだろうか。
「白銀の鎧の方は獣人の足を攻撃しようとしています。あれは商品価値を落とすため」
「それで金色の鎧は妨害していると?」
フェブアーが顔を引き攣らせながら聞くと、フローリーは頷いた。
耳につけられた青色のピアスが揺れる。
「全く・・・この国はどこまで腐っているんだか。まさかの上司と部下で仲間割れってか?」
「確かにね。金色の兵士は団長クラスだし」
ボーランの言葉に頷くと、攻撃を防ぐことに業を燃やした金の鎧が叫ぶ。
「いい加減にしろ!第7騎士団長の俺に逆らっってタダで済むと思っているのか!」
「だからあなたではなく、言われた通りに逃げ遅れた人を攻撃しているでしょう」
白銀の鎧が負けじとメンチを切り合い、見えない火花が散る。
「これは完全にクロですね」
「傷物の奴隷は高く売れないというのは定説ですしね」
エーリル騎士団長に元奴隷のナッチさんが頷くと、腰に刺さっていた杖を取り出す。
幻影の彼女は杖を使っていなかったが、本物は杖を使うんだな。
「この場合は金の鎧だけを殺せばいいんですよね。古代魔法、サンダージャベリン」
「グアッ・・・誰だ!?」
頭上からの攻撃に一瞬は戸惑ったものの、すぐに反応して被害を最小限に抑えた。
あの人、なかなかの手練れだな。
今の不意打ちが当たらないとなると、警戒している状態で当てるのは難しい。
「三ノ型、流波剣!」
「その剣筋はグラッザド王国だなっ!ならば我が国伝統の剣術でお相手いたそう」
「剣筋だけで国を読み取るだと!?」
ボーランも剣の型から国を分析されるとは思っていなかったのか、大きく動揺している。
動揺して冷静な判断力を失うのはマズいのだが。
「イルマス龍剣術、七龍ノ型、ビックフレイム・ドラゴンソード!」
「七ノ水遁、大波の演舞・水晶の型」
金の鎧の兵士とボーランが、使えるであろう最大の技をぶつけ合う。
最初は属性的な相性で有利だったボーランの技が押していたが、中盤で形成が逆転。
それでも鍔迫り合いのまま耐えたが、ついに力尽きて技がボーランに直撃した
「グ八ッ・・・何だあの技。こっちで言えば十ノ型くらいにはなるんじゃないか?」
「そんなに強いの?せめてあの獣人だけでも助けられないかしら」
ボーランの言葉で倒すのは断念したのだろう。
フローリーが今なお怯えている獣人の少年を見ながら、悲しげな表情を送った。
「それなら私の幻影魔法でどうにかしましょうか。古代魔法、幻影」
「馬車の中で詠唱したのは良い判断だわ。詠唱がバレたら、それこそ終わりよ」
あくまで冷静なツバーナが魔導具を構える。
杖のような形の魔導具は、魔力を送り続けて魔法の効果を高める効果があるんだとか。
獣人を幻影のナッチさんが救出して闇に消える。
このまま街を右往左往した後で馬車に運べば解決だと思ったが、そう上手くはいかない。
金色の鎧だけでなく白銀の鎧までもが幻影のナッチさんを追いかけ始めたのだ。
「ちょっと・・・このまま2人の攻撃を捌き続けるのは無理よ」
「分かっている。要するに位置がバレなきゃいいんだよね。古代魔法、魔力隠蔽」
俺が杖を振ると、幻影のナッチさんと獣人の少年の姿が消え去った。
鎧たちは呆気に取られた表情をしている。
「カルス、今すぐに馬車を発進させて!ネタがバレないうちに!」
「分かりました。皆さん、早く乗って下さい!」
カルスの号令で全員が馬車に乗ったのを確認すると、猛スピードで馬車は進んでいく。
後ろからは鎧の魔法が飛んできた。
「ツバーナ。馬車の守りは大丈夫なんだよね」
「ええ。エルフの里を守っている結界の縮小版を持って来たから心配ないわ」
ツバーナが自信満々に胸を張ったのと同時に、ガラスを割るような音が街に響き渡る。
結界が壊れたようだ。
「何で?グラッザド王国の騎士団長の全力でも壊れなかった結界よ!?」
「どうやらこの国の騎士は随分と強者揃いのようだな」
エーリル将軍が呟き、馬車の後方にいる敵の位置を確認してから剣を構えた。
横ではボーランも同様に控える。
「水遁の五型、水圧砲!悪いけどここで馬車を壊されるわけにはいかないんだよね」
「イルマス龍剣術、三龍ノ型、ウォーター・バード」
圧倒的な速さで追ってくる白銀の鎧が、ボーランの水魔法を相殺して馬車に切りかかる。
その剣をエーリル将軍が受け止めた。
「このままマイセスさんの本拠地まで移動しましょう。よろしいですか?」
「ああ。行ってくれ」
カルスの問いにフェブアーが頷くと、馬車は再びトップスピードで走り出した。
突然速くなった馬車に相手は対応できず、徐々に差が開いていく。
「幻影が追い付いていませんね。大丈夫かしら」
「急いで追いかけているのだけど、やっぱり人の脚力じゃ限界があるわ」
ナッチさんが転がりながら言う。
その目は虚空を睨んでおり、彼女が頑張って幻影を操作していることが伺えた。
「もうすぐマイセス様の本拠地です!降りる準備を」
「「待ってください!何やら怪しい騎士団が教会本部の前を取り囲んでいます!」」
フェブアーとカルスがほぼ同時に叫ぶ。
見てみると、全身を真っ黒な鎧で包んだ騎士団が控えていた。
うん。確かにあれは怪しいわ。
「何なのだアイツらは。戦中だというのに、全員が下を向いているではないか」
「裏口とかにしましょうか?今なら迂回でき・・・っ!?」
カルスの言葉が不自然に途切れた。
視線を上げると、いつの間にか馬車の周りを黒装束の騎士団に包囲されてしまっている。
「何、この人たち。気持ち悪い・・・」
「おい、何の真似だ?私はグラッザド王国の将軍、エーリル=マーナスだ。事情を話せ」
小さく呟いたツバーナを守るようにエーリル将軍が立ち上がる。
しかし騎士たちは無言で剣を構えると、魔法と併用するかのように詠唱を始めた。
「マズイ。このままでは大技が来るぞ!」
「早く避難しましょう。黒龍騎士を1人でも倒せば、必ず突破口が開かれるはずです」
焦るフェブアーを諫めるかのように、カルスが冷静な口調で馬車から降り立つ。
その佇まいは、まるで歴戦の勇士のようだ。
「さあ、黒龍騎士の皆さん?覚悟してくださいね?カルス=ファースが相手いたしましょう」
「ファース家って・・・剣術七大家!?」
黒龍騎士たちは虚をつかれたように戦意を喪失し、カルスの手で意識を刈り取られていく。
数分後、意識を保っている黒龍騎士はいなかったという。
しかし、戦争中だからか街には活気がなく、あちらこちらで火柱が上がっている状態だ。
「酷いな。早く決着をつけたいところだ」
「そうね。お姉ちゃんも奮闘しているだろうし、私たちも助けてあげなきゃ」
ボーランとフローリーが顔を歪めると、2人の意図を汲み取ったカルスが速度を上げる。
この調子なら、30分後くらいにはイルマス教国の本拠地に入れるだろう。
「このくらいの速さが限界です。大丈夫ですか?」
「デーガンとかいう奴の軍がどこまで迫ってきているかによるな。しばらくそのままで頼む」
エーリル将軍も戦争の気配を感じているのか、声が強張っていた。
暗い街は、それだけで俺たちの心を削るのに十分な効果があったともいえる。
ふと、道の先で兵士たちが戦っているのが見えた。
彼らのそばには獣人の子供が怯えているのが見えたが、双方とも助けようとしない。
随分と酷いな。子供を放ってまで兵士同士が喧嘩しているのか。
その時、喧嘩をじっと来ていたフローリーが何かに気づいたらしく、大きな声を上げた。
「カルスさん、止めてください!」
「どうしたんですか?見たところ兵士同士の喧嘩に見えるのですが」
カルスが、フローリーの視線の先を見て呟く。
そこには、白銀の鎧を着て戦っている兵士と、金色の鎧を着ている兵士がいた。
「彼らの後ろに獣人の子供がいます。彼を奴隷にしようとしているのが金色の鎧の方ね」
「どうしてそんなことが分かるの?僕が見ても喧嘩にしか見えないけど」
ボーランが不思議そうに尋ねる。
確かに見た限りでは、兵士たちの喧嘩と言われた方がしっくりくるのは事実だ。
フローリーはどこに着目したのだろうか。
「白銀の鎧の方は獣人の足を攻撃しようとしています。あれは商品価値を落とすため」
「それで金色の鎧は妨害していると?」
フェブアーが顔を引き攣らせながら聞くと、フローリーは頷いた。
耳につけられた青色のピアスが揺れる。
「全く・・・この国はどこまで腐っているんだか。まさかの上司と部下で仲間割れってか?」
「確かにね。金色の兵士は団長クラスだし」
ボーランの言葉に頷くと、攻撃を防ぐことに業を燃やした金の鎧が叫ぶ。
「いい加減にしろ!第7騎士団長の俺に逆らっってタダで済むと思っているのか!」
「だからあなたではなく、言われた通りに逃げ遅れた人を攻撃しているでしょう」
白銀の鎧が負けじとメンチを切り合い、見えない火花が散る。
「これは完全にクロですね」
「傷物の奴隷は高く売れないというのは定説ですしね」
エーリル騎士団長に元奴隷のナッチさんが頷くと、腰に刺さっていた杖を取り出す。
幻影の彼女は杖を使っていなかったが、本物は杖を使うんだな。
「この場合は金の鎧だけを殺せばいいんですよね。古代魔法、サンダージャベリン」
「グアッ・・・誰だ!?」
頭上からの攻撃に一瞬は戸惑ったものの、すぐに反応して被害を最小限に抑えた。
あの人、なかなかの手練れだな。
今の不意打ちが当たらないとなると、警戒している状態で当てるのは難しい。
「三ノ型、流波剣!」
「その剣筋はグラッザド王国だなっ!ならば我が国伝統の剣術でお相手いたそう」
「剣筋だけで国を読み取るだと!?」
ボーランも剣の型から国を分析されるとは思っていなかったのか、大きく動揺している。
動揺して冷静な判断力を失うのはマズいのだが。
「イルマス龍剣術、七龍ノ型、ビックフレイム・ドラゴンソード!」
「七ノ水遁、大波の演舞・水晶の型」
金の鎧の兵士とボーランが、使えるであろう最大の技をぶつけ合う。
最初は属性的な相性で有利だったボーランの技が押していたが、中盤で形成が逆転。
それでも鍔迫り合いのまま耐えたが、ついに力尽きて技がボーランに直撃した
「グ八ッ・・・何だあの技。こっちで言えば十ノ型くらいにはなるんじゃないか?」
「そんなに強いの?せめてあの獣人だけでも助けられないかしら」
ボーランの言葉で倒すのは断念したのだろう。
フローリーが今なお怯えている獣人の少年を見ながら、悲しげな表情を送った。
「それなら私の幻影魔法でどうにかしましょうか。古代魔法、幻影」
「馬車の中で詠唱したのは良い判断だわ。詠唱がバレたら、それこそ終わりよ」
あくまで冷静なツバーナが魔導具を構える。
杖のような形の魔導具は、魔力を送り続けて魔法の効果を高める効果があるんだとか。
獣人を幻影のナッチさんが救出して闇に消える。
このまま街を右往左往した後で馬車に運べば解決だと思ったが、そう上手くはいかない。
金色の鎧だけでなく白銀の鎧までもが幻影のナッチさんを追いかけ始めたのだ。
「ちょっと・・・このまま2人の攻撃を捌き続けるのは無理よ」
「分かっている。要するに位置がバレなきゃいいんだよね。古代魔法、魔力隠蔽」
俺が杖を振ると、幻影のナッチさんと獣人の少年の姿が消え去った。
鎧たちは呆気に取られた表情をしている。
「カルス、今すぐに馬車を発進させて!ネタがバレないうちに!」
「分かりました。皆さん、早く乗って下さい!」
カルスの号令で全員が馬車に乗ったのを確認すると、猛スピードで馬車は進んでいく。
後ろからは鎧の魔法が飛んできた。
「ツバーナ。馬車の守りは大丈夫なんだよね」
「ええ。エルフの里を守っている結界の縮小版を持って来たから心配ないわ」
ツバーナが自信満々に胸を張ったのと同時に、ガラスを割るような音が街に響き渡る。
結界が壊れたようだ。
「何で?グラッザド王国の騎士団長の全力でも壊れなかった結界よ!?」
「どうやらこの国の騎士は随分と強者揃いのようだな」
エーリル将軍が呟き、馬車の後方にいる敵の位置を確認してから剣を構えた。
横ではボーランも同様に控える。
「水遁の五型、水圧砲!悪いけどここで馬車を壊されるわけにはいかないんだよね」
「イルマス龍剣術、三龍ノ型、ウォーター・バード」
圧倒的な速さで追ってくる白銀の鎧が、ボーランの水魔法を相殺して馬車に切りかかる。
その剣をエーリル将軍が受け止めた。
「このままマイセスさんの本拠地まで移動しましょう。よろしいですか?」
「ああ。行ってくれ」
カルスの問いにフェブアーが頷くと、馬車は再びトップスピードで走り出した。
突然速くなった馬車に相手は対応できず、徐々に差が開いていく。
「幻影が追い付いていませんね。大丈夫かしら」
「急いで追いかけているのだけど、やっぱり人の脚力じゃ限界があるわ」
ナッチさんが転がりながら言う。
その目は虚空を睨んでおり、彼女が頑張って幻影を操作していることが伺えた。
「もうすぐマイセス様の本拠地です!降りる準備を」
「「待ってください!何やら怪しい騎士団が教会本部の前を取り囲んでいます!」」
フェブアーとカルスがほぼ同時に叫ぶ。
見てみると、全身を真っ黒な鎧で包んだ騎士団が控えていた。
うん。確かにあれは怪しいわ。
「何なのだアイツらは。戦中だというのに、全員が下を向いているではないか」
「裏口とかにしましょうか?今なら迂回でき・・・っ!?」
カルスの言葉が不自然に途切れた。
視線を上げると、いつの間にか馬車の周りを黒装束の騎士団に包囲されてしまっている。
「何、この人たち。気持ち悪い・・・」
「おい、何の真似だ?私はグラッザド王国の将軍、エーリル=マーナスだ。事情を話せ」
小さく呟いたツバーナを守るようにエーリル将軍が立ち上がる。
しかし騎士たちは無言で剣を構えると、魔法と併用するかのように詠唱を始めた。
「マズイ。このままでは大技が来るぞ!」
「早く避難しましょう。黒龍騎士を1人でも倒せば、必ず突破口が開かれるはずです」
焦るフェブアーを諫めるかのように、カルスが冷静な口調で馬車から降り立つ。
その佇まいは、まるで歴戦の勇士のようだ。
「さあ、黒龍騎士の皆さん?覚悟してくださいね?カルス=ファースが相手いたしましょう」
「ファース家って・・・剣術七大家!?」
黒龍騎士たちは虚をつかれたように戦意を喪失し、カルスの手で意識を刈り取られていく。
数分後、意識を保っている黒龍騎士はいなかったという。
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