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第2章 魔法と領地巡りの儀式
『64、敗戦した者の末路』
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圧倒的な剣術でリアムを倒したボーランは証拠資料を勢いよく取り去る。
音が鳴ったらマズいのではと慌てたが、幸いにも魔導具が淡く光っただけだったようだ。
「見たところ子爵クラスの人間とのやり取りですね。弱い証拠です」
「これは罠のようだったからね。強い証拠をむざむざと置いておくとは思えない」
リスクが高すぎるため、慎重なリアムは絶対に行わないだろう。
「でも最大の障壁は倒した。これで証拠資料をかき集めることが出来る」
地図を見た俺はそう言って不敵に笑った。
今までリアムの管轄だから手が出せなかっただけで、本人が捕縛されては意味が無い。
戦いでフェブアーは消耗しているし、カルスにお願いしようかな・・・。
「ねえ、証拠資料なら私が取ってこようか?」
「マイセスが?もしかして攫われたときに罠とか見たりしたの?」
この館に連れてこられたのかは分からないが、ここから砦までは1刻もあれば着く。
無論、砦というのはナスタチ郡の砦だ。
「ええ。あの男がバカでね。巫女姫ということを知らなかったのか闇魔法を掛けたのよ」
「聖属性はお姉ちゃんの得意分野だもんね」
誇らしげにフローリーがマイセスの肩を叩いて微笑む。
すると今まで休んでいたフェブアーが起き上がり、地図をマイセスの方に向けた。
「マイセス殿、すみませんがよろしくお願いします」
「殿なんていらないわ。もう仲間なのだから気軽にマイセスと呼んで頂戴」
地図を見ながらも優しい言葉で諭す。
実は根っからの騎士であるフェブアーにはこういう説得のような方法が一番よく効くのだ。
作戦通り、フェブアーは小さくだが頷いていた。
「分かりました。そういうことでしたらマイセスと呼ばせていただきます」
「嬉しいわ。それじゃあサクッと取って来るわね」
それから20分で重要な証拠をほぼ全て集めてきたマイセスはその足で俺の部屋に来た。
机の上に置かれる7枚の資料に目を通すと、この領地の悲惨さが分かる。
この地は山脈が多く、ただでさえ農業には向いていない。
ところがダリマ郡の領主、メイザが自分に税を納めろとしつこく迫っていた。
その時、メイザに抵抗し続けていたのはジューンとノーベンだけ。
ジューンは10歳だからよく分からないんじゃない?とか反抗期じゃない?で済んだ。
しかしノーベンはそうもいかない。
大人なので話も分かっているはずだし、反抗期など随分と前に過ぎている。
膝を屈するしか無かったのは言うまでもないだろう。
この時、晴れて5領主を従えたメイザは見せしめのために税を他領の2倍課した。
帳簿を見る限りは払えない額では無いが、予算の4割を占める。
困ったノーベンは自分が殺される覚悟で住民たちの税を増税して対処したのだ。
最初は嫌々だったのだろうが、ある人物によって闇に引きずり込まれた。
要するに余った税金で贅沢の限りを尽くしたのであろう。
贅沢を経験した者はその生活から抜け出すのは限りなく難しい。
ノーベンも例外では無かった。
いつしか贅沢に溺れるようになり、考え方も狂っていく。
主となった考えは領地を増やしてたくさんの税を貰って贅沢をしたいということ。
そんな折、機を見るに敏といったタイミングで隣の領地で内乱を起こした。
幸運なことに内乱を起こした首謀者はこちらの息のかかった人物。
助けてあげれば傀儡政権に出来るのでは?と考え、9千の兵を持って隣の郡に侵攻した。
結果は知っての通り、3大公爵家にやられて大敗したわけである。
以上がニーザス郡の歩みなのだが・・・。
ドク郡と似ているようで少し違う道のりを歩いてきているようだ。
領主の近くにいる人が黒幕というのはドク郡でもニーザス郡でも共通している。
前者は執事のスニアが、後者は護衛のリアムが悪の道を進んでいた。
圧倒的に違うのは、ニーザス郡は領主と護衛がグルで不正を行っているという点だ。
全員を断罪しなければいけないじゃないか・・・。
「マイセス、ありがとう。さっさと断罪会をやっちゃって終わらせちゃおうか」
「そうね。早く隣の郡に行かなきゃ」
断罪会を行おうと部屋を出ると、目を血走らせたノーベンが立っていた。
思わず身構えると、彼は膝から崩れ落ちていく。
「聞いて下さいよ!リアムを誰かが倒しちゃったんですよ!護衛がいないと不安で・・・」
「何を言っているんだ?護衛ならお前の後ろにいるじゃないか」
さっきからノーベンの後ろで呆れたような表情をしている。
いちいち付き合うのも面倒だから、早く断罪会の手続きをしちゃいたいんだけど・・・。
「リアムじゃないと不安なんだよ。誰かがいるんじゃないかと・・・」
「はい、明らかに闇魔法の支配ね。解呪」
目を鋭くしたマイセスが魔法を掛けると、ノーベンの体から黒い靄が立ち上る。
噴水のように湧き上がるそれは止まる気配を一向に見せない。
「どれだけ強い闇魔法を掛けたのよ・・・。私の魔力が尽きる方が先かしらね」
「僕も助けるよ。解呪」
2人がかりで3分ほど掛けると、ようやく靄が収まってきた。
俺も6割ほどの魔力を使ったから、マイセスは8割から9割くらいは失っているのでは?
そう考えるとマズいな。
彼女の得意属性だったはずの聖属性でも1人の力では解けない闇魔法。
リアムが家出した2年前から毎日欠かさず掛けないとこんな事態にならないはず。
つまり、リアムは家出してすぐここに来たことになる。
「マイセス、魔力の方は大丈夫か?」
「大丈夫よ。途中でマズいと思ったからあなたに任せていたわ」
額に浮かぶ汗を拭いながらマイセスが言うと同時にノーベンが目を覚ました。
虚ろな瞳をしている彼に、息を整えたマイセスが厳しい視線を向ける。
「ニーザス郡領主のノーベン、不正の容疑で捕縛させてもらうわ。リレン、さっさと捕縛!」
「おう、分かってる。拘束」
相手の自由を奪う拷問用の闇魔法だが、今はこれしか捕縛の手段が無い。
しばらくして、隣の部屋から兄を縛ったボーランが出て来た。
地下牢に2人を詰め込んだ俺たちはダイニングに集まって話し合いの場を設ける。
「これでニーザス郡の闇は取り払われた。いよいよ最終決戦の日も近い」
「ええ。明日には次の郡に旅立ちましょう」
フェブアーもこのままでは旅の日程がキツくなってしまうと分かっているのだろう。
そうなればこの国の闇が残ってしまうことになる。
何としても避けなければいけない事案の1つであり、俺が最も忌避する事態だ。
「リレン王子、非常事態です!隣のデナム郡で大規模な反乱が起きました」
ダイニングに駆け込んで来たのは新領主のトーズであった。
元伝令ということもあって慣れている感じがする。
「それで?まさかここまで来るわけじゃないよね?」
見た目は冷静に聞き返しながらも、本当は舌打ちをしたい気分であった。
何を目的にしているのかが分からない以上、下手に鎮圧の命令も出しにくい。
平民たちが暴れているのであれば厄介かな。
最悪の場合だと、王子も敵視されている可能性があるからだ。
反乱軍が包囲するのは領主館以外に考えられないのだが、そうなると俺たちは宿を失う。
街の宿屋も王子を泊めてくれるとも思えないし。
「その点に関しては問題ないのですが・・・鎮圧のための援軍を送りますか?」
「1つだけ確認させてくれ。デナム郡で反乱を起こしているのは誰だ?」
俺が聞きたかったことをフェブアーが先んじて聞いてくれた。
「首謀者は分かりませんが平民が5千ほど一斉蜂起したようです」
「それなら援軍は出さなくて大丈夫。僕の次の目的地だし、一声かければ収まるでしょ」
俺は余裕の表情でお茶を一口飲んだ。
もちろん、内心ではいくつもの対応策を考えていたが。
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「これは罠のようだったからね。強い証拠をむざむざと置いておくとは思えない」
リスクが高すぎるため、慎重なリアムは絶対に行わないだろう。
「でも最大の障壁は倒した。これで証拠資料をかき集めることが出来る」
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戦いでフェブアーは消耗しているし、カルスにお願いしようかな・・・。
「ねえ、証拠資料なら私が取ってこようか?」
「マイセスが?もしかして攫われたときに罠とか見たりしたの?」
この館に連れてこられたのかは分からないが、ここから砦までは1刻もあれば着く。
無論、砦というのはナスタチ郡の砦だ。
「ええ。あの男がバカでね。巫女姫ということを知らなかったのか闇魔法を掛けたのよ」
「聖属性はお姉ちゃんの得意分野だもんね」
誇らしげにフローリーがマイセスの肩を叩いて微笑む。
すると今まで休んでいたフェブアーが起き上がり、地図をマイセスの方に向けた。
「マイセス殿、すみませんがよろしくお願いします」
「殿なんていらないわ。もう仲間なのだから気軽にマイセスと呼んで頂戴」
地図を見ながらも優しい言葉で諭す。
実は根っからの騎士であるフェブアーにはこういう説得のような方法が一番よく効くのだ。
作戦通り、フェブアーは小さくだが頷いていた。
「分かりました。そういうことでしたらマイセスと呼ばせていただきます」
「嬉しいわ。それじゃあサクッと取って来るわね」
それから20分で重要な証拠をほぼ全て集めてきたマイセスはその足で俺の部屋に来た。
机の上に置かれる7枚の資料に目を通すと、この領地の悲惨さが分かる。
この地は山脈が多く、ただでさえ農業には向いていない。
ところがダリマ郡の領主、メイザが自分に税を納めろとしつこく迫っていた。
その時、メイザに抵抗し続けていたのはジューンとノーベンだけ。
ジューンは10歳だからよく分からないんじゃない?とか反抗期じゃない?で済んだ。
しかしノーベンはそうもいかない。
大人なので話も分かっているはずだし、反抗期など随分と前に過ぎている。
膝を屈するしか無かったのは言うまでもないだろう。
この時、晴れて5領主を従えたメイザは見せしめのために税を他領の2倍課した。
帳簿を見る限りは払えない額では無いが、予算の4割を占める。
困ったノーベンは自分が殺される覚悟で住民たちの税を増税して対処したのだ。
最初は嫌々だったのだろうが、ある人物によって闇に引きずり込まれた。
要するに余った税金で贅沢の限りを尽くしたのであろう。
贅沢を経験した者はその生活から抜け出すのは限りなく難しい。
ノーベンも例外では無かった。
いつしか贅沢に溺れるようになり、考え方も狂っていく。
主となった考えは領地を増やしてたくさんの税を貰って贅沢をしたいということ。
そんな折、機を見るに敏といったタイミングで隣の領地で内乱を起こした。
幸運なことに内乱を起こした首謀者はこちらの息のかかった人物。
助けてあげれば傀儡政権に出来るのでは?と考え、9千の兵を持って隣の郡に侵攻した。
結果は知っての通り、3大公爵家にやられて大敗したわけである。
以上がニーザス郡の歩みなのだが・・・。
ドク郡と似ているようで少し違う道のりを歩いてきているようだ。
領主の近くにいる人が黒幕というのはドク郡でもニーザス郡でも共通している。
前者は執事のスニアが、後者は護衛のリアムが悪の道を進んでいた。
圧倒的に違うのは、ニーザス郡は領主と護衛がグルで不正を行っているという点だ。
全員を断罪しなければいけないじゃないか・・・。
「マイセス、ありがとう。さっさと断罪会をやっちゃって終わらせちゃおうか」
「そうね。早く隣の郡に行かなきゃ」
断罪会を行おうと部屋を出ると、目を血走らせたノーベンが立っていた。
思わず身構えると、彼は膝から崩れ落ちていく。
「聞いて下さいよ!リアムを誰かが倒しちゃったんですよ!護衛がいないと不安で・・・」
「何を言っているんだ?護衛ならお前の後ろにいるじゃないか」
さっきからノーベンの後ろで呆れたような表情をしている。
いちいち付き合うのも面倒だから、早く断罪会の手続きをしちゃいたいんだけど・・・。
「リアムじゃないと不安なんだよ。誰かがいるんじゃないかと・・・」
「はい、明らかに闇魔法の支配ね。解呪」
目を鋭くしたマイセスが魔法を掛けると、ノーベンの体から黒い靄が立ち上る。
噴水のように湧き上がるそれは止まる気配を一向に見せない。
「どれだけ強い闇魔法を掛けたのよ・・・。私の魔力が尽きる方が先かしらね」
「僕も助けるよ。解呪」
2人がかりで3分ほど掛けると、ようやく靄が収まってきた。
俺も6割ほどの魔力を使ったから、マイセスは8割から9割くらいは失っているのでは?
そう考えるとマズいな。
彼女の得意属性だったはずの聖属性でも1人の力では解けない闇魔法。
リアムが家出した2年前から毎日欠かさず掛けないとこんな事態にならないはず。
つまり、リアムは家出してすぐここに来たことになる。
「マイセス、魔力の方は大丈夫か?」
「大丈夫よ。途中でマズいと思ったからあなたに任せていたわ」
額に浮かぶ汗を拭いながらマイセスが言うと同時にノーベンが目を覚ました。
虚ろな瞳をしている彼に、息を整えたマイセスが厳しい視線を向ける。
「ニーザス郡領主のノーベン、不正の容疑で捕縛させてもらうわ。リレン、さっさと捕縛!」
「おう、分かってる。拘束」
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しばらくして、隣の部屋から兄を縛ったボーランが出て来た。
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「これでニーザス郡の闇は取り払われた。いよいよ最終決戦の日も近い」
「ええ。明日には次の郡に旅立ちましょう」
フェブアーもこのままでは旅の日程がキツくなってしまうと分かっているのだろう。
そうなればこの国の闇が残ってしまうことになる。
何としても避けなければいけない事案の1つであり、俺が最も忌避する事態だ。
「リレン王子、非常事態です!隣のデナム郡で大規模な反乱が起きました」
ダイニングに駆け込んで来たのは新領主のトーズであった。
元伝令ということもあって慣れている感じがする。
「それで?まさかここまで来るわけじゃないよね?」
見た目は冷静に聞き返しながらも、本当は舌打ちをしたい気分であった。
何を目的にしているのかが分からない以上、下手に鎮圧の命令も出しにくい。
平民たちが暴れているのであれば厄介かな。
最悪の場合だと、王子も敵視されている可能性があるからだ。
反乱軍が包囲するのは領主館以外に考えられないのだが、そうなると俺たちは宿を失う。
街の宿屋も王子を泊めてくれるとも思えないし。
「その点に関しては問題ないのですが・・・鎮圧のための援軍を送りますか?」
「1つだけ確認させてくれ。デナム郡で反乱を起こしているのは誰だ?」
俺が聞きたかったことをフェブアーが先んじて聞いてくれた。
「首謀者は分かりませんが平民が5千ほど一斉蜂起したようです」
「それなら援軍は出さなくて大丈夫。僕の次の目的地だし、一声かければ収まるでしょ」
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