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第2章 魔法と領地巡りの儀式
『53、本戦ⅱ~スニアVSアリィ・セテンバ―~』
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「次にアリィは証言台へ」
セテンバ―によって4枚目の切り札が切られると、スニアの顔が一瞬だけ歪んだ。
彼女はスニアを追い詰めるのに十分な証拠を所持しているということか。
それならば4枚目というのも頷けるが・・・。
「ドク郡騎士団長のアリィです。皆さんはこんな噂をご存知ですか?」
突然の問いに、参加者たちは一様に首を傾げる。
セテンバ―だけでなく、スニアまでもが知らない言い伝えとは一体どんなものなのか。
「7つの長が集まるとき、この地は黒に包まれる。それを救うのは金だ」
俺の横から響いてくる声。
そちらに視線を向けると、巫女姫のマイセスが直立不動で立っていた。
いつの間に着替えたのか白い衣装を身に纏っている。
「この言い伝えはドク郡の教会に置かれた石碑に刻まれていた言葉です」
「刻まれていた?また不審な過去形が出て来たね」
セテンバーが呆れたように尋ねると、マイセスは顔を伏せた。
巫女の格好をしていると、それだけでもなかなか様になっている。
「1ヶ月くらい前に削られて消されたの。まさか消した神の敵はここにはいないわよね?」
問いかけるような言葉遣いではあるが、目線はスニアをロックオンしている。
よほど鈍感な者で無ければ、この視線の意味を汲めるはずだ。
「7つの長が揃う時というのは、7つの郡の領主が集まるようになった1年前を示します。黒に包まれるというのは・・・後で説明があるでしょう。金というのは金髪のこと。つまりはリレン王子の事を示しているのです」
一気に視線が突き刺さるのを感じながらも、俺は首を傾げるだけに留めた。
言っている意味が分からないというジェスチャーである。
5歳にこんな難しい話が理解できるはずが無いからね。自然な反応だよね。
もはやヤケクソの域に達しているのは目を瞑って欲しい。
「この言い伝えを領民たちは信じています。増税に対して暴動が起きなかった理由は上手に抑圧出来ていたからではありません。政治を行っているのが本当はセテンバー様では無いと分かっていたからです!ここの認識に大きな差があるのです」
民衆を引き合いに出したアリィの断言に会場は大きくざわつく。
領民と一番多く触れ合っているのは騎士団だ。
父上も、騎士団長だったフェブアーを必ずと言っていいほど執務室に招いていた。
だからこそ発言には信憑性がある。
ざわめく会議室が、証言台に向かう1つの影を見た瞬間、静まり返る。
この影こそ、ドク郡領主であるセテンバ―その人だ。
最後の切り札に用意していたのは自分自身だったのか。
これで5枚の切り札は全て切られたことになる。
今まで会議の進行を担当していた領主がアリィとともに証言台に立った。
参加者は目を大きく見開き、固まるしかない。
「最後の証言者は私だ。みんなを裏切り続けたダメな領主だが少しづつでも挽回したい。これは第1歩だ。私は執事のスニアに脅されて傀儡にされていた!」
ついにセテンバ―が告白したことで参加者に衝撃が走る。
スニアは憤怒の形相で勢いよく立ち上がり、セテンバ―の正面に立った。
「適当な事を言うな!俺がいつお前を脅したって言うんだ!」
「化けの皮が剥がれたな。アリィにいついかなる時でも敬語を使えと言ったのは誰だ?」
いつになく狡猾な顔でスニアを見下ろすセテンバ―に悪寒が走る。
俺から見ても得体の知れない雰囲気が出ていた。
さすが父上が信頼し、腹黒いスニアと長年やりあってきた領主。
対峙しているスニアは真正面から殺気のようなものを受けているということか。
全く動じないあたりはさすがフェブアーを苦しめた武闘派だ。
「今はそんなことは関係ない!俺がお前を操っていた証拠はどこにある!」
「実はここにあるんだよ。これに見覚えは?」
セテンバ―が出した1枚の紙を見た瞬間、スニアの顔が大きく歪んだ。
瞬時に魔装を展開し、紙を奪おうとしたのか恐ろしいスピードで突進していく。
紙を空中に投げ捨てたかと思うとスニアは証言台の前に転がっていた。
転がした張本人のセテンバ―は、ひらひらと舞う紙を掴むとフェブアーに向かって放る。
紙をフェブアーと一緒に覗き込むと、それは治水計画書だった。
ただし、責任者の欄にセテンバ―ではなくスニアの名前が書かれている。
「普通、この欄には領主の名が書かれるはず。一執事の名が書かれているのはおかしい」
フェブアーが一刀両断するとセテンバ―は満足げに頷いた。
「だがこれだけだと私が任せただけだろと言われてしまうのでもう1枚用意してある」
「それは・・・まさか!」
スニアが初めて焦りを口にした。それだけ決定的な証拠なのだろう。
セテンバ―は風魔法に乗せてカルスの方に飛ばした。
「これは・・・もはや決定的というしかないでしょうな。まさか伯爵と繋がっていたとは・・・」
「スニアが王都にいるボア伯爵という人物から受け取った手紙だ。そこには不正を黙っていて欲しければ、これからも私に税を納め続けよというようなことが書かれていた」
ボア伯爵・・・。これまた懐かしい名前が出て来たな。
お披露目パーティーの時に失礼な態度を取られたことは今でも忘れていない。
アスネお姉さまが王都から追放するよ?みたいなことを言ってたし。
「グッ・・・その手紙は偽物だろ!そんなので俺を陥れようとしても無駄だよ!」
必死に言い訳をしているが顔は青ざめているし、声も震えている。
薄々は本物であるということを察しているのだろう。
「それがもう手遅れなのよ。王都にいたボア伯爵が捕縛されたっていう連絡が入ったし」
そう言って広げられた紙にはボア伯爵が不正を斡旋した罪で捕縛したと書かれていた。
どうやら父上たちは父上たちで不正根絶のために動いているようだ。
サインの欄にブルートという名があって妙な懐かしさを感じる。
王城を離れてから1週間も経っていないはずなのにだ。
前世では所謂ホームシックみたいなものは無かったが、案外慣れていたのかもしれない。
温かく見守ってくれる家族や安全な住居に。
「伯爵が捕縛されたのと俺と何の関係があるんだ?」
「全てを自白したんだよ。ドク郡のスニアとナスタチ郡のオクトの不正を扇動したってな」
ナスタチ郡は次の目的地であり、オクトというのはそこの老領主だ。
案外、ナスタチ郡の断罪会は早く終わりそうな予感がする。
そんな事を考えているとスニアが膝から崩れ落ち、狂ったような笑い声を上げた。
「アハハハハ!たったの1年か。俺の栄華も短いもんだ」
立ち上がったスニアは参加者たちを邪悪な視線で睨みつける。
もう出来る執事の面影は無く、目を血走らせて栄華に飢える男がいるだけだった。
「お前たちのせいで俺は栄華を失った。その責任は取ってもらおうか!」
自分勝手な論理で体から闇を発生させる。
スニアの闇は濃密過ぎてまともに意識を保っていられないと有名だ。
噂に違わず参加者たちがバッタバタと倒れていく。
「鬱陶しい闇だね。三ノ型、白薔薇」
光属性の力を持つ剣技で闇を払うと、フェブアーとアリィが一気に距離を詰める。
2人がかりで攻められたスニアに為す術は無く、1分足らずで捕縛された。
全てが終わった時、セテンバ―がスニアにゆっくりと近づいていく。
「残念だよ。スニアとならいい郡が作れると思っていたのに・・・」
「全て俺が悪いんだよ。ダリマの悪に染まり、偽りの栄華を極めたのは俺だけさ」
スニアはそれだけ言うと地下の牢屋に連行された。
こうしてドク郡の断罪会は終わりを告げたが、まだ6郡も残っている。
明日くらいは観光でもしてみようかな。俺は疲れ切った頭でそう考えていた。
この旅でみんなの暮らしが良い方に傾くように、領民たちと触れ合う機会も大切だよね。
セテンバ―によって4枚目の切り札が切られると、スニアの顔が一瞬だけ歪んだ。
彼女はスニアを追い詰めるのに十分な証拠を所持しているということか。
それならば4枚目というのも頷けるが・・・。
「ドク郡騎士団長のアリィです。皆さんはこんな噂をご存知ですか?」
突然の問いに、参加者たちは一様に首を傾げる。
セテンバ―だけでなく、スニアまでもが知らない言い伝えとは一体どんなものなのか。
「7つの長が集まるとき、この地は黒に包まれる。それを救うのは金だ」
俺の横から響いてくる声。
そちらに視線を向けると、巫女姫のマイセスが直立不動で立っていた。
いつの間に着替えたのか白い衣装を身に纏っている。
「この言い伝えはドク郡の教会に置かれた石碑に刻まれていた言葉です」
「刻まれていた?また不審な過去形が出て来たね」
セテンバーが呆れたように尋ねると、マイセスは顔を伏せた。
巫女の格好をしていると、それだけでもなかなか様になっている。
「1ヶ月くらい前に削られて消されたの。まさか消した神の敵はここにはいないわよね?」
問いかけるような言葉遣いではあるが、目線はスニアをロックオンしている。
よほど鈍感な者で無ければ、この視線の意味を汲めるはずだ。
「7つの長が揃う時というのは、7つの郡の領主が集まるようになった1年前を示します。黒に包まれるというのは・・・後で説明があるでしょう。金というのは金髪のこと。つまりはリレン王子の事を示しているのです」
一気に視線が突き刺さるのを感じながらも、俺は首を傾げるだけに留めた。
言っている意味が分からないというジェスチャーである。
5歳にこんな難しい話が理解できるはずが無いからね。自然な反応だよね。
もはやヤケクソの域に達しているのは目を瞑って欲しい。
「この言い伝えを領民たちは信じています。増税に対して暴動が起きなかった理由は上手に抑圧出来ていたからではありません。政治を行っているのが本当はセテンバー様では無いと分かっていたからです!ここの認識に大きな差があるのです」
民衆を引き合いに出したアリィの断言に会場は大きくざわつく。
領民と一番多く触れ合っているのは騎士団だ。
父上も、騎士団長だったフェブアーを必ずと言っていいほど執務室に招いていた。
だからこそ発言には信憑性がある。
ざわめく会議室が、証言台に向かう1つの影を見た瞬間、静まり返る。
この影こそ、ドク郡領主であるセテンバ―その人だ。
最後の切り札に用意していたのは自分自身だったのか。
これで5枚の切り札は全て切られたことになる。
今まで会議の進行を担当していた領主がアリィとともに証言台に立った。
参加者は目を大きく見開き、固まるしかない。
「最後の証言者は私だ。みんなを裏切り続けたダメな領主だが少しづつでも挽回したい。これは第1歩だ。私は執事のスニアに脅されて傀儡にされていた!」
ついにセテンバ―が告白したことで参加者に衝撃が走る。
スニアは憤怒の形相で勢いよく立ち上がり、セテンバ―の正面に立った。
「適当な事を言うな!俺がいつお前を脅したって言うんだ!」
「化けの皮が剥がれたな。アリィにいついかなる時でも敬語を使えと言ったのは誰だ?」
いつになく狡猾な顔でスニアを見下ろすセテンバ―に悪寒が走る。
俺から見ても得体の知れない雰囲気が出ていた。
さすが父上が信頼し、腹黒いスニアと長年やりあってきた領主。
対峙しているスニアは真正面から殺気のようなものを受けているということか。
全く動じないあたりはさすがフェブアーを苦しめた武闘派だ。
「今はそんなことは関係ない!俺がお前を操っていた証拠はどこにある!」
「実はここにあるんだよ。これに見覚えは?」
セテンバ―が出した1枚の紙を見た瞬間、スニアの顔が大きく歪んだ。
瞬時に魔装を展開し、紙を奪おうとしたのか恐ろしいスピードで突進していく。
紙を空中に投げ捨てたかと思うとスニアは証言台の前に転がっていた。
転がした張本人のセテンバ―は、ひらひらと舞う紙を掴むとフェブアーに向かって放る。
紙をフェブアーと一緒に覗き込むと、それは治水計画書だった。
ただし、責任者の欄にセテンバ―ではなくスニアの名前が書かれている。
「普通、この欄には領主の名が書かれるはず。一執事の名が書かれているのはおかしい」
フェブアーが一刀両断するとセテンバ―は満足げに頷いた。
「だがこれだけだと私が任せただけだろと言われてしまうのでもう1枚用意してある」
「それは・・・まさか!」
スニアが初めて焦りを口にした。それだけ決定的な証拠なのだろう。
セテンバ―は風魔法に乗せてカルスの方に飛ばした。
「これは・・・もはや決定的というしかないでしょうな。まさか伯爵と繋がっていたとは・・・」
「スニアが王都にいるボア伯爵という人物から受け取った手紙だ。そこには不正を黙っていて欲しければ、これからも私に税を納め続けよというようなことが書かれていた」
ボア伯爵・・・。これまた懐かしい名前が出て来たな。
お披露目パーティーの時に失礼な態度を取られたことは今でも忘れていない。
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案外、ナスタチ郡の断罪会は早く終わりそうな予感がする。
そんな事を考えているとスニアが膝から崩れ落ち、狂ったような笑い声を上げた。
「アハハハハ!たったの1年か。俺の栄華も短いもんだ」
立ち上がったスニアは参加者たちを邪悪な視線で睨みつける。
もう出来る執事の面影は無く、目を血走らせて栄華に飢える男がいるだけだった。
「お前たちのせいで俺は栄華を失った。その責任は取ってもらおうか!」
自分勝手な論理で体から闇を発生させる。
スニアの闇は濃密過ぎてまともに意識を保っていられないと有名だ。
噂に違わず参加者たちがバッタバタと倒れていく。
「鬱陶しい闇だね。三ノ型、白薔薇」
光属性の力を持つ剣技で闇を払うと、フェブアーとアリィが一気に距離を詰める。
2人がかりで攻められたスニアに為す術は無く、1分足らずで捕縛された。
全てが終わった時、セテンバ―がスニアにゆっくりと近づいていく。
「残念だよ。スニアとならいい郡が作れると思っていたのに・・・」
「全て俺が悪いんだよ。ダリマの悪に染まり、偽りの栄華を極めたのは俺だけさ」
スニアはそれだけ言うと地下の牢屋に連行された。
こうしてドク郡の断罪会は終わりを告げたが、まだ6郡も残っている。
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