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1 森良幸平 20歳
5 国境
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「俺だって同級生じゃん」
唖然としてしまう。返事に遅れた。
「で、でも……」
と呟くと、陽太はタオルで首元を雑に擦りながら低い声で言った。
「谷田と時川がいんだろ? 俺だって無関係じゃない」
「……」
陽太が現れた際の谷田の反応が一瞬で想像できた。
グラスを手に持っていたとする。落とすにしても傾けるにしても、何らかの方法で中身をこぼすだろう。
「他に誰いる?」
陽太は勝手知ったる動作でハンガーを手に取り、タオルをかけた。
「……わかんない」
「わかんない?」
陽太は目を細めて訝しんだ。それから幸平の手首を掴み、無理やりベッドに座らせる。
素直に腰掛けた幸平は「谷田の」と切り出した。
「学部とかサークルの友達がいるんだって。そこに俺と時川が呼ばれた。友達作れって」
「何だそれ。コンパってこと?」
「こんぱ?」
「……」
陽太は「まぁいいや」と立ち上がり、唐突に、自分の着ていたトレーナーを脱ぎ始める。
「俺も行く」
「谷田がびっくりすると思う」
「びっくりさせときゃいいじゃん。コウちゃんはこれ着て」
問答無用でトレーナーを着せてくるので「わ」と声が出た。首元から頭を出し、「なに?」と問う。そこに立つ陽太はロングTシャツ一枚だ。
陽太は自分の鞄を手に取りながら言った。
「そんな薄着でどうすんだよ。秋なめんな」
「陽太くんの方がなめてない? 寒そうだけど」
「コウちゃんさ、マジで寒くなる前に冬物揃えよう。弟ばっかに送んなよ」
ぐうの音も出ない。陽太は構わずに、くるっと体の向きを変えた。
「髪乾かすから待ってて。勝手に行くなよ」
返事も聞かずに洗面台の方へ去ってしまう。ドライヤーの音が聞こえ出した。
幸平は暫くぼうっとした後、携帯を取り出した。谷田からの《今日来るよな?》の通知を見つめる。
行くけど……。
俺だけじゃなさそうだ。
「何でだよ」
指定された店にやってくると、一度トイレに引っ込んだ谷田がまたやってきて開口一番に言った。
「何でだよ」
「ご、ごめん」
「み、みぞグッ、溝口さんじゃねぇかよ」
今日の幹事は谷田の友達らしい。谷田は幹事に全てを任せてトイレに消えたので、少し離れたところで陽太は「えっと、あの、誰の、紹介で、しょうか」と動揺するその人をぼうっと見下ろしている。
戻ってきた谷田は幸平だけを攫った。女子が陽太に目をつけて、彼は流れるまま席に着いている。他にも他大の学生はいるようだ。
「あれ溝口さんだぞ?」
谷田は顔面蒼白で囁いた。
「おい……見たか? 溝口さんだ」
「そうだね」
「何で呼んだんだよ!」
「呼んだっていうか……」
ついてきたのだ。
辺りは騒がしい。谷田がごくりと唾を飲み込んだのが喉仏の動きで分かった。戦々恐々の表情で、
「お前らガチで今まで会ってたんだな」
「あ、うん」
「おい見ろよ」
視線で促されて示された方を見遣る。
陽太の周りには、綺麗な女性が群がっていた。
「もう大奥できてっぞ」
「ほんとだ……」
何秒でああなったのだろう。谷田は「凄まじいな……」と呟いた。
「久しぶりに見た。本物の溝口さんだ。何であんなかっこいいんだあの人は」
谷田はぶるりと体を震わせた。まだ、顔色が悪い。
「ちょっと、離れようぜ。あの領域には入れねぇ」
「え、うん」
少し離れた席に案内される。今日は貸切なのだと谷田は言った。
「すげぇ。かっこよさがパワーアップしてんじゃん」
「そうだね」
「天下を制するつもりか?」
「天下を?」なんで?
谷田がウーロン茶を渡してくる。幸平は素直に受け取り、ぼんやりした口調で相槌を打った。
「あの人薄着だな。幸平はこんな厚着なのに」
「……うん」
「幸平も近づかない方がいいぜ。お前みたいな地味なのが溝口さんの隣に座ってみろよ。目付けられる」
「谷田くん。お前は本当に失礼な子だ」
声がしたので見上げるのと、時川がいた。
いつもの眼鏡を外している。と思ったら手に持っていた。雨が降り始めているらしい。ハンカチでレンズを拭きながら、幸平の隣に着席し、谷田へ冷めた目を向けた。
「本人に向かって地味だなんて言うもんじゃない」
「俺は幸平のために言ってるんだ! 溝口さんに近づくためのダシにされるに決まってる。幸平は弱っちいんだからボロ雑巾にされちまうぞ」
「ボロ雑巾?」何がどうなって? 不意に、押し寄せる女子に踏みつけられる己がパッと脳内に浮かんだ。ブルっと肩を震わす。それは怖い。
「つうか時川、普通に遅刻してんじゃねぇよ」
「悪いな」
「本当に悪いと思ってる?」
「心底思ってるよ。あ、幸平くん。今日のお代は幸平くんのぶんも私が払うから」
「え?」
両手でウーロン茶を手にしながら首を傾げる。
時川は、どこから現れたのか女子学生からビールを受け取った。「ありがとう」とにこやかに時川が微笑みを向けると、彼女は恥じらいに嬉しそうな気配を混ぜて「ぜんぜんっ」と首を振り、席へと戻っていく。
彼女は時川を待っていたのだろうか。泡が少し溶けている。
「昨日の問題集代、払わせちゃったろ」
「あ、うん」
今日はやはり思考が緩くなっていてぼんやりしている。先ほどまで疲れることをしていたからだ。
「購買の現金主義はどうにかしてほしいものだね。私が現金なんかもってるわけないじゃないか」
「責任転嫁してんなよ」
「で、どうして例の彼があそこにいるんだ」
谷田が苦虫を潰したような顔をする。「幸平について来ちゃったんだってさ」とまだ緊張感のある表情で言った。
「へぇ。で、幸平くんはどうしてここにいる。彼のそばにいなくていいのか」
「幸平をあんな魔窟に置くわけにいかないだろ。向こうにはほら、原田いるし」
「原田?」
時川が不思議そうに首を傾げた。時川のジョッキはすでに空になっている。いつの間に飲んだのだろう。
「高校一緒だったろ。あの、髪結んでる茶髪の女子」
と、谷田は幸平に語りかけてくる。時川のジョッキを見ていたのでまた、返事に遅れた。
「そうだったっけ?」
「芹澤のグループにいた女子だよ」
「芹澤さん……」
室井が教えてくれた人だ。高校の時に陽太へ告白し、振られたという。
谷田が、ありったけのパスタと唐揚げとポテトフライを皿に乗せて渡してきた。「お前酒弱いんだから今日は食え」と言って、ついでに「あんまあっち見んなよ。目を合わせんな」と付け足した。
幸平はウーロン茶を飲みながら、忠告を無視し、少し振り返ってこっそりと陽太の方を見遣る。
陽太はハイボールを飲んでいた。隣には金髪の女性がいる。その反対側には、おそらく『原田さん』だ。
陽太とは、目は合わなかった。
顔を前に戻す。耳を澄ませると、会話がかすかに聞こえてきた。
「溝口くんって言うの?」
女性が彼へ話しかけた。陽太の代わりに、おそらく『原田さん』が答える。
「私たちは溝口さんって呼んでたけどね」
「この大学の人じゃないんだ」
「Y大? えー、オシャですね」
「私ら地味大だもんね」
「マジでそう」
「溝口さん、ミスターコンとか出てました?」
「思った。めっちゃかっこいい」
「ピアス痛くないですか?」
「この刺青本物ですか?」
「――早速敬語になってるよ」
谷田が小声で囁いてくる。幸平は斜め下への角度で頷いた。
肝心の陽太の返事は聞こえてこない。幸平は彼に背を向ける形で座っているので、顔も見えなかった。
でも雰囲気だけで記憶が蘇ってくる。
これには、既視感があった。
――高校時代を思い出す。
いつだってキラキラした人たちに囲まれていた陽太。幸平は、彼と目の合わない遠くから陽太を眺めているしかなかった。
話しかけようとしても、できなかった。あの領域に入るのが怖い。
同じ校内にいても、幸平と陽太はまるで別の国にいるみたいに遠かった。すると幸平は想像してしまう。自分の言葉が、陽太に通じないその場面を。
何を言っても届かなくて、また無視されてしまう。
それが怖くて国境を踏み超えられない。
そしてそれは、卒業式の日まで覆ることはなく。
……まるで今に続いているみたいだ。
「溝口さんって、彼女とかいるんですか?」
女性の声はよく通る。でも陽太の返事が聞こえてこない。
もしかしたら、聞こえてこないのではなく、理解できていないのかもしれない。本当はそこに言葉はあるのに、国の違う幸平には意味を理解できない……。
唖然としてしまう。返事に遅れた。
「で、でも……」
と呟くと、陽太はタオルで首元を雑に擦りながら低い声で言った。
「谷田と時川がいんだろ? 俺だって無関係じゃない」
「……」
陽太が現れた際の谷田の反応が一瞬で想像できた。
グラスを手に持っていたとする。落とすにしても傾けるにしても、何らかの方法で中身をこぼすだろう。
「他に誰いる?」
陽太は勝手知ったる動作でハンガーを手に取り、タオルをかけた。
「……わかんない」
「わかんない?」
陽太は目を細めて訝しんだ。それから幸平の手首を掴み、無理やりベッドに座らせる。
素直に腰掛けた幸平は「谷田の」と切り出した。
「学部とかサークルの友達がいるんだって。そこに俺と時川が呼ばれた。友達作れって」
「何だそれ。コンパってこと?」
「こんぱ?」
「……」
陽太は「まぁいいや」と立ち上がり、唐突に、自分の着ていたトレーナーを脱ぎ始める。
「俺も行く」
「谷田がびっくりすると思う」
「びっくりさせときゃいいじゃん。コウちゃんはこれ着て」
問答無用でトレーナーを着せてくるので「わ」と声が出た。首元から頭を出し、「なに?」と問う。そこに立つ陽太はロングTシャツ一枚だ。
陽太は自分の鞄を手に取りながら言った。
「そんな薄着でどうすんだよ。秋なめんな」
「陽太くんの方がなめてない? 寒そうだけど」
「コウちゃんさ、マジで寒くなる前に冬物揃えよう。弟ばっかに送んなよ」
ぐうの音も出ない。陽太は構わずに、くるっと体の向きを変えた。
「髪乾かすから待ってて。勝手に行くなよ」
返事も聞かずに洗面台の方へ去ってしまう。ドライヤーの音が聞こえ出した。
幸平は暫くぼうっとした後、携帯を取り出した。谷田からの《今日来るよな?》の通知を見つめる。
行くけど……。
俺だけじゃなさそうだ。
「何でだよ」
指定された店にやってくると、一度トイレに引っ込んだ谷田がまたやってきて開口一番に言った。
「何でだよ」
「ご、ごめん」
「み、みぞグッ、溝口さんじゃねぇかよ」
今日の幹事は谷田の友達らしい。谷田は幹事に全てを任せてトイレに消えたので、少し離れたところで陽太は「えっと、あの、誰の、紹介で、しょうか」と動揺するその人をぼうっと見下ろしている。
戻ってきた谷田は幸平だけを攫った。女子が陽太に目をつけて、彼は流れるまま席に着いている。他にも他大の学生はいるようだ。
「あれ溝口さんだぞ?」
谷田は顔面蒼白で囁いた。
「おい……見たか? 溝口さんだ」
「そうだね」
「何で呼んだんだよ!」
「呼んだっていうか……」
ついてきたのだ。
辺りは騒がしい。谷田がごくりと唾を飲み込んだのが喉仏の動きで分かった。戦々恐々の表情で、
「お前らガチで今まで会ってたんだな」
「あ、うん」
「おい見ろよ」
視線で促されて示された方を見遣る。
陽太の周りには、綺麗な女性が群がっていた。
「もう大奥できてっぞ」
「ほんとだ……」
何秒でああなったのだろう。谷田は「凄まじいな……」と呟いた。
「久しぶりに見た。本物の溝口さんだ。何であんなかっこいいんだあの人は」
谷田はぶるりと体を震わせた。まだ、顔色が悪い。
「ちょっと、離れようぜ。あの領域には入れねぇ」
「え、うん」
少し離れた席に案内される。今日は貸切なのだと谷田は言った。
「すげぇ。かっこよさがパワーアップしてんじゃん」
「そうだね」
「天下を制するつもりか?」
「天下を?」なんで?
谷田がウーロン茶を渡してくる。幸平は素直に受け取り、ぼんやりした口調で相槌を打った。
「あの人薄着だな。幸平はこんな厚着なのに」
「……うん」
「幸平も近づかない方がいいぜ。お前みたいな地味なのが溝口さんの隣に座ってみろよ。目付けられる」
「谷田くん。お前は本当に失礼な子だ」
声がしたので見上げるのと、時川がいた。
いつもの眼鏡を外している。と思ったら手に持っていた。雨が降り始めているらしい。ハンカチでレンズを拭きながら、幸平の隣に着席し、谷田へ冷めた目を向けた。
「本人に向かって地味だなんて言うもんじゃない」
「俺は幸平のために言ってるんだ! 溝口さんに近づくためのダシにされるに決まってる。幸平は弱っちいんだからボロ雑巾にされちまうぞ」
「ボロ雑巾?」何がどうなって? 不意に、押し寄せる女子に踏みつけられる己がパッと脳内に浮かんだ。ブルっと肩を震わす。それは怖い。
「つうか時川、普通に遅刻してんじゃねぇよ」
「悪いな」
「本当に悪いと思ってる?」
「心底思ってるよ。あ、幸平くん。今日のお代は幸平くんのぶんも私が払うから」
「え?」
両手でウーロン茶を手にしながら首を傾げる。
時川は、どこから現れたのか女子学生からビールを受け取った。「ありがとう」とにこやかに時川が微笑みを向けると、彼女は恥じらいに嬉しそうな気配を混ぜて「ぜんぜんっ」と首を振り、席へと戻っていく。
彼女は時川を待っていたのだろうか。泡が少し溶けている。
「昨日の問題集代、払わせちゃったろ」
「あ、うん」
今日はやはり思考が緩くなっていてぼんやりしている。先ほどまで疲れることをしていたからだ。
「購買の現金主義はどうにかしてほしいものだね。私が現金なんかもってるわけないじゃないか」
「責任転嫁してんなよ」
「で、どうして例の彼があそこにいるんだ」
谷田が苦虫を潰したような顔をする。「幸平について来ちゃったんだってさ」とまだ緊張感のある表情で言った。
「へぇ。で、幸平くんはどうしてここにいる。彼のそばにいなくていいのか」
「幸平をあんな魔窟に置くわけにいかないだろ。向こうにはほら、原田いるし」
「原田?」
時川が不思議そうに首を傾げた。時川のジョッキはすでに空になっている。いつの間に飲んだのだろう。
「高校一緒だったろ。あの、髪結んでる茶髪の女子」
と、谷田は幸平に語りかけてくる。時川のジョッキを見ていたのでまた、返事に遅れた。
「そうだったっけ?」
「芹澤のグループにいた女子だよ」
「芹澤さん……」
室井が教えてくれた人だ。高校の時に陽太へ告白し、振られたという。
谷田が、ありったけのパスタと唐揚げとポテトフライを皿に乗せて渡してきた。「お前酒弱いんだから今日は食え」と言って、ついでに「あんまあっち見んなよ。目を合わせんな」と付け足した。
幸平はウーロン茶を飲みながら、忠告を無視し、少し振り返ってこっそりと陽太の方を見遣る。
陽太はハイボールを飲んでいた。隣には金髪の女性がいる。その反対側には、おそらく『原田さん』だ。
陽太とは、目は合わなかった。
顔を前に戻す。耳を澄ませると、会話がかすかに聞こえてきた。
「溝口くんって言うの?」
女性が彼へ話しかけた。陽太の代わりに、おそらく『原田さん』が答える。
「私たちは溝口さんって呼んでたけどね」
「この大学の人じゃないんだ」
「Y大? えー、オシャですね」
「私ら地味大だもんね」
「マジでそう」
「溝口さん、ミスターコンとか出てました?」
「思った。めっちゃかっこいい」
「ピアス痛くないですか?」
「この刺青本物ですか?」
「――早速敬語になってるよ」
谷田が小声で囁いてくる。幸平は斜め下への角度で頷いた。
肝心の陽太の返事は聞こえてこない。幸平は彼に背を向ける形で座っているので、顔も見えなかった。
でも雰囲気だけで記憶が蘇ってくる。
これには、既視感があった。
――高校時代を思い出す。
いつだってキラキラした人たちに囲まれていた陽太。幸平は、彼と目の合わない遠くから陽太を眺めているしかなかった。
話しかけようとしても、できなかった。あの領域に入るのが怖い。
同じ校内にいても、幸平と陽太はまるで別の国にいるみたいに遠かった。すると幸平は想像してしまう。自分の言葉が、陽太に通じないその場面を。
何を言っても届かなくて、また無視されてしまう。
それが怖くて国境を踏み超えられない。
そしてそれは、卒業式の日まで覆ることはなく。
……まるで今に続いているみたいだ。
「溝口さんって、彼女とかいるんですか?」
女性の声はよく通る。でも陽太の返事が聞こえてこない。
もしかしたら、聞こえてこないのではなく、理解できていないのかもしれない。本当はそこに言葉はあるのに、国の違う幸平には意味を理解できない……。
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