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1章

ラナの兄の双子と新しい執事

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執事やメイドが出て行き、いよいよあの方々が来るのだと思うとマリーはお腹が痛くなった

それほどまでに2人は厄介だった

頭下げておこうか…

「よお」  

オリバーおぼっちゃまと

「失礼致します」

アンリおぼっちゃま。

「お兄様、いらっしゃったのね」
 
ラナ様が階段から降りてくる

「ラナ、久しぶりだな」

「公爵夫人、おかわりありませんか?」

「ないわ、それよりオリバー兄様」

「なんだ?」

「ここに来る時、鞭なんて持たないで」

「嫌だな!」

「それよりここのメイドは私達を随分と下に見ているようですね。頭を下げないとは」

お出迎えに来たメイド・執事が一斉に頭を下げる

「いえ、まさかそんなわけないわ」

「敗戦国の公爵令息ですから仕方ありませんが…公爵夫人の兄なのですからもう少し態度というものがあるのでは」

頭を下げたメイドや執事の前を通るアンリおぼっちゃま

「不合格・不合格・不合格・合格・不合格・不合格・不合格・不合格…」

コツコツ

「不合格・不合格・不合格・不合格」

コツコツ

音が段々と近づいている

「お前…マリーか」

「はい、アンリお坊ちゃま」

「相変わらずだな…合格」

「ありがとうございます」 

まだバクバクと心臓がなっている

「最後…お前執事長か?」

「はい、アンリ卿」

「合格だ」

「ありがとうございます」

アイザック様の礼を一瞥しラナ様にお辞儀をするアンリおぼっちゃま

「お兄様」

「お辞儀の角度がなっていないものが多すぎます。公爵夫人、僭越ながら申し上げます。使用人の教育をなされては?」

礼儀しか興味が無いアンリお坊ちゃま

たとえ礼儀がなっていなければ誰だろうとなるまで閉じ込める

王族なら自分が尽くしてもらうに値しないと思っているから大丈夫だが

「考えておきます」 

「それから夫人、献上したいものが」

「なんですか?」

「オリバー、お前の言い出したことだろう?」

「これやるよ」

人…?

「よく使える執事にございます。身元もはっきりしていて夫人の疲れもとってくださるかと」

見たことある…?

「ありがとうございます。そんな使用人を私に…良いのですか?」

「彼の希望です」

「わかったわ。よろしく」

「はい、奥様」

なんだろうか…一波乱ある気がする

「それから差し支えなければ今からお茶を頂いても?」

「いいわよ、オリバー兄様は?」

「俺いい」

「わかったわ」





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