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1章
敗戦国の公爵夫人
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「奥様」
「なあに?アイザック」
ラナ様は今日はウェストリッテンの民族衣装にウェストリッテン流の化粧
おまけにウェストリッテンの靴ときたものだ
ラナ様はなかなか手厳しいようだ…
「奥様のメイド候補の方がいらっしゃいました」
「そう、わかったわ。応接間にお通してちょうだい。すぐ行くわ」
「畏まりました」
「ラナ様」
「マリー、あなたも着いてきて」
「はい」
トントントン
「奥様がいらっしゃいました」
「失礼するわ」
「…」
あれ?誰も喋らない?
アーデクトは身分にとても厳しい国
だからこそ1番地位の高い者がその場を代表して喋るという風習がある
「「奥様」」
あっ…やっぱり…か
アーデクトのワット侯爵令嬢と元他国の姫で今はフリア侯爵夫人
夫人と令嬢では夫人が上
しかしワット侯爵とフリア侯爵では…
ワット侯爵の方が上
元々バランスをとるためにフリア侯爵夫人は呼ぶつもりはなかった
しかしラナ様がフリア侯爵夫人も呼んだということはきっとどちらにするつもりだろう
「2人は自分たちのどちらが上だと思う?」
ラナ様が挑発するように言う
「私です!奥様。だって私はワット侯爵の娘ですから!」
侯爵令嬢が立ち上がると侯爵夫人も立ち上がる
「それはどういう意味?」
「あら、分からないの?ワットの方がフリアより位が高いのよ」
「そう言ったら夫人の方が高いわ!令嬢よりもね」
「夫人なんてただの歳じゃない。私は令嬢だけど誰よりもお父様に愛されているわ」
「私も旦那様に愛されているわよ」
「ちょっと…」
マリーは声をかけようとしたが、相手は自分より立場は上…黙るしかない
「それよりおば様」
「はあ?たかが令嬢ごときが何を」
「あら?敗戦国の奴がなにを」
「そこまででいいわ」
ラナ様が鋭い一言を浴びせる
2人ともラナ様の試験には合格しなかったみたい
「「あっ」」
「あなたたちの言葉…敗戦国の公爵令嬢で今は夫人の私に喧嘩を売っているのかしら?悪いわね
敗戦国の令嬢ごときのおばさんで」
選ばれし者の気迫…
「いえ」
「すみません」
「いい?私はエイムズ公爵夫人。あなた達はどんなにワットだろうが夫人だろうが…私のメイド・従者候補であってそれ以上ではない」
「…はい。すみません」
「すみません」
「それからどんなに立場が高かろうと他の人…例えばマリーに何か言ったら許さない」
「ラ…奥様!」
「何?マリー」
まだ怒ってますよね…
「いえ」
「なあに?アイザック」
ラナ様は今日はウェストリッテンの民族衣装にウェストリッテン流の化粧
おまけにウェストリッテンの靴ときたものだ
ラナ様はなかなか手厳しいようだ…
「奥様のメイド候補の方がいらっしゃいました」
「そう、わかったわ。応接間にお通してちょうだい。すぐ行くわ」
「畏まりました」
「ラナ様」
「マリー、あなたも着いてきて」
「はい」
トントントン
「奥様がいらっしゃいました」
「失礼するわ」
「…」
あれ?誰も喋らない?
アーデクトは身分にとても厳しい国
だからこそ1番地位の高い者がその場を代表して喋るという風習がある
「「奥様」」
あっ…やっぱり…か
アーデクトのワット侯爵令嬢と元他国の姫で今はフリア侯爵夫人
夫人と令嬢では夫人が上
しかしワット侯爵とフリア侯爵では…
ワット侯爵の方が上
元々バランスをとるためにフリア侯爵夫人は呼ぶつもりはなかった
しかしラナ様がフリア侯爵夫人も呼んだということはきっとどちらにするつもりだろう
「2人は自分たちのどちらが上だと思う?」
ラナ様が挑発するように言う
「私です!奥様。だって私はワット侯爵の娘ですから!」
侯爵令嬢が立ち上がると侯爵夫人も立ち上がる
「それはどういう意味?」
「あら、分からないの?ワットの方がフリアより位が高いのよ」
「そう言ったら夫人の方が高いわ!令嬢よりもね」
「夫人なんてただの歳じゃない。私は令嬢だけど誰よりもお父様に愛されているわ」
「私も旦那様に愛されているわよ」
「ちょっと…」
マリーは声をかけようとしたが、相手は自分より立場は上…黙るしかない
「それよりおば様」
「はあ?たかが令嬢ごときが何を」
「あら?敗戦国の奴がなにを」
「そこまででいいわ」
ラナ様が鋭い一言を浴びせる
2人ともラナ様の試験には合格しなかったみたい
「「あっ」」
「あなたたちの言葉…敗戦国の公爵令嬢で今は夫人の私に喧嘩を売っているのかしら?悪いわね
敗戦国の令嬢ごときのおばさんで」
選ばれし者の気迫…
「いえ」
「すみません」
「いい?私はエイムズ公爵夫人。あなた達はどんなにワットだろうが夫人だろうが…私のメイド・従者候補であってそれ以上ではない」
「…はい。すみません」
「すみません」
「それからどんなに立場が高かろうと他の人…例えばマリーに何か言ったら許さない」
「ラ…奥様!」
「何?マリー」
まだ怒ってますよね…
「いえ」
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