三毛猫、公爵令嬢を拾う。

 魔法がものを言う世界で、最高位の称号を持つミカエルは、三毛猫の獣人だった。
 ある日極秘の依頼を受け、とある公爵家に侵入したミカエルは、そこで出会った少女、ルネの怪我を哀れに思い癒してあげる。ミカエルが依頼を遂行する間、何度か会って話をする仲になった2人だが、ルネは見かける度に体に痛々しい怪我をしていた。
 依頼を終えこの街を離れる前の晩、ルネの姿をひと目見ようとミカエルが公爵家に再び忍び込んだ時、彼女が自害しようとしている瞬間を目にしてしまう。
 ルネが抱える事情を知ったミカエルは、ルネを公爵家から連れ出すことを決意する。
 一匹の野良猫と決められた宿命を抱えた少女の、優しい逃避行が始まる。
 
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