32 / 36
32
しおりを挟む
あの後、七箇所の蜘蛛さんに声をかけて、どの蜘蛛さんも了承してついてきてくれるようになった。
大きい蜘蛛さん八匹。最初は怖かった蜘蛛さんも、毒団子のことを考えていたら怖くなくなったよ。慣れもあるよね、油虫みたいにさ。
日が暮れたので、今日は近くにあったゴリラ獣人さんの群れでお世話になることになった。蜘蛛さん達はちょっと離れた場所で巣を張ってお休み。
ゴリラ獣人さん達は急な訪問にも関わらず、本当に大人数を難なく受け入れてくれて感謝だ。ゴリラ獣人さんは草食なので、道中で多めに取ってきた野菜をあげるととても喜んでくれた。よかった。
案内された部屋はドンドさんの群れと同じように岩をくり抜いて作っている住居の一角。
ただ、白岩の机や椅子は綺麗な飾り彫りされており、ゴリラ獣人さんは手先が器用で力が強いので、こういった細かい作業を生業としているそう。すごい。どうやって作るか気になる。
「よかったらこれ食べておくれ。野菜と果物の炒め物だ」
「わぁ!」
ゴリラ獣人さんが渡してくれたのは色とりどりの野菜と果物だった。果物はオレンジで、炒められたことでピューレのようになり、野菜がとても美味しそうに見える。
ドンドさんがゴリラ獣人さんにお礼を言う。
「気遣ってもらってすまない」
「いいんだよ。下の方では大変だって聞いたしな」
ぽんぽんと肩を叩いて、ゴリラ獣人さんはパピジェットさんを労うと出ていった。僕はあとで料理の差し入れをしようと決める。
「これ温かいうちに食べませんか?」
ほかほかと湯気が出ている野菜はとても美味しそうだ。僕らはお皿を囲んで食べることにした。
野菜果物炒めを一口に食べると、甘酸っぱいオレンジソースに炒められた野菜の旨味が広がった。油で炒めてあるからだろうか。苦味も軽減していて、オレンジの甘味と酸味、そして野菜の苦味がアクセントとなりクセになる味になっている。オレンジソースがこんなに美味しいとは新発見だ。
みんなもお腹が減っていたのもあって、あっという間に食べてしまった。
パピジェットさんは肉食なので食べれないため、僕は小腹を満たしたあと、本格的な夕食のために僕は野外にあった簡易的な竈門で料理作りを開始することにする。
「ふふふ……」
僕は目の前の食材に思わずニヤニヤして変な笑い声が出てしまった。
「ああ、嬉しいなぁ。まさかこんなところでチーズが手に入るなんて!」
この日はなんと、食べられるチーズが手に入った。寒くなったおかげか、ミルクの実に寄生して生えていた発酵種はチーズのいい香りを醸し出していたのだ。
ヴィス君に大斧でぱっくり割ってもらうと、中には溶けるチーズでお馴染みの、くせがなくて、さっぱりしていてよく溶けるモッツァレラチーズが輝いていた。
ふわぁ……これは大収穫!
そして道中で取ったじゃがいも、人参、ブロッコリー、あとは小型の草食恐竜アーケオケラトプスが本日の夕食。
アーケオケラトプスは原始的な角竜類と言われている全長一メートルもない小型な身体をしている。トリケラトプスの先祖みたいな感じかな。
パピジェットさんも味付けお肉は食べるとのことだったので、肉刺しを作りますよと言って、僕はBBQチーズフォンデュを作ることにした。
ゴリラ獣人さんの群れの中にいる草食獣人の中にはお肉の匂いが苦手な者もいるから、部屋の中ではお肉は極力焼かないでくれってことだった。
だから外の竈門なんだけど、外ならBBQみたいにしたら面白いよねって思ったんだ。
野菜を大きめに切って、塩コショウのみの味付けとハーブを数種類ブレンドしたハーブソルトをまぶして、油虫の油で軽く揚げ焼きにする。これは苦み対策。
アーケオケラトプスは僕が野菜の調理をしている間にヴィス君に捌いてもらった。捌いてる姿もカッコいい。惚れ惚れしちゃうよ。
そして小型ナイフでラインさんが綺麗に削いでくれた大きな木串に、野菜と肉と一緒に刺していく。パピジェットさんには肉のみ、ゴリラ獣人さん達は野菜のみの串で、焚き火でじっくり焼いていく。
アーケオケラトプスはトリケラトプスと似た味ということだから鶏肉味だ。生焼けが怖いので中心まで火が通るのを待ち、頃合いになったらチーズをフライパンに入れて溶かしてチーズフォンデュの準備をする。
チーズを溶かしているとひょいっとバイオレットさんが顔を出した。
「ミルクの実の発酵種はすごい臭いがする印象しかなかったけど、これは変な臭いがしないわね?」
バイオレットさんが不思議そうに頭を傾げる。
「チーズは温度が高いとすぐ悪くなるんですけど、この時期なら気温が低くなってちゃんと食べられるようになったんだと思います。チーズ食べるの不安なら、そのまま串を食べてくださいね。塩胡椒やハーブソルトしているのでそのままでの美味しいですよ」
初めてのチーズなので、もしチーズを食べて具合悪くなったら解毒草飲んでくださいと言うとみんな頷いた。発酵種は一歩間違えば腐ってるからね。扱いが難しい。
でもこの世界の解毒草即効性も効果も高いから助かるんだ。万能だなぁ。
パピジェットさんがそんなみんなを見て、「そんな危険な食べ物をなぜ食べようとするのだ?」と訳がわからないと頭を捻っていた。側からみたらそうだよね。
チーズフォンデュが出来たので、僕はこうやって食べるんですよと食べ方を見せた。
BBQのように野菜と肉が刺さっている大きな串をチーズの中につける。
そして伸びるチーズが落ちないように串を口で迎えてパクっと食べた。
「んー!」
美味ーい!久しぶりのチーズはマジで美味い。野菜の甘味と塩胡椒とチーズの塩味が口の中でマリアージュである。
肉もさっぱりとした鶏肉の味に、チーズが絡み付いて堪りません。ああ、美味しい!
ケチャップもあるので、チーズにケチャップをつけるとこれまたイケる!はぁー幸せ。お姉ちゃんと旭にも食べさせたい。
止まらずにパクパク食べると、みんなも真似して食べ始めた。そしてチーズを口に含むとカッと目を見開く。
「……!こ、これは!」
「まぁ……!」
「……すごいな」
「うわっ、これ美味い」
チーズ気に入ってくれたようだ。みんなも僕と同じようにチーズをヒタヒタにつけて食べていく。みんなお口の周りの毛がチーズでベットリ。蜂蜜食べてる熊さんを連想しちゃうね。可愛い。
「ルイ殿、この肉美味しいな。何をかけて焼いたんだ?」
パピジェットさんが肉オンリーの串をパクパク食べながら聞いてくる。
「ハーブソルトです。塩草や胡椒草、ローズマリーやカイエンペッパーとかハーブを混ぜて作ったんです」
「似たようなことをするが、生息しているハーブが違うからだろう。初めて食べる味だが、美味い」
みんなの食事を確保して、僕はゴリラ獣人さんに先程の食事のお礼だといって、ハーブソルト野菜の串焼きを数本あげた。
群れが変わったら、僕の料理を受け入れてくれるか不安だったけど、美味しいって言って食べてもらえて嬉しかったな。
ゴリラ獣人さん達に食べてもらう間、旅の目的を聞かれたので、バッタ駆除に行くと答えると驚かれた。
それからどうやって駆除されるのか聞かれたので蜘蛛さんによる捕獲捕食、そして毒団子による駆除か獣人さん達の鼻に頼るかもしれないことを答えていたら、ゴリラ獣人さんは群れのみんなにも説明していいか?と確認してきた。
勿論秘密じゃないので首肯すると、ゴリラ獣人さんは「坊やの料理美味かった」と言って席を後にして去っていった。
大きい蜘蛛さん八匹。最初は怖かった蜘蛛さんも、毒団子のことを考えていたら怖くなくなったよ。慣れもあるよね、油虫みたいにさ。
日が暮れたので、今日は近くにあったゴリラ獣人さんの群れでお世話になることになった。蜘蛛さん達はちょっと離れた場所で巣を張ってお休み。
ゴリラ獣人さん達は急な訪問にも関わらず、本当に大人数を難なく受け入れてくれて感謝だ。ゴリラ獣人さんは草食なので、道中で多めに取ってきた野菜をあげるととても喜んでくれた。よかった。
案内された部屋はドンドさんの群れと同じように岩をくり抜いて作っている住居の一角。
ただ、白岩の机や椅子は綺麗な飾り彫りされており、ゴリラ獣人さんは手先が器用で力が強いので、こういった細かい作業を生業としているそう。すごい。どうやって作るか気になる。
「よかったらこれ食べておくれ。野菜と果物の炒め物だ」
「わぁ!」
ゴリラ獣人さんが渡してくれたのは色とりどりの野菜と果物だった。果物はオレンジで、炒められたことでピューレのようになり、野菜がとても美味しそうに見える。
ドンドさんがゴリラ獣人さんにお礼を言う。
「気遣ってもらってすまない」
「いいんだよ。下の方では大変だって聞いたしな」
ぽんぽんと肩を叩いて、ゴリラ獣人さんはパピジェットさんを労うと出ていった。僕はあとで料理の差し入れをしようと決める。
「これ温かいうちに食べませんか?」
ほかほかと湯気が出ている野菜はとても美味しそうだ。僕らはお皿を囲んで食べることにした。
野菜果物炒めを一口に食べると、甘酸っぱいオレンジソースに炒められた野菜の旨味が広がった。油で炒めてあるからだろうか。苦味も軽減していて、オレンジの甘味と酸味、そして野菜の苦味がアクセントとなりクセになる味になっている。オレンジソースがこんなに美味しいとは新発見だ。
みんなもお腹が減っていたのもあって、あっという間に食べてしまった。
パピジェットさんは肉食なので食べれないため、僕は小腹を満たしたあと、本格的な夕食のために僕は野外にあった簡易的な竈門で料理作りを開始することにする。
「ふふふ……」
僕は目の前の食材に思わずニヤニヤして変な笑い声が出てしまった。
「ああ、嬉しいなぁ。まさかこんなところでチーズが手に入るなんて!」
この日はなんと、食べられるチーズが手に入った。寒くなったおかげか、ミルクの実に寄生して生えていた発酵種はチーズのいい香りを醸し出していたのだ。
ヴィス君に大斧でぱっくり割ってもらうと、中には溶けるチーズでお馴染みの、くせがなくて、さっぱりしていてよく溶けるモッツァレラチーズが輝いていた。
ふわぁ……これは大収穫!
そして道中で取ったじゃがいも、人参、ブロッコリー、あとは小型の草食恐竜アーケオケラトプスが本日の夕食。
アーケオケラトプスは原始的な角竜類と言われている全長一メートルもない小型な身体をしている。トリケラトプスの先祖みたいな感じかな。
パピジェットさんも味付けお肉は食べるとのことだったので、肉刺しを作りますよと言って、僕はBBQチーズフォンデュを作ることにした。
ゴリラ獣人さんの群れの中にいる草食獣人の中にはお肉の匂いが苦手な者もいるから、部屋の中ではお肉は極力焼かないでくれってことだった。
だから外の竈門なんだけど、外ならBBQみたいにしたら面白いよねって思ったんだ。
野菜を大きめに切って、塩コショウのみの味付けとハーブを数種類ブレンドしたハーブソルトをまぶして、油虫の油で軽く揚げ焼きにする。これは苦み対策。
アーケオケラトプスは僕が野菜の調理をしている間にヴィス君に捌いてもらった。捌いてる姿もカッコいい。惚れ惚れしちゃうよ。
そして小型ナイフでラインさんが綺麗に削いでくれた大きな木串に、野菜と肉と一緒に刺していく。パピジェットさんには肉のみ、ゴリラ獣人さん達は野菜のみの串で、焚き火でじっくり焼いていく。
アーケオケラトプスはトリケラトプスと似た味ということだから鶏肉味だ。生焼けが怖いので中心まで火が通るのを待ち、頃合いになったらチーズをフライパンに入れて溶かしてチーズフォンデュの準備をする。
チーズを溶かしているとひょいっとバイオレットさんが顔を出した。
「ミルクの実の発酵種はすごい臭いがする印象しかなかったけど、これは変な臭いがしないわね?」
バイオレットさんが不思議そうに頭を傾げる。
「チーズは温度が高いとすぐ悪くなるんですけど、この時期なら気温が低くなってちゃんと食べられるようになったんだと思います。チーズ食べるの不安なら、そのまま串を食べてくださいね。塩胡椒やハーブソルトしているのでそのままでの美味しいですよ」
初めてのチーズなので、もしチーズを食べて具合悪くなったら解毒草飲んでくださいと言うとみんな頷いた。発酵種は一歩間違えば腐ってるからね。扱いが難しい。
でもこの世界の解毒草即効性も効果も高いから助かるんだ。万能だなぁ。
パピジェットさんがそんなみんなを見て、「そんな危険な食べ物をなぜ食べようとするのだ?」と訳がわからないと頭を捻っていた。側からみたらそうだよね。
チーズフォンデュが出来たので、僕はこうやって食べるんですよと食べ方を見せた。
BBQのように野菜と肉が刺さっている大きな串をチーズの中につける。
そして伸びるチーズが落ちないように串を口で迎えてパクっと食べた。
「んー!」
美味ーい!久しぶりのチーズはマジで美味い。野菜の甘味と塩胡椒とチーズの塩味が口の中でマリアージュである。
肉もさっぱりとした鶏肉の味に、チーズが絡み付いて堪りません。ああ、美味しい!
ケチャップもあるので、チーズにケチャップをつけるとこれまたイケる!はぁー幸せ。お姉ちゃんと旭にも食べさせたい。
止まらずにパクパク食べると、みんなも真似して食べ始めた。そしてチーズを口に含むとカッと目を見開く。
「……!こ、これは!」
「まぁ……!」
「……すごいな」
「うわっ、これ美味い」
チーズ気に入ってくれたようだ。みんなも僕と同じようにチーズをヒタヒタにつけて食べていく。みんなお口の周りの毛がチーズでベットリ。蜂蜜食べてる熊さんを連想しちゃうね。可愛い。
「ルイ殿、この肉美味しいな。何をかけて焼いたんだ?」
パピジェットさんが肉オンリーの串をパクパク食べながら聞いてくる。
「ハーブソルトです。塩草や胡椒草、ローズマリーやカイエンペッパーとかハーブを混ぜて作ったんです」
「似たようなことをするが、生息しているハーブが違うからだろう。初めて食べる味だが、美味い」
みんなの食事を確保して、僕はゴリラ獣人さんに先程の食事のお礼だといって、ハーブソルト野菜の串焼きを数本あげた。
群れが変わったら、僕の料理を受け入れてくれるか不安だったけど、美味しいって言って食べてもらえて嬉しかったな。
ゴリラ獣人さん達に食べてもらう間、旅の目的を聞かれたので、バッタ駆除に行くと答えると驚かれた。
それからどうやって駆除されるのか聞かれたので蜘蛛さんによる捕獲捕食、そして毒団子による駆除か獣人さん達の鼻に頼るかもしれないことを答えていたら、ゴリラ獣人さんは群れのみんなにも説明していいか?と確認してきた。
勿論秘密じゃないので首肯すると、ゴリラ獣人さんは「坊やの料理美味かった」と言って席を後にして去っていった。
0
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
【R18】満たされぬ俺の番はイケメン獣人だった
佐伯亜美
BL
この世界は獣人と人間が共生している。
それ以外は現実と大きな違いがない世界の片隅で起きたラブストーリー。
その見た目から女性に不自由することのない人生を歩んできた俺は、今日も満たされぬ心を埋めようと行きずりの恋に身を投じていた。
その帰り道、今月から部下となったイケメン狼族のシモンと出会う。
「なんで……嘘つくんですか?」
今まで誰にも話したことの無い俺の秘密を見透かしたように言うシモンと、俺は身体を重ねることになった。
インバーション・カース 〜異世界へ飛ばされた僕が獣人彼氏に堕ちるまでの話〜
月咲やまな
BL
ルプス王国に、王子として“孕み子(繁栄を内に孕む者)”と呼ばれる者が産まれた。孕み子は内に秘めた強大な魔力と、大いなる者からの祝福をもって国に繁栄をもたらす事が約束されている。だがその者は、同時に呪われてもいた。
呪いを克服しなければ、繁栄は訪れない。
呪いを封じ込める事が出来る者は、この世界には居ない。そう、この世界には——
アルバイトの帰り道。九十九柊也(つくもとうや)は公園でキツネみたいな姿をしたおかしな生き物を拾った。「腹が減ったから何か寄越せ」とせっつかれ、家まで連れて行き、食べ物をあげたらあげたで今度は「お礼をしてあげる」と、柊也は望まずして異世界へ飛ばされてしまった。
「無理です!能無しの僕に世界なんか救えませんって!ゲームじゃあるまいし!」
言いたい事は山の様にあれども、柊也はルプス王国の領土内にある森で助けてくれた狐耳の生えた獣人・ルナールという青年と共に、逢った事も無い王子の呪いを解除する為、時々モブキャラ化しながらも奔走することとなるのだった。
○獣耳ありお兄さんと、異世界転移者のお話です。
○執着系・体格差・BL作品
【R18】作品ですのでご注意下さい。
【関連作品】
『古書店の精霊』
【第7回BL小説大賞:397位】
※2019/11/10にタイトルを『インバーション・カース』から変更しました。
【R18】うさぎのオメガは銀狼のアルファの腕の中
夕日(夕日凪)
BL
レイラ・ハーネスは、しがないうさぎ獣人のオメガである。
ある日レイラが経営している花屋に気高き狼獣人の侯爵、そしてアルファであるリオネルが現れて……。
「毎日、花を届けて欲しいのだが」
そんな一言からはじまる、溺愛に満ちた恋のお話。
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜
かむら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞にて、ジョブ・スキル賞受賞しました!】
身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。
そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。
これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる