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終末のダンジョン

我らは最強ドラゴンズ故

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我ら兄弟が……ふん、と言っても同じこのダンジョンの最奥で生まれたってだけだが。
ボスになり早79年。
未だここまで来れた挑戦者はいない。

ここは階層数こそ大したことないが難易度でいえばかなりの難度といえよう。
狭いダンジョンのくせにかなりの数の高ランクの魔物がひしめく。圧倒的な物量で疲れ果て挙句には最後に待ち構えるのは我らだ。


たかだか装備で塗り固められた人間風情では到底辿り着けまい。


………なんて良いように言ったけどさ、ダンジョンは森の中で入口は小さな像が一つ置かれているだけ。
ここを創った御方よ、もうちょっと目立つ場所に出現させて欲しかった。
風の噂で色んなダンジョンの話を聞く。
羨ましい、どこもかしこも賑わってて羨ましい。



そして、今日も暇つぶしに十数年前から始めた遊び。しりとりの続きで暇を紛らわす。


「ドラド、ドラドラゴンゴン(リンガ、次は黄色の番ぞ)。」

「ドラーゴドラド、ド、ド……ラ?ドラゴン!(えーまたガかよ、ガ、ガ……ん?誰か来た!)」


黄色がしりとりを中断して何か察知した。我もすぐにここへと迫る複数の気配を感じ取った。
挑戦者が現れず不貞寝する残りの兄弟を尻尾で叩き起こす。


不機嫌に起きた寝坊助共もすぐに切り替わる。
なんたってはじめての戦いだもんな。
うんうん長かった、実に長かった。

まだ戦ってすらないのに嬉しさが目頭に熱い滝水を生み出す。



どんどん近くまで感じ取れてきた待ちわびた想い人。
さあ早く……早く我たちの元までやって来て。



でも、めっちゃペース早くね。



そしてついに我ら最強守護者のファイナルブレイブジャッジメントエンドドラゴンズ(自称)の階層へと足を踏み入れてきた。


ふはは、すぐには殺しはしない。初めての挑戦者だから少しお話してこの出逢いの余韻に浸るんだ!



入って来たのは、種族年齢バラバラの者達。子供も居るが構わない。
兄弟と一度目を合わせて頷き合う。


いくよ、せーの。


「「「ドーラドラ、ドラゴーンドラドラ!(よくぞ来た、我らは階層守護者なりいざ尋常に!)」


言った、ついに言った。
ここ何十年の間で皆で練習した台詞をやっと言えた。


嬉しくてウキウキに兄弟達とハイタッチ。






「どうしてこのドラゴンさん達楽しそうに手を取り合ってたんだろう?」

僕はサバイバルナイフをしまい亡骸を見つめた。
油断していてくれたのか分からないけど、こんなにも早く倒せるなんて思わなかった。


僕はよく分からないドラゴンさん達を収納しました。


急いで転移石を入手しないと。


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