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おいでませ妖精の里
神様って‥
しおりを挟む妖精さんをまとめ上げている女の子こと妖精王さん。
以前から僕の事を知っている風な言動につい疑問を持ったら驚きの理由が飛び込んできた。
妖精王さんはあの神様と友人。
「え、か、神様って教会に行く度に呼び出してくるあの神様ですか?」
「くっく、そうじゃな。」
「毎回抱きついて来ようとして失敗したり、泣き落とししようとするあの神様ですか?」
「くっくっく、そうじゃその神様じゃのう。」
あれ、でも神様ってこの世界に直接的に関われるっけ?
「あのー、神様ってそんな簡単に地上へ訪れているものなんですか?」
「いやいや、彼奴は間接的にしか関われんよ。良くて、人の夢の中に勝手に侵入するぐらいじゃ。」
え、なにそれ怖い‥。
「しかし、ここは別じゃ。ここは妖精の王と称されるこの儂が創り出した別の世界。じゃから、顕現してやって来られる。まあ来ると言っても彼奴は管理の仕事で忙しい。一月に数回くらいじゃな。」
な、なるほど。
神様の創った世界ではないから関係なく現れるんだ。
ってことは、そそのうち来るかもしれない‥。
コロコロと表情を変化させる僕に妖精王さんは、安心させるように教えてくれる。
「なに心配するでない。この前来たばかりじゃから、しばらくはあのお転婆も来んじゃろう。」
妖精王さん、神様の友人って宣言するだけもあって結構軽口。
でも、あの神様の友人なのにどうもまともに見えてしまう。
「妖精王さんはなんか普通なん‥あっすみません、失礼な言い方でした!」
僕はつい口から失言を零れてしまった。
でも、妖精王さんは全く気にした様子が無く、ニカッと笑って許してくれる。
「気にせんよ。類は友を呼ぶなんて言葉もある。警戒する気持ちも分かる。」
妖精王さんは頑張ってぷるぷると爪先立ちで僕の左肩にそっと労わるように手を添える。
「あのお転婆神から恋愛相談という体で散々お主の話を丸二日中聞かされて、お主の気苦労を充分に察しておる。よう耐えとるのぅ。」
僕の頬を一筋の輝く何かが流れた。
涙だ、気付かないうちに流れてたみたい。
強制凶悪な求愛への苦労苦難を理解してくれる方が居てくれるなんて‥。
あの神様の友人だからと警戒してごめんなさい。
僕が落ち着くまで、妖精王さんは背中をさすってくれました。
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