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闘技大会と‥
恐怖の闘技大会
しおりを挟む痛みを分かち合える者との出会いを果たして、ついに闘技大会の日がやってきた。
結局、クロウさんとはあれ以来会えていない。憩いの喫茶店でも会うことはない。
僕は闘技大会が始まるまでの二日間はずっと野宿から観光の繰り返し。
魔物の潜む森に野宿したとはいえ、毎回結界に血がカーテンのように敷かれているのは目覚めに悪い。
不思議なことに魔物の死体が無い。
でも、ヴァルさんが言うには僕が起きる前に追っ払ってくれているらしい。
何があったか分からないけど、最近のヴァルさんは自信に満ち溢れている。
良い傾向だと思う。
観光の方も偶に偶然たまたまに両腕を包帯でぐるぐる巻きにしたララお姉ちゃんや箱型アリシアさんと出会うけど、クロウさんとの出会いで少しだけ勇気を持った僕はお誘いを何とか断るようにしている。
僕も成長しているんだ!
そして、今日は闘技大会。
大会の会場にヴァルさん達と向かう。
前日一緒に観ませんかと姫さまから招待を貰ったけど、もうチケットを持っていると理由をつけて断れた。
断れたんだ。
もう既に会場は人がかなり集まっている。
一ヶ所にこれだけの人の数。
自分の顔から血の気が引いていくのを感じる。
でも、僕は約束した。
新たな同志の行く末を僕は見守らなければならない。
迫ってくる吐き気や震えと戦いながら、会場に乗り込んだ。
会場は中心で行われる戦闘を囲うように席が設けられている。
こっち側は貴族以外の人達用らしい。
向かい側は貴族の人達が家族や従者を引き連れ優雅にしている。
それといくつもの小部屋が見受けられる。
あそこから王族とかかなり偉い人達が見るんだろうね。
僕は庶民用の席で後ろの方だけど充分見える。
総勢32名による選ばれた人による戦い。
トーナメント式で最後の1人を争う。
クロウさんがいつ出てくる分からないけど、しっかり応援しよう。
7試合にようやく登場。
今までの戦いも国の代表に選ばれただけあって強い。
ランダムのせいか同じ国から選ばれた同士で戦うこともあった。
クロウさんが一矢報いたい相手は同じく大会に出ている同国の選手だろう。
この試合は別の国とだから違う。
でも頑張れ。
クロウさんの最初の戦いが始まった。
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