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闘技大会と‥
胸の高鳴り‥まさか同類?
しおりを挟む僕は王城にさよならを告げて、王都観光に入る。
夕方くらいにでも王城の外でキャンプセットを設置すれば良いよね。
それにしても、相変わらずの人の数。イベントと重なって多い。でも、僕も全く成長していない訳じゃない。
ずっと足元を見ていた視線も今では、少しだけ上がり人の腰ぐらいまでの位置なら大丈夫になった。
顔色はまだまだ青いけど、吐き気はあまり来ない。
嫌でも成長するよ、今までに受けてきた実体験に比べれば街中を歩くのがどれだけ気楽か。
あぁ、そよぐ風が気持ちいい。
僕達は、イベント限定なのか普段から開かれているか不明な屋台を目につくものから片っ端にまわっていく。
ヴァルさん達もこのお祭りムードな雰囲気にウキウキした様子。
二人共、森に住み着いていたからこういうお祭り事は初めてなんだろうな。
僕も小さい頃に行っただけだから楽しい。
僕の頭をタシタシと次の屋台へ向かえと指示を出してくる。
二人の楽しそうな姿に僕も気分が更に高まってくる。
王城でもそうだけど、この世界の食は思ったよりも進んでいる。食をとことん追求していた元の世界と比べたら、もちろん劣っていると思うけど充分美味しい。
ウィンナー擬きにケチャップとマヨネーズ風がかけられたフランクフルト擬き。
擬きや風の重ねがけでも味は抜群。異世界をなめてはいけないね。
更に色々と屋台巡りをしていると、一軒の喫茶店を見つけた。メイン通りから少し外れた場所に位置するその喫茶店は、賑わいのある街で静閑な趣のある大人の隠れ家みたい。
ちょっと入ってみようかな。
意を決して扉を開ける。
カランコロンの音と共に森の香りが漂う。店内は木製で統一されていて、より一層落ち着く空間を作りだしている。
カウンターのみとは店主のこだわりかな?
お客さんも一人だけみたいだし、は入ってみよう。
「‥いらっしゃいませ。」
簡潔に一言で告げられ、適当に座る。
ヴァルさん達の事に関して特に何も言ってこないから大丈夫みたい。
「‥ご注文は?」
「え、はい、みミルクで‥」
「あいよ。」
マスターさんの少し無愛想な感じが武器屋の店主を連想させる。僕にはとてもありがたい。これが丁度良い。
無言なマスターさんが僕の分とヴァルさん達用にミルクを注いだ小皿も置いてくれた。やっぱり店主さんと同じで優しい人だ。
僕達は三人ちゃんとお礼を言ってコクコクと揃って飲む。
おそらく魔法で冷やされたミルクが僕達の喉にしっかりと潤いをくれる。
仲良くふわぁってなっている横で最初から飲んでいたお客さんがマスターさんに愚痴り始めた。
側に大剣が置かれてる。僕と同じ冒険者かな?
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