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増える配下2

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料理長クックを解放して続いて天使三姉妹を解放した。
いい加減三人にも立ち上がってもらう。

「三人共、久しぶり。出来れば起き上がってくれると助かるな。」

ひとまず促すけど、その前に挨拶から。

「エーロ、ご主人様の命により推参致しました。誠心誠意お尽くし致します。」

「ご主人様、また会えて嬉しいです~。私はご主人様の為に害虫ゴミクズ全てお掃除しちゃいますね!」

エーロとクロちゃんはなんとも性格が如実に表れた挨拶だ。
エーロはもう少し固っ苦しさが減るといいね。

「………ご主人様、よろしくお願いします。」

とても短くまとまったご挨拶をするカナデ。
でも、もじもじと上目遣いで愛らしい。皆の妹って感じで最高だね………リリーのジト目が背中に刺さる。


こほん、さてさてこれで料理人にメイドと揃った。
最後の2千万zであと一人解放する。

この家を防衛する配下。
ぶっちゃけクックやエーロ達で十分対処出来そうだけど、俺は油断しない異世界だもん。
自分の領域を守るのに適した配下が居る、その子を解放したいと思う。

もう何度目かの魔法陣。


魔法陣から現れたのは布団………ではなく布団に覆われた女の子。マスクを装備していて顔が分かりづらい。俺はキャラ作成で知っているけど、パッツン前髪が印象的で座敷わらしをかなり二次元化させた姿を思い浮かべてくれたら良いと思う。まぁ着物じゃなくて半袖白Tシャツを着ているけど。
あと、細かいこだわりとして傍らに空のペットボトルがいくつも置いてある。

使用方法は気にしないで下さい。

この子の名前は、ニト。
種族はひきこ森人、運営は絶対おやじだと思う。

森人の能力は自然を操る。
自分の領域に入って来た侵入者はスキルによって永遠木にされるか肥料にされる。または蔓を触手のように動かして性別関係なくあられもない姿にされて動画を撮られる。
撮った動画はいつでも観れる。

侵入者に対して肉体も精神もボロボロにする恐ろしい子だ。

「ニト、外で解放してごめんね。すぐに家へ連れて行くからね。」

「ご、ごごごご主人、かかか開ほうぇっ…してぅぷっ頂きああありがとうございます。早くお家へお願いします。」

もう青白い。
ガタガタ震えて視線もうろちょろしている。
やっぱり外は駄目だったか、申し訳ない。

すぐに家へ帰ろう。

「一気に人数増えたけど皆仲良くね。それじゃあニトが倒れる前に急いで帰ろう。クック悪いけどニトを背負ってやってくれるか。」

「うふん、いいわよ。さぁニトちゃんお姉さんの背中に乗りなさいん。」

「おぇ…うん、ありがとう…。」

その吐き気は外に居るからだよね?

とりあえず今回の解放はこれにて終了。これでもまだ九人しか解放出来ていない。あと91人、全員を解放するまで何十億掛かることやら。
まだ元通りには程遠い。
早くドラゴンが売れて欲しいな。



これで外での用事が終了したので配下全員を引き連れて街へ向かう。
もう言わなくても分かると思うけど門番はモルドさん。

ここからはモルドさんによる怒涛の告白ラッシュが始まった。
まずはシルヴィアへ。
続いてエーロ、クロちゃん。

まさかのカナデとリリーにまで告白をした。ニトはクックの陰に隠れて上手く躱していた。

幼子にまで愛を囁くなんて…。なりふり構っていられない様子が窺える。

そして、もう想定通りの全敗。

シルヴィアとエーロは絶対零度の冷めた目を。
クロちゃんは地面にペッと唾を吐き捨てた。
カナデとリリーはただ一言「キモッ…」。

ちょっと流石に可哀想。
もうモルドさんのライフはゼロ、というか良い加減懲りてほしい。
外から戻って来る度にモルドさんが真っ白に座り込む姿なんて見たくないよ。

「あらん、真っ白になっちゃって。しょうがないわね、アタシの母性で癒やしてあげちゃうん。」

優しさに包まれたクックがモルドさんに近付く。

逃げて!
でも、遅かった。

挨拶代わりにお尻を触る。

「ボクちゃん大丈夫?アタシが慰めてあ・げ・る、はむっ。」

右耳の耳たぶ部分をパクんちょからのレロン。
背中のニトがついに少し吐いてしまった。

「ひぃっ…いやああぁぁぁ!?!!」

門番モルドさんは絶叫した。
自分が門番であることをわすれて全力疾走で消えて行く。なんでお尻を押さえて逃げて行ったのか俺には分からない、分かりたくない。

一応、元気が出て良かったね。
入口でひと悶着あったけどようやくお家に到着。


まだほんの一部の解放だけど賑やかになってきた。
これからの生活が楽しみだ。

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