知らない世界はお供にナビを

王都でのんびり

押しかけファンはお断り

なっちゃんの案内により家具屋へ到着。
無駄に広い王都。
なっちゃんが居なかったら確実に迷子の迷子の美少女ちゃんになっていた。多分、家にも帰れなかったでしょうね。

ここから家具屋での一幕はとにかく散財の嵐。
異世界だから小洒落た物なんてない一昔前くらいのデザインばかり、そう高を括っていたのになかなか素晴らしいものばかりでした。
目について可愛いってなったら即買い。

やるじゃん、異世界。

『ご主人様、そのペースで購入し続ければ一週間後にはスラム街でゴミを漁る有意義な生活になりますよ。』

うし、もう帰りましょうか。
ここに居たら自分を止められないよ。

私は購入した家具に雑貨その他諸々を全て収納してここを後にした。
しかし、ホクホク顔で進むも15分後当たり前のように迷う。

思えば前の世界でも東京駅で遭難した思い出がある。
どうも私は迷子気質のようだ。

『ご主人様自分語りは良いですからさっさと帰りますよ。私がまた案内します。』

はい。

万能案内人のお陰でサクサクと道を進んでいく。
すると、ようやく見覚えのある町並みが。

けれど、見覚えのない人だかりも見えてきた。
あれって私のお家の前だよね？

「なっちゃん、あの人達何だと思う？私のファンかな？」

『ご主人様、寝言は寝てから言うものですよ。あの者たちはただのゴロツキです。先程ご主人様が無視なされた者の仲間ですね。』

私が無視？
全く覚えが無い。

『ご主人様ですから仕方がありません。』

とても酷い。
けど、一体どうしたもんか。

『魔物に比べれば赤子同然レベルの相手です。スタンガンで痺れさせるも良し、溺れる快楽で快楽に堕とすのも良し。脅して逆に金を巻き上げるのも良しです。』

なっちゃん、最後の選択肢はどうかと思うよ。

…………………じゃあ、恐喝で。

いつでもスタンガンを使えるように右手に装備しておく。フワ子にもいざとなったらお助けをと頼んでおく。
溺れる快楽もいつでも発動出来るよう心構えもバッチリ。

これで完璧。
さぁ、一体お幾ら万円持ってんだい。