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王都でのんびり
私は猪突猛進
しおりを挟む私のお店と自分の身体を色々スッキリさせた次の日。
昨日はそのままここで眠った。ただ居住エリアに備え付けられていたベッドは傷んでボロボロだった為、残念ながら雑魚寝で一夜を過ごしました。
これは今日絶対にベッドは買わないとね。
そう決めたらすぐ行動。
空間から貯め込んでいた食料で簡単に朝食を済ませていざ市場へ。
「へっへ、嬢ちゃん見ねぇ顔だ…っておい、待て!」
ベッドにタンス更には食器類。
金はそこそこあるからワンランク上の物を購入しよう。
「ちょっ、待てよ!」
全力疾走で駆けるカエデにスラム街からやって来たチンピラ1号の声は届く事は叶わなかった。
全力で走り出したものの王都は広い。
何処に何があるかなんて私に分かる訳が無い。
そんな時にはなっちゃん。
「なっちゃん、お願いします。おすすめの家具屋は何処ですか?」
『お任せ下さいご主人様。まずはそこの大通り左に曲がってそのまま二十メートル程歩きます。』
「うん。」
『そこから右に進んで細い路地に入ります。』
「うんうん。」
『そのまま真っ直ぐ進んでまた右に曲がって4つ目の建物がおすすめの家具屋です。では、行きましょう。』
「うん!」
全く分からん。
私の全知全能な記憶力を持ってしても覚えきれない。
「なっちゃん、教えてくれたところ悪いけど案内してくれる?」
『………はぁ、もちろんですご主人様。快くご案内致します。』
その割に出だしが溜息だったよ。
まだなっちゃんのツン期は長い。
『では、案内致しますね。はい、こちらですよ~。』
なっちゃんの案内の仕方がお爺ちゃんお婆ちゃんに対する対応に感じる。
分かりやすいけども分かりやすいけども…。
胸に小さな悲しみを宿すも本当に分かりやすく簡単に到着しました。
気を取り直すためにも大きく宣言。
「よーし、たっくさん買い物するぞー!!」
公然の場で突如発した大声。
これで王都でもカエデを危ない子と認識するものがちょっとずつ増えていく。
なっちゃんはそれを指摘することなく生温かく見守る。
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