52 / 94
第五話「いい加減、私を好きになりなさいよ!」
〈来世編〉④『エピローグ』
しおりを挟む
道中、ローゼリアはもう一人の復讐相手が気になっていた。
「そういえば、ハンドリューはカーネシアと会ってるんだったわよね? あの女、今どこにいるの?」
ハンドリューは靴の中の湿りを気にしながら、サラッと答えた。
「俺の家だが?」
「え、同棲? もう一回、川に突き落としていい?」
ローゼリアは嫉妬と怒りをむき出しに、ジリジリとハンドリューへ近づいた。
「違う、同棲じゃない」
「じゃあ、何よ! 同じ家に住んでるんでしょ?! だったら、同棲じゃないの!」
「見れば分かる」
二人はハンドリューの実家でシャワーと着替えを済ませた後、家の近くにある馬小屋へ向かった。なお、ローゼリアの着替えはハンドリューの母親から借りた。
馬小屋には十頭近くの馬がおり、思い思いに夜を過ごしていた。
「こいつがカーネシアだ」
「……」
ハンドリューが紹介したのは、黒い毛の雌馬だった。
雌馬はハンドリューを見つけると立ち上がり、柵越しに甘え始めた。反対に、ローゼリアには歯茎をむき出しにして威嚇した。
「……さすがに冗談よね?」
「自分の目で確かめればいい。持ってるんだろ、前世見通し眼」
「……」
ローゼリアは半信半疑で右目の前でピースし、カーネシアを見た。
すると、歴代のカーネシアの生まれ変わりが半透明に浮かび上がった。
「……私と同じように、前世カモフラージュを使ってるんじゃないの?」
「自分を馬に見せかける必要がどこにある?」
「……ないわねぇ」
二人は知らない。カーネシアがハンドリューと結ばれたい一心で、転生を急いだことを。その結果、出産を間近に控えていた子馬に転生してしまったことを。
ローゼリアはカーネシアがなぜ馬に転生したのか分からず、ただただ戸惑った。これでは復讐のしようがない。
「どんな転生を望んだら、馬になるのよ?」
「分からん。俺の知る限り、カーネシアが今までの人生で馬になりたがっていた気配はなかった。強いて挙げるなら、箱入り娘のわりに身体能力が異常に高かったことくらいか? 特に、脚力と身のこなしが競走馬並みだったな」
「平凡仙人が来たら、聞いてみようかしら。死んだら馬刺しにして食べるの?」
カーネシアは「ブモッ?!」とショックを受けた様子で、驚く。
今は馬だが、これまで通り人間の言葉を理解できているらしい。恐怖でプルプルと震え、助けを乞うようにハンドリューを見つめた。
ハンドリューは「残念だが、」とカーネシアを撫でた。
「こいつは食用じゃないから食えないぞ」
「なーんだ」
「ブモッ……」
ローゼリアは馬刺しが食べられないのを残念がり、カーネシアはホッと安堵した。
次の休日。
ローゼリアはカーネシアへの復讐として、彼女に跨り、森を散歩した。
「こいつ、俺以外の人間は一人で乗せないから」
とハンドリューがローゼリアの後ろに乗り、手綱を握る。後ろからハンドリューに支えられる体勢になり、ローゼリアは密かにドキッとした。
カーネシアはローゼリアが同伴すると分かり、歯茎を出して不服そうだったが、歩き出すと散歩が楽しいのか、ステップを踏むように軽やかに進んだ。
森は紅葉し、絶えず落ち葉がヒラヒラと舞う。地面に積もった大量の葉が、舗装されていない土の道を鮮やかに彩った。
「キレイね……」
「あぁ……そうだな」
ローゼリアは紅葉した森を、ハンドリューは森を眺めているローゼリアを見て、言う。
ふと、ローゼリアはハンドリューの視線に気づき、振り返った。この世界で再会した時と同じように、顔をしかめる。
「何?」
「いや、森を見ているお前も美しいと思ってな」
「……ちゃんと前見て、操縦してくれます?」
「カーネシアが見ているから問題ない」
「そうだった。この馬、元人間なんだったわ」
「そうそう」
ハンドリューは穏やかに微笑んだ。今までの彼のような、見ていると不安になる笑顔ではなく、安心できる笑顔だった。
ローゼリアは思わずドキッとし、ハンドリューに気づかれないよう前へ向き直った。
「ところで、これでカーネシアへの復讐も済んだわけだが、今後はどうするんだ?」
「どうって?」
「俺と交際してくれるのか? と聞いている」
「えっ、今?」
「ブモォォォッ?!」
瞬間、カーネシアは「はぁぁぁっ?!」と言わんばかりにいななき、全速力で駆け出した。
「ちょ?! まッ、てぇッ!」
「カーネシア、落ち着け!」
そのまま、森を直進する。
カーネシアは森の入口まで戻ってくると、急に立ち止まった。反動で、ローゼリアとハンドリューはかき集められた落ち葉の山へと投げ出された。
「うぁッ?!」
「あンの、じゃじゃ馬……!」
「ブモッ! ブモーッ!」
どうやら、好みの雄馬が馬小屋から出てきたらしい。カーネシアは二人を置き去りにして走り去った。
「……」
「……」
二人はカーネシアを追いかける気力もなく、落ち葉の山の上で倒れたまま動かない。
やがて、どちらからともなく吹き出した。
「あははッ! カーネシアったら、相変わらずハンドリューが大好きなのね!」
「ふははッ! まったく、困ったやつだ! 馬になっても、俺の邪魔するとはな!」
しばらく笑い合ったのち、ローゼリアは「いいわよ」と、先程のハンドリューの質問に答えた。
「貴方がクズに戻らないか、そばで見張っていてあげる。今まで私を傷つけた分、存分に奉仕しなさい?」
「……ありがとう。大切にする」
ハンドリューはそっと優しくローゼリアを抱きしめると、夜景が見える川辺でし損なったキスをした。
END②「いい加減、俺を好きになれよ〈改心したクズデレ婚約破棄王子に愛され過ぎて困っているんですが?!〉完結」
(幕間へ続く)
「そういえば、ハンドリューはカーネシアと会ってるんだったわよね? あの女、今どこにいるの?」
ハンドリューは靴の中の湿りを気にしながら、サラッと答えた。
「俺の家だが?」
「え、同棲? もう一回、川に突き落としていい?」
ローゼリアは嫉妬と怒りをむき出しに、ジリジリとハンドリューへ近づいた。
「違う、同棲じゃない」
「じゃあ、何よ! 同じ家に住んでるんでしょ?! だったら、同棲じゃないの!」
「見れば分かる」
二人はハンドリューの実家でシャワーと着替えを済ませた後、家の近くにある馬小屋へ向かった。なお、ローゼリアの着替えはハンドリューの母親から借りた。
馬小屋には十頭近くの馬がおり、思い思いに夜を過ごしていた。
「こいつがカーネシアだ」
「……」
ハンドリューが紹介したのは、黒い毛の雌馬だった。
雌馬はハンドリューを見つけると立ち上がり、柵越しに甘え始めた。反対に、ローゼリアには歯茎をむき出しにして威嚇した。
「……さすがに冗談よね?」
「自分の目で確かめればいい。持ってるんだろ、前世見通し眼」
「……」
ローゼリアは半信半疑で右目の前でピースし、カーネシアを見た。
すると、歴代のカーネシアの生まれ変わりが半透明に浮かび上がった。
「……私と同じように、前世カモフラージュを使ってるんじゃないの?」
「自分を馬に見せかける必要がどこにある?」
「……ないわねぇ」
二人は知らない。カーネシアがハンドリューと結ばれたい一心で、転生を急いだことを。その結果、出産を間近に控えていた子馬に転生してしまったことを。
ローゼリアはカーネシアがなぜ馬に転生したのか分からず、ただただ戸惑った。これでは復讐のしようがない。
「どんな転生を望んだら、馬になるのよ?」
「分からん。俺の知る限り、カーネシアが今までの人生で馬になりたがっていた気配はなかった。強いて挙げるなら、箱入り娘のわりに身体能力が異常に高かったことくらいか? 特に、脚力と身のこなしが競走馬並みだったな」
「平凡仙人が来たら、聞いてみようかしら。死んだら馬刺しにして食べるの?」
カーネシアは「ブモッ?!」とショックを受けた様子で、驚く。
今は馬だが、これまで通り人間の言葉を理解できているらしい。恐怖でプルプルと震え、助けを乞うようにハンドリューを見つめた。
ハンドリューは「残念だが、」とカーネシアを撫でた。
「こいつは食用じゃないから食えないぞ」
「なーんだ」
「ブモッ……」
ローゼリアは馬刺しが食べられないのを残念がり、カーネシアはホッと安堵した。
次の休日。
ローゼリアはカーネシアへの復讐として、彼女に跨り、森を散歩した。
「こいつ、俺以外の人間は一人で乗せないから」
とハンドリューがローゼリアの後ろに乗り、手綱を握る。後ろからハンドリューに支えられる体勢になり、ローゼリアは密かにドキッとした。
カーネシアはローゼリアが同伴すると分かり、歯茎を出して不服そうだったが、歩き出すと散歩が楽しいのか、ステップを踏むように軽やかに進んだ。
森は紅葉し、絶えず落ち葉がヒラヒラと舞う。地面に積もった大量の葉が、舗装されていない土の道を鮮やかに彩った。
「キレイね……」
「あぁ……そうだな」
ローゼリアは紅葉した森を、ハンドリューは森を眺めているローゼリアを見て、言う。
ふと、ローゼリアはハンドリューの視線に気づき、振り返った。この世界で再会した時と同じように、顔をしかめる。
「何?」
「いや、森を見ているお前も美しいと思ってな」
「……ちゃんと前見て、操縦してくれます?」
「カーネシアが見ているから問題ない」
「そうだった。この馬、元人間なんだったわ」
「そうそう」
ハンドリューは穏やかに微笑んだ。今までの彼のような、見ていると不安になる笑顔ではなく、安心できる笑顔だった。
ローゼリアは思わずドキッとし、ハンドリューに気づかれないよう前へ向き直った。
「ところで、これでカーネシアへの復讐も済んだわけだが、今後はどうするんだ?」
「どうって?」
「俺と交際してくれるのか? と聞いている」
「えっ、今?」
「ブモォォォッ?!」
瞬間、カーネシアは「はぁぁぁっ?!」と言わんばかりにいななき、全速力で駆け出した。
「ちょ?! まッ、てぇッ!」
「カーネシア、落ち着け!」
そのまま、森を直進する。
カーネシアは森の入口まで戻ってくると、急に立ち止まった。反動で、ローゼリアとハンドリューはかき集められた落ち葉の山へと投げ出された。
「うぁッ?!」
「あンの、じゃじゃ馬……!」
「ブモッ! ブモーッ!」
どうやら、好みの雄馬が馬小屋から出てきたらしい。カーネシアは二人を置き去りにして走り去った。
「……」
「……」
二人はカーネシアを追いかける気力もなく、落ち葉の山の上で倒れたまま動かない。
やがて、どちらからともなく吹き出した。
「あははッ! カーネシアったら、相変わらずハンドリューが大好きなのね!」
「ふははッ! まったく、困ったやつだ! 馬になっても、俺の邪魔するとはな!」
しばらく笑い合ったのち、ローゼリアは「いいわよ」と、先程のハンドリューの質問に答えた。
「貴方がクズに戻らないか、そばで見張っていてあげる。今まで私を傷つけた分、存分に奉仕しなさい?」
「……ありがとう。大切にする」
ハンドリューはそっと優しくローゼリアを抱きしめると、夜景が見える川辺でし損なったキスをした。
END②「いい加減、俺を好きになれよ〈改心したクズデレ婚約破棄王子に愛され過ぎて困っているんですが?!〉完結」
(幕間へ続く)
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
自然神の加護の力でのんびり異世界生活
八百十三
ファンタジー
炎神インゲ、水神シューラ、自然神カーンの三柱の神が見守り、人々と魔物に加護を与えて発展させている異世界・ルピアクロワ。
その世界に、地球で命を落としたごく普通の中学生・高村英助の魂が流れ着く。
自然神カーンの手によってヴァンド市の羊飼い、ダヴィド家に一人息子のエリクとして転生した英助は、特筆すべき能力も見出されることもなく、至極平穏な日々を過ごすはずだった。
しかし12歳のある日、ダヴィド家の家政婦である獣人族の少女・アグネスカと共に、ヴァンド市近郊の森に薪を拾いに行った時に、彼の人生は激変。
転生する時にカーンから授けられた加護の力で「使徒」の資格を有していたエリクは、次々と使徒としてのたぐいまれな能力を発揮するようになっていく。
動物や魔物と語らい、世界を俯瞰し、神の力を行使し。
そうしてラコルデール王国所属の使徒として定められたエリクと、彼に付き従う巫女となったアグネスカは、神も神獣も巻き込んで、壮大で平穏な日常を過ごしていくことになるのだった。
●コンテスト・小説大賞選考結果記録
第1回ノベルアップ+小説大賞一次選考通過
HJ小説大賞2020後期一次選考通過
第10回ネット小説大賞一次選考通過
※一部ボーイズラブ要素のある話があります。
※2020/6/9 あらすじを更新しました。
※表紙画像はあさぎ かな様にいただきました。ありがとうございます。
※カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様、エブリスタ様、ノベルピア様にも並行して投稿しています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886818732
https://ncode.syosetu.com/n1574ex/
https://novelup.plus/story/382393336
https://estar.jp/novels/25627726
https://novelpia.jp/novel/179
「ざまぁ」が攻撃スキルの異世界
緋色刹那
ファンタジー
・2022年9月30日に完結しました。
・第一回次世代ファンタジーカップ参加作(お題「進化系ざまぁ」)
(あらすじ)
これは、相手を「ざまぁ」して〈ザマァ〉する物語……。
ごく普通の会社員、狭間(はざま)ヨシタケは、紆余曲折あって死亡し、勇者として異世界に転生する。
ただし彼が転生した世界は、相手をざまぁすることで攻撃魔法「ザマァ」が発動されるという特殊な世界だった。
さっそく伝説の勇者として、王様に紹介されたメンバーと共に旅立ったヨシタケだったが、早々にパーティメンバーの騎士、ザマスロットからザマァ闇討ちされ、戦闘不能に。これによりヨシタケは一方的に戦力外の烙印を押され、パーティから追放されてしまう。
教会で目覚めたヨシタケは治療費を稼ぐため、森へモンスター狩りに出かけるが、スライムの「ざまぁ」要素を見つけられず、苦戦する。
その後、流れ者の魔女、ザマァーリンに救出されたヨシタケは、彼女からこの世界での戦い方を学ぶことに。そして、新たな仲間と共に冒険の旅を再開する。
全ては、憎きザマスロットをざまぁして、〈ザマァ〉するために……。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる