18 / 94
第三話「俺達はいつも一緒!」
選択肢①『剛のプラン』後編
しおりを挟む
玲二と従汰が帰ってきたのは、夜遅くだった。二人は並んで歩き、楽しそうに談笑していた。
「玲二、従汰」
二人の家の前で待っていた剛は彼らのもとへ駆け寄る。途端に二人の顔から笑みが消え、剛警戒するそぶりを見せた。
「何の用だ。家まで押しかけてきて……警察を呼ぶぞ」
「……二人とも、ごめん」
剛は深々と頭を下げ、謝った。
「占い師から全部聞いたよ。俺が前世でお前達に酷いことをしたって。そのせいで命を落としたって……本当に、ごめん」
もう親友になって欲しいなどとわがままを言うつもりはなかった。ただ許してくれればそれで良かった。
しかし二人の剛に対する恨みは、剛の想像を遥かに超えていた。ふいに玲二が剛の頭を後ろからつかみ、顔面に向かって膝を打ちつけた。
「ぐッ?!」
「お前さ、自分がやったこと分かってる? 俺はお前のせいでまともに勉強する時間が取れなくて、小学校も、中学校も、高校も、大学も、志望校全部落ちたんだぞ? 就職だって、やっと内定もらった仕事だったのに、お前が無理矢理俺に酒を飲ませたせいで取り消しになってさ……。従汰だって、お前から受けた暴力がトラウマになって、肉体的にも精神的にも後遺症が残っていた。唯一の心の拠り所だったペットも、お前が隠れてチョコレートを食わせ続けていたせいで死んだんだ」
玲二は剛の髪をつかみと、地面へ叩きつけた。剛は顔全体をぶつけ、痛みに悶える。
「い゛……ッ!」
剛が顔を押さえ、苦しそうに呻いていても、玲二と従汰はただ剛を見下ろすばかりだった。
「……お前が頭を下げたところで、何の意味もない。何度生まれ変わったとしても、俺達はお前を絶対に許さない。お前が本当に俺達を思っているのなら、もう二度と目の前に現れるな。付き纏うな。俺達の人生に関わろうとするな。一人で生き、一人で死んでくれ」
玲二はそう吐き捨てると、従汰を連れ立って去っていった。
剛は顔の痛みで倒れ、そのまま意識を失った。
目を覚ますと、剛は病院のベッドに横たわっていた。外は日の光で明るく、壁にかかった時計の針は七時を指し示していた。
「あ、起きた」
そばで剛の傷の手当てをしていた看護師が、剛が目を覚めたのに気づき、顔を覗き込む。
病室には看護師の他にも、剛と同じ制服を着た数人の男女が剛を取り囲むように座り、心配そうに様子を窺っていた。
「先生を呼んでくるわね。ちゃんと安静にしてるのよ」
看護師が病室を出て行った後、取り囲んでいた一人が「大丈夫?」と剛に尋ねた。
「君、血だらけで倒れてたんだよ。僕達がたまたま通りかからなかったから、取り返しのつかないことになってたかもしれないってお医者さんが言ってた」
「そんな酷い怪我だったのか」
酷く痛むとは思っていたが、そこまでだったとは思わず剛は驚いた。しかし前世で剛がしでかした所行を思えば、当然の報いだと納得した。
一人が喋りかけたのを皮切りに、他の男女も堰を切ったように喋り出した。
「酷いなんてもんじゃねぇ! 顔が潰れてたんだぞ?!」
「私、びっくりして気絶しちゃった」
「一体誰にやられたんです? あのあたりは治安がいいはずですが」
「きっとチュパカブラの仕業だよ! もしくは、動物園から逃げ出したカンガルーとか!」
「だから、チュパカブラはいないって」
男女は剛そっちのけで話し、病室は一気に騒々しくなる。
案の定、医者を連れて戻ってきた看護師に「静かにしなさい!」と叱られた。
「貴方達、学校は? そろそろ登校時刻でしょ? 早く学校に行きなさい」
「ちぇー」
「サボっちゃダメですか?」
「ダメに決まってるでしょ。学校に言いつけるわよ」
「ケチー」
男女は文句を言いながらも席を立ち、病室の出口へ歩いていった。
「じゃあ、また来るから」
「今度はお土産たくさん持ってくるぜ!」
「ご飯いっぱい食べてねー」
「君の先生には僕達から事情を説明しておきますから、ご安心を」
「放課後にチュパカブラの話、聞かせてあげる!」
「傷に障るからやめとけ」
帰り際、始めに声をかけてきた男子が「そういえば」と思い出したように剛に尋ねた。
「君、名前は?」
他のメンバーも興味深そうに剛に視線を向け、静まり返る。
剛は今までそんなふうに、大勢から視線を向けられたことがない。気恥ずかしそうに「あ、えっと」と言葉を詰まらせながらも、答えた。
「剛……悟藤剛だ」
一同は剛の名前を聞いて少し驚いた表情を浮かべつつ、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「剛か……強そうな名前だね。僕は一ノ瀬始。荒っぽいのが次郎丸仁、君の血を見て気絶した子が三船ミミ、真面目そうな彼は四ツ谷史郎、チュパカブラが好きな子が六鹿睦、彼女のブレーキ役を担っているのが七塚修だよ。君と同じ中学の生徒なんだ」
「よろしくな、剛!」
「よろしくね、剛君」
「困ったことがあれば、いつでも頼って下さいね」
「名字に"五"が入ってるなんて、すっごい偶然! これで一から七まで揃ったね!」
「たまたまだろ……と言いたいところだが、確かにすごい偶然だな。次は八とか九とか増えるんじゃないか?」
「おっ! 修君と意見が合うなんて、めっずらしー!」
驚かれた理由を知り、剛も目をパチクリさせる。
その間に六人は「じゃあまたね」と手を振り、病室を出ていった。しばらく彼らの話し声が聞こえていたが、やがて完全に聞こえなくなった。会ったばかりだというのに、彼らがいなくなると無性に心細くなった。
「体調はどうかな?」
「少し喋りにくいですけど、大丈夫です。ありがとうございました」
ふと、剛はあの六人に礼を言うのを忘れていたことを思い出した。彼らのやり取りを聞いているのが楽しくて、つい忘れていた。
(次に会った時に、絶対お礼を言おう。それから……)
剛は玲二と従汰のことが脳裏をよぎった。
二人と仲直りしたい気持ちがなくなったわけではない。出来ることなら、親友になりたかった。今日出会った六人にしても、前世での剛を知れば、軽蔑されるに決まっている。
それでも、剛は彼らともっと親しくなりたかった。
(……それから、言うんだ。"俺と友達になって欲しい"って)
END1「幼馴染だって他人」
「玲二、従汰」
二人の家の前で待っていた剛は彼らのもとへ駆け寄る。途端に二人の顔から笑みが消え、剛警戒するそぶりを見せた。
「何の用だ。家まで押しかけてきて……警察を呼ぶぞ」
「……二人とも、ごめん」
剛は深々と頭を下げ、謝った。
「占い師から全部聞いたよ。俺が前世でお前達に酷いことをしたって。そのせいで命を落としたって……本当に、ごめん」
もう親友になって欲しいなどとわがままを言うつもりはなかった。ただ許してくれればそれで良かった。
しかし二人の剛に対する恨みは、剛の想像を遥かに超えていた。ふいに玲二が剛の頭を後ろからつかみ、顔面に向かって膝を打ちつけた。
「ぐッ?!」
「お前さ、自分がやったこと分かってる? 俺はお前のせいでまともに勉強する時間が取れなくて、小学校も、中学校も、高校も、大学も、志望校全部落ちたんだぞ? 就職だって、やっと内定もらった仕事だったのに、お前が無理矢理俺に酒を飲ませたせいで取り消しになってさ……。従汰だって、お前から受けた暴力がトラウマになって、肉体的にも精神的にも後遺症が残っていた。唯一の心の拠り所だったペットも、お前が隠れてチョコレートを食わせ続けていたせいで死んだんだ」
玲二は剛の髪をつかみと、地面へ叩きつけた。剛は顔全体をぶつけ、痛みに悶える。
「い゛……ッ!」
剛が顔を押さえ、苦しそうに呻いていても、玲二と従汰はただ剛を見下ろすばかりだった。
「……お前が頭を下げたところで、何の意味もない。何度生まれ変わったとしても、俺達はお前を絶対に許さない。お前が本当に俺達を思っているのなら、もう二度と目の前に現れるな。付き纏うな。俺達の人生に関わろうとするな。一人で生き、一人で死んでくれ」
玲二はそう吐き捨てると、従汰を連れ立って去っていった。
剛は顔の痛みで倒れ、そのまま意識を失った。
目を覚ますと、剛は病院のベッドに横たわっていた。外は日の光で明るく、壁にかかった時計の針は七時を指し示していた。
「あ、起きた」
そばで剛の傷の手当てをしていた看護師が、剛が目を覚めたのに気づき、顔を覗き込む。
病室には看護師の他にも、剛と同じ制服を着た数人の男女が剛を取り囲むように座り、心配そうに様子を窺っていた。
「先生を呼んでくるわね。ちゃんと安静にしてるのよ」
看護師が病室を出て行った後、取り囲んでいた一人が「大丈夫?」と剛に尋ねた。
「君、血だらけで倒れてたんだよ。僕達がたまたま通りかからなかったから、取り返しのつかないことになってたかもしれないってお医者さんが言ってた」
「そんな酷い怪我だったのか」
酷く痛むとは思っていたが、そこまでだったとは思わず剛は驚いた。しかし前世で剛がしでかした所行を思えば、当然の報いだと納得した。
一人が喋りかけたのを皮切りに、他の男女も堰を切ったように喋り出した。
「酷いなんてもんじゃねぇ! 顔が潰れてたんだぞ?!」
「私、びっくりして気絶しちゃった」
「一体誰にやられたんです? あのあたりは治安がいいはずですが」
「きっとチュパカブラの仕業だよ! もしくは、動物園から逃げ出したカンガルーとか!」
「だから、チュパカブラはいないって」
男女は剛そっちのけで話し、病室は一気に騒々しくなる。
案の定、医者を連れて戻ってきた看護師に「静かにしなさい!」と叱られた。
「貴方達、学校は? そろそろ登校時刻でしょ? 早く学校に行きなさい」
「ちぇー」
「サボっちゃダメですか?」
「ダメに決まってるでしょ。学校に言いつけるわよ」
「ケチー」
男女は文句を言いながらも席を立ち、病室の出口へ歩いていった。
「じゃあ、また来るから」
「今度はお土産たくさん持ってくるぜ!」
「ご飯いっぱい食べてねー」
「君の先生には僕達から事情を説明しておきますから、ご安心を」
「放課後にチュパカブラの話、聞かせてあげる!」
「傷に障るからやめとけ」
帰り際、始めに声をかけてきた男子が「そういえば」と思い出したように剛に尋ねた。
「君、名前は?」
他のメンバーも興味深そうに剛に視線を向け、静まり返る。
剛は今までそんなふうに、大勢から視線を向けられたことがない。気恥ずかしそうに「あ、えっと」と言葉を詰まらせながらも、答えた。
「剛……悟藤剛だ」
一同は剛の名前を聞いて少し驚いた表情を浮かべつつ、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「剛か……強そうな名前だね。僕は一ノ瀬始。荒っぽいのが次郎丸仁、君の血を見て気絶した子が三船ミミ、真面目そうな彼は四ツ谷史郎、チュパカブラが好きな子が六鹿睦、彼女のブレーキ役を担っているのが七塚修だよ。君と同じ中学の生徒なんだ」
「よろしくな、剛!」
「よろしくね、剛君」
「困ったことがあれば、いつでも頼って下さいね」
「名字に"五"が入ってるなんて、すっごい偶然! これで一から七まで揃ったね!」
「たまたまだろ……と言いたいところだが、確かにすごい偶然だな。次は八とか九とか増えるんじゃないか?」
「おっ! 修君と意見が合うなんて、めっずらしー!」
驚かれた理由を知り、剛も目をパチクリさせる。
その間に六人は「じゃあまたね」と手を振り、病室を出ていった。しばらく彼らの話し声が聞こえていたが、やがて完全に聞こえなくなった。会ったばかりだというのに、彼らがいなくなると無性に心細くなった。
「体調はどうかな?」
「少し喋りにくいですけど、大丈夫です。ありがとうございました」
ふと、剛はあの六人に礼を言うのを忘れていたことを思い出した。彼らのやり取りを聞いているのが楽しくて、つい忘れていた。
(次に会った時に、絶対お礼を言おう。それから……)
剛は玲二と従汰のことが脳裏をよぎった。
二人と仲直りしたい気持ちがなくなったわけではない。出来ることなら、親友になりたかった。今日出会った六人にしても、前世での剛を知れば、軽蔑されるに決まっている。
それでも、剛は彼らともっと親しくなりたかった。
(……それから、言うんだ。"俺と友達になって欲しい"って)
END1「幼馴染だって他人」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
「ざまぁ」が攻撃スキルの異世界
緋色刹那
ファンタジー
・2022年9月30日に完結しました。
・第一回次世代ファンタジーカップ参加作(お題「進化系ざまぁ」)
(あらすじ)
これは、相手を「ざまぁ」して〈ザマァ〉する物語……。
ごく普通の会社員、狭間(はざま)ヨシタケは、紆余曲折あって死亡し、勇者として異世界に転生する。
ただし彼が転生した世界は、相手をざまぁすることで攻撃魔法「ザマァ」が発動されるという特殊な世界だった。
さっそく伝説の勇者として、王様に紹介されたメンバーと共に旅立ったヨシタケだったが、早々にパーティメンバーの騎士、ザマスロットからザマァ闇討ちされ、戦闘不能に。これによりヨシタケは一方的に戦力外の烙印を押され、パーティから追放されてしまう。
教会で目覚めたヨシタケは治療費を稼ぐため、森へモンスター狩りに出かけるが、スライムの「ざまぁ」要素を見つけられず、苦戦する。
その後、流れ者の魔女、ザマァーリンに救出されたヨシタケは、彼女からこの世界での戦い方を学ぶことに。そして、新たな仲間と共に冒険の旅を再開する。
全ては、憎きザマスロットをざまぁして、〈ザマァ〉するために……。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる